どうも、りきぞうです。
大学のころから、世界史に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?
きょうは、この問いに答えていきます。
答えは、つぎのとおり。
・キャラヴァンサライ(隊商宿)
・シャリーア(イスラーム法)
・モスク(礼拝堂)
・マドラサ(学院)
・スーフィズム(神秘主義)
・『千夜一夜物語』
・『シャー=ナーメ(王の書)』
・『ルバイヤート(四行詩集)』
・アルハンブラ宮殿
・タージ=マハル
・スレイマン=モスク
・ミニアチュール(細密画)
・アラベスク(幾何学模様)
・ガザーリー(神学)
・ラシード=アッディーン(歴史学)
・イブン=ハルドゥーン(歴史学)
・イブン=ルシュド(哲学)
・イブン=シーナー(哲学&医学)
・フワーリズミー(数学)
・フィルドゥシー(文学)
・ウマル=ハイヤーム(文学)
この記事では、つぎの本を参考にしました。
目次
イスラーム文明&文化① ─ 特徴

まずは、イスラーム文化の特徴から。
ポイントは、つぎに3つです。
- 商業が主軸
- 暮らしに密着した宗教
- 広大なネットワーク
それぞれ、かんたんにみていきます。
特徴① ─ 商業が主軸
開祖ムハンマドが商人だったこともあり、イスラーム文明は商業が軸となっています。
そのために、イスラーム教が普及する都市や地域では、
・隊商宿(キャラヴァンサライ)
・交通網
が、発達していきました。
くわえて、貨幣経済も広がりました。
・ディルハム銀貨
などの通貨は有名で、商人のあいだで広く使われました。
特徴② ─ 暮らしに密着した宗教
イスラーム教は、エリート層だけでなく、人びとの暮らしに根づいているのが特徴です。
具体的には、イスラームの都市には、
・マドラサ(学院)
の2つは、たいてい建てられています。
また、教徒同士のやりとりにおいても、ワクフ(寄進制度)が浸透し、モスクや病院などの公共施設の建設や運営は、相互扶助の力でなりたっています。
特徴③ ─ 広大なネットワーク
イスラーム文明では、幅広いネットワークが世界中にきずかれています。
隊商貿易&商船交易がさかんで、これらがまたネットワークづくりに、ひと役かっています。
そのために、ムスリムたちは各地を遍歴できて、かれらがまた世界をわたり歩くことで、よりイスラーム教が広まる、という好循環がおきます。
たとえば、イブン=バットゥータは、大航海時代のまえに、ユーラシア大陸を中心に旅に出て、旅行記の代表作をのこしてきます。
人だけでなく、モノや情報も活発に流れていきます。
モノとしては、
・羅針盤(イスラーム → ヨーロッパ)
・砂糖(インド → イスラーム)
・木綿(インド → イスラーム)
などが、イスラーム文明のネットワークにより広まっていきました。
情報としては、
・天文術(元 → イスラーム)
などが、ネットワークをつうじて普及していきました。
イスラーム文化の特徴をまとめると、イスラーム文明は商業を軸に発展し、世界中に広大ネットワークをきずき、モノと情報の交流をもたらした、といえます。
イスラーム文明&文化② ─ 学問

つづいて、イスラームの学問について、みていきます。なかでも、つぎの4つの分野で大きく発達しました。
- 神学
- 歴史学
- 医学
- 文学
それぞれ、かんたんにみていきます。
神学
神学では、ガザーリーが有名です。
彼は、ニザーミーヤ学院(セルジューク朝)の教授として活躍しました。スンナ派神学と、スーフィズムとよばれる神秘主義の教義を融合し、ひとつのジャンルをきずきました。
それまでスーフィズムは、禁欲的な修行により「神との合一」をめざす活動として、民衆のあいだで広まっていました。
はじめのうちは異端とされ弾圧の対象となっていました。しかし、ガザーリーが学問として体系化したことで、正しい教義として認められるようになりました。
歴史学
中国や西洋と同じく、イスラーム文明でも歴史学は大いに発達します。
目ぼしい著者や作品をあげれば、つぎのよとおりです。
・ラシード=アッディーン『集史』
・イブン=ハルドゥーン『世界史序説』
『集史』は、ペルシャ語によって、モンゴルと諸民族の歴史が描かれています。
『世界史序説』は、マムルーク朝につかえた宰相イブン=ハルドゥーンよる作品です。
都市と遊牧民がたどってきた歴史を記しながら、繁栄と衰退の法則性を論じています。
歴史書の範囲におさまらず、政治学や人類学の分野でも、第一級の作品といえます。
哲学
イスラームの教義が発達したぶん、哲学はそれほどさかんに研究されませんでした。そのなかでも、イブン=ルシュドの作品はよく知られています。
また彼の作品もさることながら、アリストテレス哲学の注釈書を書いたことで有名です。この注釈書は、ヨーロッパ中世のスコラ哲学に大きな影響をあたえました。
医学
イスラーム文明では、医学が大きく発達します。
とくに、イブン=シーナーが記した『医学典範』はよく知られ、哲学と同じく、ヨーロッパ中世の医学に大きな影響をあたえました。
彼の本は教科書として広く読まれるほどでした。
文学
ヨーロッパや中国ほど知られていませんが、イスラーム文明でも、さまざまな文学作品がつくられました。
有名作品をあげれば、つぎのとおりです。
・『シャー=ナーメ(王の書)』
・『ルバイヤート(四行詩集)』
とくに「アラビアン・ナイト」の名で知られる『千夜一夜物語』は、あまりに有名ですね。
この作品は、イランで語りつがれていた説話に、世界各地のおはなしをつけくわえたものです。マムルーク朝時代の16世紀に完成したといわれています。
イスラーム文明&文化③ ─ 建築&美術

さいごに、建築と美術作品をみていきましょう。
建築
イスラーム建築の特徴は、
・ミレナット(光の塔)
の2点です。
たとえば、イェルサレムにある岩のドームは、その典型といえます。
そのほか、
・タージ=マハル
・スレイマン=モスク
などの、これら2つの特徴をよくあらわしている、といわれています。
美術
また美術については、
・アラベスク(幾何学模様)
などが発達しました。こちらもイスラーム世界の建物には、かならずといっていいほど描かれていますね。
おわりに
イスラーム文化の特徴についてみてきました。
まとめると、こんなかんじです。
・キャラヴァンサライ(隊商宿)
・シャリーア(イスラーム法)
・モスク(礼拝堂)
・マドラサ(学院)
・スーフィズム(神秘主義)
・『千夜一夜物語』
・『シャー=ナーメ(王の書)』
・『ルバイヤート(四行詩集)』
・アルハンブラ宮殿
・タージ=マハル
・スレイマン=モスク
・ミニアチュール(細密画)
・アラベスク(幾何学模様)
・ガザーリー(神学)
・ラシード=アッディーン(歴史学)
・イブン=ハルドゥーン(歴史学)
・イブン=ルシュド(哲学)
・イブン=シーナー(哲学&医学)
・フワーリズミー(数学)
・フィルドゥシー(文学)
・ウマル=ハイヤーム(文学)
この記事が、イスラーム文化の特徴を知りたい人の参考になれば、うれしいです。
では、また。




