シド・フィールド『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック』感想&レビューです。

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうはシド・フィールドの『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック』をとりあげます。

シナリオづくりの指南書ですが、コントづくりにも役にたちます。

以下、気になる点をピックアップしてみます。

ちなみ、シド・フィールドは、この本のまえに『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』という本を出しています。

ただ2冊目のほうが、説明もまとまっていて、より実践的です。

なので、こちらをレビューします。

映画のシナリオは三幕構成

ストーリーにはパターンがあり、すぐれた映画は「三幕」から成りたっています。

具体的には、設定 → 葛藤 → 解決のながれをとります。

設定のさいご(第一幕の終盤)に「プロットポイント1」がおかれます。

ここで起きる「事件」「出来事」をキッカケに、登場人物は(物理的 or 精神的な)ジレンマに直面 ─ 。

第二幕は、この葛藤を克服するシーンが描かれる。

つづいて、葛藤のさいご(第二幕の終盤)に「プロットポイント2」が置かれる。

ここの「事件」「出来事」をキッカケに、登場人物の困難が解消されていく。

なにかしらの答えを出したあと、そのままエンディングをむかえる。

この主張は、かれの名まえをひとめたと同時に、まっさきに批判をあびました。

あまりに単純すぎると。

しかしこれは「ストーリーを面白くするルール」ではありません。

伝統芸能でいうところの「お作法」です。

この枠組みをベースに、つくり手ひとりひとりがストーリーをつくりあげていきます。

そこに多様性がうまれ、脚本家のオリジナリティが発揮されます。

コントづくりにも活かせる

この三幕構成の枠組みは、コントにも応用できます。

さいしょの「設定」で、登場人物の性格や状況をしめす。

つぎの「葛藤」で、なにかしらの困難を人物にぶつける。

さいごの「解決」で、ジレンマを解消させ、オチにもっていく。

この「型」を意識すると、コントをつくるときラクになります。

ただしコントでは、第二幕での「困難」を笑いの要素にする必要があります。

また尺の長さもポイントです。

この本は映画のシナリオをあつかっているので、120分のストーリーを想定しています。

時間配分は、1:3:1 の割合で、「設定」に30分、「葛藤」に60分、「解決」に30分をあてています。

しかしコントでは3〜5分が、フツーです。

単純にあてはめるなら、それぞれ1〜2分以内であらわす必要があります。

この枠組みをつかう場合、「けずる」作業がもとめられます。

キャラクターづくりのポイント

キャラクターは、コントでもだいじな要素。

しかし説明するとなればむずかしい。

そのため、キャラクターについての考えは、けっこう参考になりました。

かれは、キャラクターをつくる要素を4点あげます。

① 明確で強い「ドラマ上の欲求」があること
② 独自の「考え」「ものの見方」を持っていること
③ 「態度や意見」を表していること
④ 「変化」すること

なかでもとくに重要なのは「ドラマ上の欲求」です。

見た目がフツーでも、行動がヘンでも、〝登場人物かがイチバンに求めていること〟で、はなしの展開がかわり、観る人の目もかわります。

たしかにコントでは「キャラ」が重要で、トッピなふるまいで笑わせます。

けれどそれだけではストーリーが展開しません。

一発芸とちがい、コントはプロットで笑わせます。

なので、キャラクターを考えるときは「ドラマ上の欲求」は不可欠です。

どれだけ「キャラ立ち」のする人物でも、〝なにを欲しているか〟〝最終的にどうなりたいか〟を表現できなければ、魅力的なキャラクターはつくれません。

本書は、この点を気づかせてくれました。

まとめ

ほかにも、オープン二ングのコツだったり、セリフの役割だったり、参考にできる箇所がたくさんありました。

再読して気づいたことは、この記事で書いていこうと思います。

それでは。

よきコントライフを〜。