どうも、りきぞうです。
大学のころから、哲学に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・哲学書にあたってきました。
ソクラテスの哲学にも、ふれてきました。
同じように、知りたいなぁと思っている人もいるかと。
とはいえ、
・ソクラテス思想のポイントは?
・かれの残した名言は?
─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。
そこで、この記事では、ソクラテスの考えをみていきたいと思います。
先に結論をいうと、つぎのとおり。
りきぞう
・「問答法」「無知の知」「魂への配慮」をキーワードに、独自の思想を展開した
・「金銭から徳は生じないが、徳にもとづいて金銭や他のものはすべて、個人的にも公共的にも、人間にとって善きものとなる」といった名言を残している
以下、目次にそって、[著者 → ポイント → 名言]の順でみていきます。
…
ちなみに、参考にした本は、こちら。
引用ページも、本書によります。
目次
著者
ソクラテスは、古代ギリシャ人で、BC.469年ごろ〜BC.399年に生きた人。
著書は、1冊も残していません。
かれの思想は、プラトン or クセノフォンによって、記述されました。
プラトンは『ソクラテスの弁明』『クリトン』『ゴルギアス』など。
クセノフォンは『ソクラテスの思い出』です。
職人でありながら、アテネ中の人びとに話しかけ、自分なりの思想をつくりあげていきます。
「問答法」をくりかえしながら、相手の「無知の知」(=知っていると思っていたけど、知らなかった)を暴き、真実にたどりつく ─ 。
いわゆる「産婆術」の手法で、哲学をおこなっていました。
そのため、こころよく思わない人たちから、「アテネ市民を悪しき道へ、そそのかしている」として、訴えられます。
裁判では死刑宣告をうけ、さいごは毒杯を飲んで亡くなります。
ポイント ─ 「問答法」「魂への配慮」
プラトン『ソクラテスの弁明』にしぼって、ソクラテス思想について、みていきます。
ポイントは、「問答法」「魂への配慮」です。
カンケツにまとめると、つぎのとおり。
図解説明
ひとは、
・名誉
・健康
があっても、心の平静は、おとずれない。
これらは、すぐれた魂によって正しく用いられたときに、幸せをもたらす。
いっぽう、わたしが住むアテナイの人びとは、資産・名誉・健康に目を向けがち。
もっとも大切な「魂」に、関心をはらっていない。
「魂への配慮」がたりない。
・美/醜
・真/偽
の区別を正しく知れば、おのずと魂は磨かれる。
そのため、何を知り、何を知らないか ─ みずからの「知」を、もっと大事にすべきである。

ひとこと
「問答法」をくりかえし、相手の「無知の知」をあばくことで、真実にたどりつく ─ 。
この手法を何度もおこなったことで、 討論者のうらみを買い、死刑裁判にかけられます。
『ソクラテスの弁明』は、プラトンが、ソクラテスの答弁シーンを描いたものです。
もちろん「ルポ」ではなく、プラトンによる「創作(フィクション)」です。
けれど、(おそらく)ソクラテスがふだんから述べていたはずの思想が、つまっています。
死を覚悟したソクラテスによる〝さいごのおはなし〟ということで、緊張感があります。
ひとが生きるうえで、なにが大切なのか、説得力のある言葉で伝えます。
読者であるわたしたちは、アテナイの一市民となって、ソクラテスのはなしを聴くしくみになっています。
このあたりの演出も、本書を「第一級の哲学書」にした理由です。
名言
つぎに、ソクラテスの名言をあげていきます。
魂への配慮とは?
〔……〕世にも優れた人よ。あなたは、知恵においても力においても、もっとも偉大でもっとも評判の高いこのポリス・アテナイの人でありながら、恥ずかしくないのですか。金銭ができるだけ多くなるようにと配慮し、評判や名誉に配慮しながら、思慮や真理や、魂というものができるだけ善くなるようにと配慮せず、考慮もしないとは〔……〕(no.548)
─ 『ソクラテスの弁明』17章
「魂への配慮」について、ソクラテスが、もっともストレートに訴えたのが、この箇所です。
語り口からして、けっこう〝挑発的な問いかけ〟とわかります。
さいしょに、訴訟人 or 陪審員にたいして、「世にも優れた人よ」ともちあげておいて、後半で、富&名誉に関心をむけすぎているのを非難します。
これだと、たしかに敵をつくりやすかったのかもしれません(笑)
とはいえ、図星だったからこそ、指摘されたほうはイラだち、ソクラテスに毒杯を飲ませます。
そこからも「魂への配慮」とは、アテナイ市民のあいだでは説得力があり、共通認識だったといえます。
私は歩き回って、あなた方の中の若者であれ年長者であれ、魂を最善にするように配慮するより前に、それより激しく肉体や金銭に配慮することがないようにと説得すること以外、なにも行っていないからです。こう言ってです。『金銭から徳は生じないが、徳にもとづいて金銭や他のものはすべて、個人的にも公共的にも、人間にとって善きものとなるのだ』と。(no.561)
─ 『ソクラテスの弁明』17章
「無知の知」を知ったものは、うれしい
知恵があると思っているが実際はそうでない人々が吟味されるのを、彼らは聞いて喜んでいるのです。実際、それは不快な経験ではありません。(no.688)
─ 『ソクラテスの弁明』22章
「知ったかぶり」を暴露され、それに苛立ったから、一部の討論者がソクラテスを訴えた ─ 哲学史では、こういわれます。
けれど、ソクラテスの発言をみるかぎり、かれ自身、悪気があって、「無知の知」を自覚させたわけではありません。
いまふうでいえば〝マウントをとりたくて〟、問答法をくりかえしたわけではない。
むしろ、「知っていると思っていたことを知らなかった」という体験は、不快なことではなく、心地よくすらある ─ ソクラテスは、そう感じていたようです。
このあたりの〝感覚のズレ〟が、訴訟人を、よりイライラさせたのかもしれませんね。
個人的には、なかなか「無知の知」を知って、心地よさを感じる人は、少ないと思いますが。。
死より、劣悪さから免れるのは、ムズかしい
死から逃れることは、皆さん、難しいことではありません。ですが、劣悪さを免れることはずっと難しいのです。それは死より走るのが速い。そして今私は年をとっていて走るのも鈍いので、より鈍いものによって有罪にされましたが、私の告発者たちは手強くて鋭いので、より素早いもの、つまり悪徳によって捕えられたのです。(no.868)
これも、「魂への配慮」をだいじにする、ソクラテスらしい発言ですね。
こちらも訴訟人はイライラしたでしょう。
けれど、フツーの傍聴人(=読者)からすれば、レトリックが効いて、思わず〝うなって〟しまうと思います。
「鈍い/鋭い」「遅い/速い」という基準から、死と劣悪をくらべる ─ そこから、後者の〝手ごわさ〟を指摘します。
もちろん、暗に「死=ソクラテス/劣悪=訴訟人」を示しているわけで、このあたりの〝うまさ〟も、さすがソクラテスといったかんじです。
…
ショージキ、ソクラテスのセリフをみると、あまり友だちになりたくないですね(笑)
おうおうにして、偉大な思想家・創作家は、その傾向がありますが。
まとめ
まとめると、
りきぞう
・「問答法」「無知の知」「魂への配慮」をキーワードに、独自の思想を展開した
・「金銭から徳は生じないが、徳にもとづいて金銭や他のものはすべて、個人的にも公共的にも、人間にとって善きものとなる」といった名言を残している
ぜひ、ソクラテスの思想を知るうえで、参考にしてみてください。
ではまた〜。


