【書評】AI と BI にかんする良書3冊【おすすめ】

どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。

大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。

社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。

数年まえから、AI のはなしが盛り上がってきますね。

同時に、BI 導入の議論も、学者さんや批評家のあいだで取りあげられています。

背景には、「AI によって、ひとの仕事が奪われる」という危機感があります。

予想はさておき、これからも AI の進化がすすみ、経済全体に影響を与えるのは、まちがいありません。

同時に、社会が豊かになれば、いずれは最低生活保障(=BI)の話題も持ちあがります。

そのために、AI と BI を理解し、自分のアタマで考えておきたい人たちも多いはずです。

そこできょうは、「 AI と BI 」を考えるうえで、最適な本を紹介していきます。

おすすめは、つぎの3冊です。

  1. 井上智洋『人工知能と経済の未来』
  2. 波頭亮『AIとBIはいかに人間を変えるのか』
  3. R.ブレグマン『隷従なき道』

ちなみに、ここ5年ほど、AI と BI のカンケーにかんする書籍をチェックしてきました。

なかでも、この3つは、内容・分量ともに、いいかんじでした。

それぞれの本にかんする感想&レビューも、すでにこのブログでアップしています。

AI と BI を理解し、そのあり方を考えたい方は、チェックしてみてください。

AI とBI にかんする良書3冊


くりかえすと、、以下の3冊がおすすめです。

  1. 井上智洋『人工知能と経済の未来』
  2. 波頭亮『AIとBIはいかに人間を変えるのか』
  3. R.ブレグマン『隷従なき道』

ひとつひとつ、みていきます。

① 井上智洋『人工知能と経済の未来』

著者は、経済学者で、人工知能(AI)にもくわしい専門家です。

本書は、AI が普及した場合の、経済のあり方について述べたものです。

数年まえから、日本では、AI & BI 論が盛り上がっていますが、そのキッカケをつくった書籍です。

まず AI のメリット / デメリットをあげつつ、人工知能(+ロボ)が急速に普及すれば、想像がつかないほど生産効率が上がると指摘します。

それにともない、単純労働はじょじょに減っていき、最終的には、一部の人たちしか仕事につかない(つけない)事態を予想します。

当然、仕事につかなければ収入が途絶えますので、対策として BI の導入を提案します。

この主張にたいして、

  • 「人間の仕事はなくならない」
  • 「なくなったとしても、BI で保障する必然性はない」

といった、反論も多くあります。

とはいえ、AI と BI のカンケーを知るには、よくまとめられていて、大まかな内容を理解するには、おすすめの1冊です。

② 波頭亮『AIとBIはいかに人間を変えるのか』

著者な有名なコンサルタントの方です。

そのため、いまの AI と BI の現状について、論理的かつコンパクトに書かれています。

「AI + ロボ」による進歩と、仕事&労働による変化を知りたい人には、もってこいです。

井上さんと同じように、AI 普及後の BI のどうには賛成のようです。

ただし、キカイにはない「人間の能力」にもスポットをあて、ひとりひとりが BI で保障されつつ、今度のあり方についても意見を述べています。

膨大な情報・データを処理して定量的な/再現的な判断をアウトプットするという、 AI が得意とするタイプの仕事は必然的に AI に代替されていくが、そうではないタイプの仕事、即ち身体性ベースのマルチタスク型の仕事、直観/直感型の仕事、そしてクリエイティブ型の仕事では、今後も人間が活躍し続けると考えられる。(986)

BI の導入についても、具体的な金額(=1人あたり「月8万」)を提案したうえで、その財源をどこからもってくるか、までシュミレーションしています。

BI の議論にありがちな理想論ではなく、より現実な話をしているため、現実的にものごとを考えたい人にとっても参考になるかと思います。

③ R.ブレグマン『隷従なき道』

ラストは海外の経済学者の本です。

29歳で本書を自費出版し、じょじょに話題になりました。

いまでは世界各国に翻訳され、日本でも一部の政治家&学者さんのあいで話題になりました。

東京都知事の小池さんもチェックしてるみたいです。

内容は、経済学の知見をいかして、だれもが「1日3時間労働」で生活できるか、というかテーマで議論を展開していきます。

AI ついては、あまり踏みこんでいませんが、BI の歴史的な経緯や、いまよりキカイ化がすすんだあとの労働のあり方、生活保障について、具体的なアイデアを提案しています。

経済学・歴史学の観点から、いまの AI & BI の議論を理解したい人には、おすすめの1冊です。

個人的には、近代社会における「仕事のあり方」について述べたトコが、おもしろかったですね。

なぜ豊かになったのに、いまだに働きつづけているのか。

その問いにたいする答えは、こうです。

答えは実にシンプルだ。時は金なり。経済成長はさらなる余暇と消費を生み出す。一八五〇年から一九八〇年まで、わたしたちはその両方を手に入れたが、その後、増えたのは主に消費だった。収入が増えず、格差が広がっても、消費の流行は続いた。しかも借金によってである。(1967)

豊かなのに、なぜ労働をやめないのか──それは「消費という慣習」に引きずられているため。

労働 → 生産 → 消費のプロセスを断ち切らないかぎり、おだやかな人生を歩めないと主張します。

内容も先進的で、未来の経済をかいま見れるかんじです。

データの出し方は弱いかもですが、なにより語り口が〝熱い〟ので、ついつい読みすすめてしまいます。

とくにこれからも、ずっと働いていこうとする方は、読んでおいて損はありません。

おわりに

AI と BI を理解するうえで、おすすめの本を紹介してきました。

これからますます AI は、ふだんの生活に浸透してくるとされています。

ひとの仕事にも影響をあたえるはずです。

となれば、BI をふくめ、社会保障のあり方も再検討する時期がやってきます。

あなたの仕事や生活のあり方を考えるうえでも、AI & BI の知識や理解は、必要になってきそうです。

よければ、うえ3冊をベースに、チェックしてみてください。

ではまた〜。