どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。
大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。
社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。
働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。
日本の雇用環境が変化してますね。
これまでの働き方、仕事にたいする考え方も変わってきています。
そんなとき、つぎの本が目につきました。
著者は、事業家の堀江さんと、メディアクリエイターの落合陽一さんです。
お二人の知見、じっさいのビジネスの現場から、10年後の仕事について述べています。
対談をもとに散文スタイルに再構成されています。
文章もカンタン、イラストも豊富に盛りこまれているので、一気に読めます。
そのわりに、これからの「働き方」「仕事観」を知るための視点がつまっています。
さらに、「近代思想」「ディープラーニング」など、専門用語にかんする「注」も、各章のラストにリスト化されています。
いまの社会を生きぬくための「教養ワード」を知るうえでも、おすすめの1冊です。
目次
堀江貴文、落合陽一『10年後の仕事図鑑』の概要
目次は、こんなかんじ。
第1章 "常識"が通用しない未来を生きる君たちへ
第2章 なくなる仕事、減る仕事
第3章 生まれる仕事・伸びる仕事
第4章 お金の未来
第5章 日本の幸福と社会について
第6章 ピュアな情熱に導かれた、"自分の人生"を生きよ
1章で、「仕事」「働き方」における一大転換について。
いまのような「サラリーマン」「日本型の会社組織」が通用しない世の中が来ることに警告をならします。
2章では、営業職・医師・公務員など、それぞれの職業がどうなっていくかについて述べていきます。
イラスト付きで、わかりやすい。
3章では、新たにどんな仕事・職業がうまれるかについて考察。
未来予測は意味ないとしつつ、AI とキカイ化がすすむ社会で、いまのうちにどうキャリア形成をしていけば良いのかアドバイスしています。
4章では、仕事にカラんだお金・マネーについて。
これまでは、実物としてのマネー( ≒ 法定通貨)が〝モノをいう〟世界だった。
しかし、ブロックチェーン(仮想通貨)の登場以降、いままでないがしろにされてきた「個人の信用」にスポットがあたり、ひとりとりの信用をベースにした経済圏があらわれると指摘。
5章では、来たるべき未来の観点から、いまの日本の問題点をあぶりだします。
6章では、それぞれの個人がどのように働き、生きていけばいいのか──より具体的なアドバイスを述べていきます。
キホン始めから読む必要はなく、うえにあげたテーマから、自分が気になるトコからチェックしていけば良いと思います。
『10年後の仕事図鑑』で気になったトコ
以下、引用をのせつつ、気になった箇所についてコメントしていきます。
仕事を遊びにするコツ
おふたりの共通意見として、これまでのような定型化(パターン化)した仕事は、キカイによって置きかわる、というものです。
結果、人間は「仕事を遊びにする」、つまり、クリエイターとして生きていかなくてはならない。
とはいえ、コレがむずかしい。
とくにいままで遊びをお金に変えて、生活したことない人にとっては至難の業。
そんな人たちにたいして、「仕事 → 遊び」のコツを述べる。
まず堀江さんから。
「遊び」と聞いて少し難しく考えてしまう人は、興味があること、熱中できることだと置き換えてもらっていい。 とにかく、自分の楽しいと思うことを追いかけ、その中で他人との差別化を行なえば、その興味は、いずれ仕事になる。信じられないかもしれないが、興味を持つことが、熱中することが、遊び狂うことが、仕事になるのだ。そのような状態を、僕は「遊び倒す人生」だと考えている。(1734)
堀江さんらしいポジティブな意見ですね。
落合さんはより具体的に述べます。
未来が不安な若者には、「仕事になる趣味を3つ持て」と伝えたい。堀江さんは「遊びのプロになれ」と言っていたが、「遊び」は簡単に聞こえるが、実は難しい。「趣味を仕事でやれ」と言われると、少し難しく聞こえてしまうかもしれない。〔……〕それなら、考え方を少しシフトして、「仕事になる趣味」を探してみたらどうだろうか? 堀江さんが繰り返し言っているように、好きなことに没頭すれば仕事になる。しかも仕事になっている頃には、その界隈で君の名も知れ渡っていることだろう。もしそんな趣味が3つもあれば、すでに君は代替不可能な存在になっているといえるのではないか? おそらく世間が君を放っておかないだろう。必ず君に憧れるフォロワーがつき、他の誰かには替えられない差別化された人材になっているはずだ。(1843-1847)
興味深いアドバイスですよね。
まずは仕事にならない3つ趣味をみつける。それぞれトコトン追求して、かけ合わせる。
「仕事 → 遊び」にするには、これ以上ないやり方ではないでしょうか?
アウトプット=情報発信は、必ずやる
とはいえ、たんに趣味=遊びにハマっていれば良いというわけではありません。
同時並行で、情報発信をする必要があります。
これはマストです。
これからは、情報を仕入れたら、自分の頭で思考する癖をつけていかなければいけない。 ツイッターやフェイスブック、ユーチューブ、ブログ……なんでもいい。そこで毎日発信し続ければいい。非常に簡単なことだ。たったそれだけのことで情報を有機的につなげることができ、自分の思考をたくましく鍛えていける。 時に、批判や中傷の言葉が飛んでくるかもしれない。しかし、そんな 瑣末 なことに気をとられるな。 僕もよく炎上しているが、それで学ぶことも多いし、次の本のテーマが見つかることもある。(1868)
情報発信すると「反論」がきますし、炎上のリスクはつねにあります。
とはいえ、自分のアタマで考えるには、アウトプットはゼッタイに必要です。
発信しないと、自分の知恵は育ちませんし、社会のなかでの価値も上がっていきません。
炎上は、対価として引きうけるようにしましょう。
引用のとおり、堀江さんクラスになれば炎上は日常茶飯事で、さらには、炎上した内容を書籍のテーマにしてるくらいですからね。
強いっす(笑)
ちなみに落合さんも、アウトプットについてステキな言葉を投げかけてくれています。
僕の大好きな言葉に、思想家であるリチャード・バックミンスター・フラーの「自分の時間をより有効な探査的な投資に解放すれば、それは自分の富を増やすことになる」というものがある。この言葉は、万人に開かれた「未来」に対してのアービトラージ(裁定取引) を判断するために、今何をしていくべきかを常に考え続けることの大切さを説いている。 研究者でもライターでも、クリエイターでもいいが、まずはつくってみないと、アウトプットの価値はわからない。要するに、未来の価格はその時点では誰にとっても同じだが、その価値判断によって投資の成否が決まる。波は座していてもやってこない。すごく単純な話だが、自分で波を起こしながらものづくりができる人にこそ価値があるのだ。(1666)
波はあなたのトコには来ません。自分で起こしましょう。
そのためには、アウトプット=情報発信はゼッタイです。
「価値=収益」とは限らない
これからは「お金」の考えも変わってくる。
これまでは、価値があるものにはお金がついてきたが、必ずしもそうなるとは限らない。
逆にいえば、価値のないものにもお金がつきやすくなる。
わかりやすいトコだと、YouTube での流行り動画。
そんな状況でとるべき対策は、価値ある作業と収入・収益の運用をシッカリおこなうこと。
落合さんは、専門家を例に、価値とお金の運用について述べている。
1つ覚えておいてほしいのは、「価値をつくったこと」が必ずしもお金にならないということ。たとえば、専門家のために「研究論文」を書いたことよりも、それを大衆のためにわかりやすく翻訳してメルマガで配信することでお金になるということもある。〔……〕ここで忘れてはいけないのは、この専門家は、自分の 肌感覚を更新し続けるために論文を書き続ける必要があるということだ。肌感覚や希少価値をつくるために、人類の最先端に寄与する。そのくらいの希少価値があれば、そこを利益中心にしなくても、ほかで回収できるという考え方が可能だ。だから、「今の仕事があるからいい」というのではなく、実際にそこで得たことをどう運用していくか、どう運用するとよりお金になるのか、といったことも意識するといいだろう。(745-748)
おわりに
知識だけでなく、実際のビジネスを行っている二人だからこそ、説得力があります。
いまは日本の雇用環境が変わり、「働き方」「仕事観」がグラついています。
どんなキャリア形成をし、スキルを磨けばいいのか、わかりやすく具体的に述べています。
文章もカンタンなので、中学生以上の読解力があれば理解できる内容です。
仕事に悩んでいる人、どうやって働いていけばいいのか知りたい人には、おすすめの1冊です。
よければチェックしてみてください。
ではまた〜。