イタリアのルネサンス ─ 都市・絵画・画家・特等・文化・建築・衰退【世界史】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・イタリアのルネサンスについて知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・メディチ家
・ヒューマニズム
・ルネサンス様式
重要人物
・ダンテ
・ペトラルカ
・ポッカチオ
・ボッティチェリ
・レオナルド=ダ=ヴィンチ
・ミケランジェロ
・ラファエロ
・ブルネレスキ
・ブラマンテ
・マキャベリ
ポイント
・東方貿易や、イスラーム&ビザンツ文化の影響から、イタリアのルネサンスは勃興した
・マキャベリの『君主論』がきっかけとなって、政教分離の考えが広まった

この記事では、つぎの本を参考にしました。

イタリアのルネサンス① ─ 発生要因

ウィトルウィウス的人体図(ダヴィンチ 作)

イタリア=ルネサンス発生の背景には、5つのできごとがありました。

・東方貿易による北イタリア都市の繁栄
・イスラーム文化の流入
・ビザンツ帝国崩壊にともなうビザンツ文化の流入
・古代ローマ文化の名残り
・大商人による学芸&芸術の保護

なかでも、東方貿易による北イタリア都市の経済発展と、大商人による文化保護がイタリア=ルネサンスの勃興に大きな影響をあたえました。

大富豪や都市貴族の代表としてはメディチ家がいます。かれら親族は教皇に働きかけ、イタリアの芸術たちを金銭面で手厚くサポートします。

イタリアのルネサンス② ─ 特徴

メディチ家の家紋

ルネサンスとは「再生」の意味です。

「イタリア=ルネサンス」というときは、

14世紀に始まる古代文化の復興運動

をさします。

運動の中心地は、フィレンツェとヴェネチアでした。

その特徴は、つぎの3点です。

  • 古代ギリシャ&ローマ文化の再発見
  • 教会権威からの人間性の解放
  • 個人を尊重する人文主義の重視

それぞれ、かんたんにみていきます。

古代ギリシャ&ローマ文化の再発見

「ルネサンス=再生」の意味からもわかるとおり、イタリア=ルネサンスはギリシャ思想や聖書の原典研究から始まりました。

ギリシャ語やヘブライ語で書かれた文書や作品を見なおすことで、古代文化の価値を再発見したわけです。

教会権威からの人間性の解放

また、当時は十字軍の失敗もあり、教会の権威はいちじるしく低下していました。

それにあわせて、一部の芸術家&知識人のあいだで人間性の自由と解放をもとめる動きがあらわれます。

このような思想上の運動が、イタリア=ルネサンスを生みだす土壌となりました。

個人を尊重する人文主義の重視

いっぽう、教会権威の衰退&人間性の解放により、各個人ひとりひとりの個性や、現実世界をそのまま理解しようとする人文主義運動が広まりました。

「ヒューマニズム」ともよばれる人文主義では自由と合理性を重視し、このふたつの考えが、批判精神を軸にする近代合理主義へとつながっていきます。

イタリアのルネサンス③ ─ 限界と衰退

イタリア戦争 パヴィアの戦い

華々しいイメージのあるイタリア=ルネサンスですが、限界もありました。

そもそもルネサンスは大富豪による芸術家&知識人の保護がベースとなっていたので、一般民衆にとっては、あまり縁のない文化運動でした。

つまりイタリア=ルネサンスは、一部の商人やアーティストのあいだでおこった運動にすぎませんでした。

また北イタリアの各都市は、ルネサンス運動の時期にイタリア戦争にまきこまれます。それにより、経済が回らなくなり、都市そのものが衰退していきます。

くわえて、大航海時代により商業革命がおきた結果、イタリアの都市国家を繁栄させた地中海貿易も低迷の一途をたどっていきます。

さらに宗教改革によってカトリック vs プロテスタントが対立し、教会の保守化がすすんでいきます。

こうして、一連のできごとからイタリア=ルネサンスは衰退していくことになります。

しかし、イタリアでの古代文化復興の動きは、イギリス・フランス・ドイツなど、イタリア以外の各地域に波及していき、ヨーロッパ各国で新たな文化や芸術が華ひらくことになります。

イタリアのルネサンス④ ─ 各種作品

ルネサンスの中心都市 フィレンツェ

以下、

  • 文学
  • 美術
  • 彫刻
  • 建築
  • 思想

の分野に沿って、イタリア=ルネサンスの作者&作品をみていきましょう。

文学

ルネサンス文学では、つぎの3人が有名です。

・ダンテ『神曲』
・ペトラルカ『抒情詩集』
・ポッカチオ『デカメロン』

ダンテは初めて、当時の国際語だったラテン語ではなく、民衆のあいだでつかわれていた、イタリアのトスカナ語で『神曲』を書き記しました。

そのために、いまでもダンテはイタリア国民文学の「祖」とされています。

また、ポッカチオの『デカメロン』は、近代小説のさきがけとされます。人間の欲望をありのままに記述して、古い権威を批判しました。

美術

ルネサンス美術では、つぎの5人がよく知られています。

・ジョット
・ボッティチェリ
・レオナルド=ダ=ヴィンチ
・ミケランジェロ
・ラファエロ

ジョットは、フィレンツェ生まれの芸術家で、ルネサンス絵画の先駆者とされています。

彫刻

イタリア=ルネサンスの彫刻では、つぎの2人が有名です。

・ドナテッロ
・ミケランジェロ

ドナテッロは日本であまり知られてませんが、フィレンツェで活躍し、ルネサンス様式を確立した人物として、高く評価されています。

建築

ルネサンスの特色は建築の分野でよく表れています。

ルネサンス様式とよばれ、

・大円盖
・ギリシャ風の列柱
・横線の強調

が、その特徴です。

ルネサンス様式の代表建築は、つぎの2つです。

・サンタ=マリア大聖堂(ブルネレスキ 設計)
・サン=ピエトロ大聖堂(ブラマンテ 設計)

どちらもルネサンス様式の特色を、たぶんに表しています。

思想

イタリア=ルネサンスの思想ではマキャベリの『君主論』が有名です。

こちらは文化復興運動と関わりありませんが、政治の力学を、宗教や道徳から切り離した点では、ルネサンスの特徴をよく示しています。

政治/宗教を分離したことから、マキャベリは近代政治学の「祖」とされています。

おわりに

イタリアのルネサンスをみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・メディチ家
・ヒューマニズム
・ルネサンス様式
重要人物
・ダンテ
・ペトラルカ
・ポッカチオ
・ボッティチェリ
・レオナルド=ダ=ヴィンチ
・ミケランジェロ
・ラファエロ
・ブルネレスキ
・ブラマンテ
・マキャベリ
ポイント
・東方貿易や、イスラーム&ビザンツ文化の影響から、イタリアのルネサンスは勃興した
・マキャベリの『君主論』がきっかけとなって、政教分離の考えが広まった

この記事が、イタリアのルネサンスを理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。