東京03『無駄に哀愁のある背中』(第6回)感想&レビューです。

公演日 2007年11月
収録 企画会議
メシの誘い
陰口
大丈夫です
みみっちい
ビニール傘
秋まつり

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、東京03の『無駄に哀愁のある背中』。

6回目の単独ライブを収録したものです。

『企画会議』&『陰口』は、角ちゃんのヘタレっぷりが発揮される作品。

もはや、東京03 の〝おはこ〟といっていい内容です。

個人的によかったのは、『メシの誘い』&『大丈夫です』の2本。

以下、くわしくみていきます。

『メシの誘い』

あらすじ

バイトおわりの3人。

飯塚が豊本をメシにさそい、ふたりは帰ろうとする。

〝待った〟をかける角田。

「その誘いにオレは含まれているのか……」と心配そうにたずねる。

「ハッキリさそってくれ」
「誘われてもないのに、ついていったら、気まずい」

文句をつける。

いちいちめんどくさいと飯塚は反論するが、豊本のほうは〝角田は誘われていない〟と思っていた。

心配が的中した角田は、パニックになり……。

ひとこと

〝なかまからメシに誘われているか〟─ 。

センサイなきもちを描いたコントです。

東京03 らしい作品ですね。

『大丈夫です』

人物

先輩(角田)
後輩①(飯塚)
後輩②(豊本)

場所

マンションの一室

あらすじ

先輩の引っこしを手伝っている後輩。そのとき先輩がいらない服を見つけ、あげようとする。

先輩の服装をみながら、やんわりことわる後輩。

「大丈夫です……」。

察することなく、さらにほかの服をススめてくる先輩。

ふたたび「大丈夫です……」。

「サイズが大きい」
「ちょっと派手」
「自分には着こなせない」

出されるたびに、言いわけをくりかえす。

そこへ、もう一人の後輩・豊本がやってくる。

飯塚と同じように、いらない服をゆずろうとしたとたんに、あわてて「大丈夫です」の一言。

気づく先輩。

はっきり「ダサい」と言わない後輩にブチギレて……。

ひとこと

あいかわらず日常の「あるある」をネタにするのがうまいなぁ。

ダサい人、とくに先輩ともなると、はっきりホンネは言えないよね。

そんな人から「服をあげる」って言われたら……。

その葛藤を笑いにしたコント。設定が good です。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、「反復」だとわかります。

「交錯」は、隠した感情や事実がバレないように、ひとりの人物が、コトバやアクションを取りつくろうようすを描き、ストーリーを展開させる。

アタフタするすがた or 事態が明らかになっていくようすが、笑いを引きおこす。

このコントでも、〝先輩 = ダサい人〟と思っていた後輩が、服のプレゼントをきっかけに、かくしていた本心がバレそうになる。

受けとらない言いわけをくりかえし、アタフタする。

このようすが、笑いをひきおこしていきます。

図にすると、こんなかんじです。

構図 ─ 交錯
先輩 ≠ ダサい人

・先輩の服をもらうのを、やんわりことわる
・もうひとり後輩がダサいとストレートに告げる

先輩 = ダサい人

けっきょく、もうひとり後輩が真相を口にすることで、かくしていたキモチがバレてしまいます。

さらにストレートに言った豊本はゆるされ、かくしていた飯塚のほうが、よりキレられる。

ストーリー展開がすばらしい。

また、豊本が「ダサい」とストレートに告げたあとの、角ちゃんのリアクションがおもしろすぎます。

ハラをかかえるほど笑いました。

まとめ

こんなふうに、ストーリーの構成に注目すると、よりコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。