なぜ、早期退職の希望者が増えたのか?

どうも、りきぞうです。

きょうは、こちらのニュースをうけて、「なぜ、早期退職の希望者が増えたのか?」について、考えてみました。

※ 本文の引用は、最下部の文献によります。




『シチズン時計』が、従業員にたいして、希望退職者をつのったところ、予想よりも応募が多かったという。

サラリーマンといえば、会社にしがみつくイメージがあるが、このニュースからは、反対の側面がみえる。

早期退職の希望増 ─ 背景には、なにがあるのか?

わたしは、働き方もさることながら、

暮らし方にも変化が起きているのでは?

と考えている。

少ない収入でも、それなりに満足した生活を実現できる ─ このことに、働き手がじょじょに気づきはじめたのではないか。

さいきんでは、コロナ禍で仕事量が減り、収入も少なくなるいっぽう、「巣ごもり生活」をやってみると、案外コストをかけずに、快適に暮らせる ─ こんなトコも、ひとつの要因かもしれない。

また、今後もトータルでみたさい、

・ムリにローンを組まない
・組んだとしても、少額におさえる

など、ローンにたいする考えを改め、モノの購入に、注意をはらう人たちも増えている気がする。

そもそも、ローンを組んでまで、高額商品を買う人たちも、かなり減ってきているのではないか?

個人的には、月5万以上も返済にあてる商品など、なかなかお目にかからない。

あったとしても、

「ソレ、ほんとうに、ほしい?」
「1年もしたら、飽きるモノなんじゃないの?」

と、すこし言いきかせて、サイフをポケットにしまう。

君がどこへ目を向けようと、目に飛び込むものというのは、まわりから突き出されたものにちがいない。(p.133)

─ セネカ『倫理書簡集』33




それなりに生きて分かるのは、

「豊かさ」とは、収入と支出の差額

で決まるということ。

支出のほうが高ければシンドくなり、収入のほうが多ければラクになる。

じつのところ、「年収1000万」だとしても、支出が「1200万」なら、生活は苦しい。

いや、1円でもこえれば、本人の気持ちが安まることはない。

ハタからみていれば稼いでいる人でも、支出が多いばかりに、困難な生活を強いられている人を、何人か見てきた。

よくあるのは、

・家のローン
・車のローン
・教育ローン

による「支出超過」。

「ぜいたくはしていない!」と思っていても、ひとむかしまえの「あたりまえ」をたどっているだけで、知らず知らずのうちに、苦しんでいたりする。

だからこそ、習慣と慣習は恐ろしく、世界・環境がグルグル回っているときに、これまでどおりのことをしているだけで、とんでもないことになる。

独身・結婚・離婚など、ライフコースはさまざまだが、どんな環境であれ、

豊かさ = 収入 − 支出

なのは確かで、起業していようが、雇われ人だろうが、ニートだろうが、カンケーない。

プラスになっていれば、それなりに安心し、マイナスなら不安でいっぱいになる。

戦闘に好都合の体とは、自分の甲冑にぴったりと納めることのできる体であって、甲冑に納まりきらず、大きすぎて、いたるところに傷を負いやすい体ではない(no.2303)

─ セネカ『心の安定について』5

なので、早期退職を希望した人たちも、うすうす、この〝公式〟に気づきはじめている。

生活の満足度を保ちながら、支出を下げることは可能であり、だったら、いまの職を手ばなしてもいい、と感じたのではないだろうか。




また別の視点からみれば、早期退職で収入の見直しを図ろうとしない人たちでも、

自分がどれくらいのコストで暮らし、満足できるのか?

を知っておくのは、ムダではない。

充実した生活の〝最低限度額〟は、おいくら? ─ この金額を知っておくだけで、人生はぐっとラクになる。

とくに、いまの環境に余裕があるときに、支出をどこまで下げることができるのかを〝実験〟してみるのが、おすすめ。

キッキンのときよりも、気持ちの面でラクに節約できる。

じっさいにやってみると楽しく、驚くほど支出を削ることができるはず。

肌感覚でいえば、

・家持ちの人 → 月5万
・家なしの人 → 月10万

にまで、減らせるのではないか?

「家なし」の人は、どうしても住宅費 or 家賃がかかるため割高になるが、住む場所を工夫すれば、なんとかやっていける。

このあたりは、「ベーシックインカム論者」をはじめ、さまざまな識者が、暮らしの最低限度額について提案している。

自身のライフプランから、てきぎチェックしてみるのが、ベターかなぁと思う。

少なくとも、むかしよりも、コストをかけずに充実した生活をおくるのは可能になっており、その額も、年々下がってきている。

では、お元気で。