公演日 | 2019年4月 |
収録 |
中心人物 ─ 写真 祝儀袋 ベラルーシの女 タカちゃんとバンと3人 暇だな マジック家族 中心人物 ─ 何食べる |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、バナナマン × 東京03『handmade works live 2019』。
日本でもトップクラスの2組がコラボして、つくりあげたコントライブ。
前回から6年ぶりで、その第2弾です。

前回と同じように、シナリオはかなりつくりこまれ、めちゃくちゃハイレベルです。
ふたりのファンはもちろん、初見の方も、じゅうぶん満足できる内容です。
出だしとラストの『中心人物』は、5人のかけあいで笑いを誘うコント。
オープンニング&エンディングには、ぴったりな軽さです。
『ベラルーシの女』は、角田さんの〝素〟が、前面に出ている作品。
『暇だな』は、フレーズによる笑い。
ややシュールなかんじで、好みがわかれるかも。
…
個人的に良かったのは、「祝儀袋」、「タカちゃんとバンと3人」、「マジック家族」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『祝儀袋』
あらすじ
演歌歌手の付き人4人。
慕っているものの、さいきん師匠の「ダメなトコ」に頭を悩ませている。
・トイレの汚物を流さない
・歌詞をはっきり口にせず、アレンジをくわえる
エラいため、なかなか不満を口にできない4人。
そのとき師匠が、魚のホネがノドにひっかかり、白米で流そうとする。
けれど魚のホネのことはわすれて、フツーに卵かけご飯として食してしまう。
「これでは、師匠がダメになる」と思った付き人たち ─ 。
思いきって、これまでの失態を、本人にむかって、大声で訂正するが……
日村さん演じる師匠 ─ 。
かれの〝特異なキャラ〟が前面にでているコントです。
付き人たちから、じゅんじゅんに誤りを指摘され、みるみる顔色が変化する。
その表情のうつりぐあい、リアクションをみるだけでも、じゅうぶんに笑えます。
個人的には、魚のホネのことをわすれて、そのまま卵かけご飯を食べる場面、じわじわきました(笑)
おじさんがひたすら食事をするシーンは、なんともいえない笑いをさそいます。
『タカちゃんとバンと3人』
あらすじ
とある豪邸 ─ 。
家を荒らしまわるハクビシンを、「バン」と3人の同僚たちが、捕獲しにやってくる。
そのとき、邸宅の主人「タカちゃん」が登場 ─ 。
バンと同級生、かつ、みんなに捕獲の手伝いをしてもらう立場なのに、めちゃくちゃエラソー。
戸惑うほどの〝上から目線〟で、バン&3人にたいして、指示をあたえる。
捕獲のやり方がわるいと指摘するタカちゃんは、同僚のひとり「角田」に、ハクビシンの役をやらせる。
ホンモノの獲物と思って、ほか3人に、ホンキでつかまえさせるが……
前回の『handmade works live 』でも、披露されたコント。
その続編です。
今回は、ハクビシン捕獲の手伝いにやってきた3人。
はなしの設定が、ほんとうにうまいです。
ハクビシン役をやらせる、タカちゃんの「Sっぷり」はあいかわらずです(笑)
真剣になって、「角田=ハクビシン」をつかまえる3人。
いきおいあまって、角田さんの服がボロボロになります。
そのあとの、「デベソ」をさらす、なんともいえない表情が、かなりのツボです。
・角田 → メガネ(同じ)
・飯塚 → 映画『クールランニング』
と、バカにしたあだ名をつけるのも、くすくすさせられます。
『マジック家族』
あらすじ
父親(日村)が倒れたときいて、実家にもどってきたむすこ(角田)。
疎遠だったこともあり、父親は、むすこの友人で、弁護士でもある「飯塚」も、いっしょにきてもらう。
険悪な仲を、とりもってもらおうとする父親 ─ 。
それでも、むすこは、なかなか心を開こうとしない。
というのも、妻に先立たれた父親は、あらたな恋人に、家の手伝いをさせていた。
そのようすをみてむすこは、父親の資産をねらう「後妻行」ではないかと、うたがう。
愛人&父親に、ますます不信感をいだくむすこ ─ 。
しかし、父親は別のねらいがあり……。
さらにむすこの兄貴(設楽)も、マジックでつかう箱から姿をあらわして……
30分ちかくの長尺コントです。
本作のなかでは、イチバンみごたえがあります。
プロットの展開は、じつにシンプルで、おそらくどの年代の人たちがみても、おおいに笑えます。
その意味で、ツウ好みの人には、すこしものたりないかもしれません。
個人的には、こういうオーソドックスなドタバタコントは大好きなので、めいいっぱい笑わせてもらいました。
はなしの軸は、むすこ演じる角田さん&父親演じる日村さんです。
とはいえ、愛人演じる豊本さんも、いい味を出しています。
「はいあたし、メガネをとると安倍晋三に似ているっていわれます」
ラスト付近のひとことが、いっそう笑いをおこします。
くわしくは本編でぜひぜひ。
まとめ
全体として、ハイレベルなコントばかりです。
やはり5人とも、コントをしているときが、イチバン輝いていますね。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。