プラトン ─ おすすめの本・著書 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、哲学に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・哲学書にあたってきました。

もちろん、プラトンの著作も読んできました。

同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。

とはいえ、

・そもそも全部で何作品あるの?
・たくさんありすぎて、どれから読めばいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?

─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。

そこで、この記事では、おすすめのプラトン作品をあげていきたいと思います。

結論を先にいうと、つぎのとおり。

りきぞう

プラトンの著書は、全部で約30作品
読むべき本は、『ソクラテスの弁明』『饗宴』『国家』の3冊
ギリシャ哲学の1大テーマ「徳(アレテー)」に限定するなら、『メノン』がおすすめ

以下、概要&感想をのべつつ、読むべきプラトンの著書を、5つあげていきたいと思います。

『ソクラテスの弁明』

成立年 BC.338年ごろ?
目次 第1部 ─ 告発への弁明
第2部 ─ 刑罰の提案
第3部 ─ 判決後のコメント

本書『ソクラテスの弁明』は、30代のころの作品。

師「ソクラテス」が、裁判で死刑判決を受けるシーンを描きます。

かれの弁明をつうじて、

・魂
・善
・無知

などのテーマをあつかいます。

裁判の記録をつうじて、読み手である、わたしたちが、思考・探求できる構成になっています。

ちなみに、じっさいの記録ではなく、プラトンによる創作です。

長さ・難易度からみても、とっつきやすく、イチバンおすすめです。

評価
長さ
(2.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『饗宴』

成立年 BC.338年ごろ?
目次 プロローグ
第1章 うたげのはじまり
第2章 パイドロスの話
第3章 パウサニアスの話
第4章 エリュクシマコスの話
第5章 アリストファネスの話
第6章 アガトンの話
第7章 ソクラテス、アガトンと対話する
第8章 ソクラテスの話
第9章 アルキビアデス登場
第10章 アルキビアデスの話
エピローグ

プラトンが、40代のころの作品です。

本作のテーマは、「エロス(恋)」─ 。

パイドロス

パウサニアス

エリュクシマコス

アリストパネス

アガトン

ソクラテス

の順で、6人の人物が、「エロスの神」をたたえつつ、「理想的なエロス」について語っていきます。

いちおう「恋愛論」ということになります。

いっぽう、ソクラテスの口を借りるかたちで、プラトンならでは「イデア論」を展開されます。

「エロス」だけでなく、「イデア論」を知るうえでも、参考になる1冊です。

こちらも物語形式で書かれているので、とっつきやすいです。

分量もほどよく、さらっと読んでいけます。

おもしろさにかんしては、本作がイチバンです。

『ソクラテスの弁明』のつぎに、手にとるのがベターです。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(5.0)
おすすめ度
(4.0)

『国家』

成立年 BC.375年ごろ?
構成 第1巻 「前奏曲」
第2巻〜第4巻 〈正義〉の定義」
第5巻〜第7巻 理想国家のあり方と条件」
第8巻〜第9巻 不完全国家とそれに対応する人間の諸形態」
第10巻 詩(創作)への告発

プラトンが、40代〜50代のころの作品です。

テーマは、「正義」

当時のアテネ市民が抱く「正義」について、フクスウの語り手が、会話形式で語っていきます。

内容は、

「正義」にかんする論点

個人と国家における「正義」の定義

理想国家の条件

不完全国家における国民の対応

といったながれ。

分量も多く、文庫で2冊分あります。

読みやすいとは言えません。

けれど、プラトンの考えが、ひととおり展開され、端的にまとまっています。

プラトン思想の理解には、『国家』は避けて通れません。

ほかの著作にくらべて、とっつきにくいですが、ぜひ目をとおしておきたい1冊です。

評価
長さ
(4.0)
難易度
(4.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『メノン』

成立年 BC.338年〜337年ごろ?
目次 第1章 徳(アレテー)をめぐる難問
第2章 究極のパラドクスと、「想起」に訴える回答
第3章 仮説の方法による探求
第4章 アニュトスとの対話
第5章 メノンとの対話の結論

プラトンが、40代〜50代のころの作品です。

一般に、『ソクラテスの弁明』などの初期作品と、『国家』『パイドン』などの中期作品をつなぐものとされています。

テーマは、「徳(アレテー)」。

この「徳(アレテー)」という概念は、当時のギリシャ世界では、とても大切でした。

ひとことでいえば、「よく生きる」には「正しい徳」が必要不可欠、ということ。

そのため、アリストテレス or トマス・アクィナスなど、プラトン以降の思想家も、この徳(アレテー)を、メインにあつかっています。

じつはソクラテスも、生死をかけた裁判で、徳(アレテー)について、くわしく語っていました。

本作では、この徳(アレテー)について、プラトン自身の考えが、詳細に記されています。

哲学者「ソクラテス」
青年「メノン」
政治家「アニュトス」

─ 3人の対話から、「徳(アレテー)の定義」「理想的な徳(アレテー)」が、明らかになっていきます。

分量・難易度も、ほどよい。

はなしの内容も、わりとストーリー性があり、読んでいて飽きません。

プラトン思想にかぎらず、ギリシャ哲学の1大テーマである「徳(アレテー)」を知るうえでも、ふれておきたい1冊です。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『パイドン』

成立年 BC.338年〜337年ごろ?
目次 1 序曲
2 死に対するソクラテスの態度
3 霊魂不滅の証明
4 神話 ─ 死後の裁きとあの世の物語
5 終曲 ─ ソクラテスの死

プラトンが、40代〜50代のころの作品です。

テーマは「イデア論」。

いわゆる「プラトニズム」について、しっかり書かれています。

ちなみに、プラトニズムとは、「肉体」ではなく「精神」こそがもっとも善い、という態度・立場をさします。

この立場から、

・魂の不死
・最善の定義
・魂への配慮

について、会話形式で語っていきます。

プラトン独自の「イデア論」が、もっともハッキリ記してある作品です。

けれど読むうえでは、かなり退屈な1冊です。

物語調であるものの、『ソクラテスの弁明』『饗宴』にくらべて、ドラマ性がなく、読んでいるだけでウトウトしてきます。

はなしの内容も、どこか〝説教くさい〟です。

プラトンの「イデア論」を、じっくり知りたい人が、手にとる本といったかんじです。

個人的には、うえ3冊を読んで、ヒマがあれば、目をとおせば良いと思います。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(2.0)
おすすめ度
(3.0)

まとめ

まとめると、

りきぞう

プラトンの著書は、全部で約30作品
読むべき本は、『ソクラテスの弁明』『饗宴』『国家』の3冊
ギリシャ哲学の1大テーマ「徳(アレテー)」に限定するなら、『メノン』がおすすめ

ぜひ、プラトン作品を読むうえで、参考にしてみてください。

ではまた〜。