公演日 | 2017年6月 |
収録 |
ふみきり 河原 刑事の仕事 ミステリー作家 ガールズバンド 職員室にて アジト へんなやつ 探偵 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、うしろシティ『とはいえ外はサンダー』。
8回目の単独ライブを収録したものです。
『刑事の仕事』、『ミステリー作家』では、ドラマなどで目にする場面を描き、笑いをおこしていきます。
ただこれまでの単独ライブにくらべると、もうひとつ盛りあがりに欠けているかんじがします。
ストーリーにヒネリをくわえすぎていて、わかりにくくなっているかなぁと。
とはいえ、全体をとおして、かるく笑える作品ばかりです。
…
個人的に好きだったのは、「ガールズバンド」、「職員室にて」、「へんなやつ」、「探偵」です。
以下、くわしくみていきます。
『ガールズバンド』
あらすじ
ガールズバンドのおっかけ。
コアなオタクファンのふたりが、ライブ終わりに感想を語りあう。
バンドの5人がテレビに出たばかりで、まわりに「にわかファン」がうようよ。
ふたりはバカにする。
しかし、いっぽう(金子)がトイレにいき、ライブTシャツから私服に着替える。
「Tシャツを脱ぐなんて、ファンとしての自覚がたりない!」
もうかたほう(阿諏訪)は、どなりちらす。
しかし着替えてきたのは、自分たちふたりの容姿が〝きもちわるい〟から。
ガールズバンドのためにも、自分たちのようなオタクは、かくれて応援するべきだと考えて……。
ひとこと
オタク系ファンの心理を描いた作品。
売れはじめたガールズバンドにたいして〝みょうな思いやり〟をみせるファン。
「かのじょたちは世間にみつかった。しかしわれわれは、みつかってはいけない」
この一言には笑いました。
『職員室にて』
あらすじ
職員室。
先生(阿諏訪)が、用務員さん(金子)に「床にくっついたガムをとってほしい」とたのむ。
そこへ、問題を起こした生徒がやってくる。
しかりつける先生。
罰として〝一週間のトイレそうじ〟を課すことに。
そのやりとりを聞いていた用務員さん。
まいにちトイレそうじをしているため、フクザツなきもちに……。
ひとこと
ビミョーな心理をついたコントですね。
このあとつぎつぎに問題を起こす生徒がくる。そのたびに〝用務員さんがやっている仕事〟を、罰として課していく。
同じ展開がくりかえされ、それによって笑いがおきる。
ただ反復のさせすぎて、後半は〝間のび〟しています。
反復を抑えれば、スッキリした作品に仕上がっていたとおもいます。
『へんなやつ』
あらすじ
公園。
変質者のおじさん(阿諏訪)が、子どもにはなしかける。
「よしみつ」という名まえのぬいぐるみを差しだし、目のなかに指をいれさせる。
おかしなことをくりかえす変質者。怖がる相手をみて、よろこぶ。
そこへもうひとり少年(金子)がやってくる。
同じように、「よしみつ」の目に、指をいれさせる。
しかし動じることなく、すんなり受け入れる少年。
それどころか、自分の指を変質者の目にいれようとする。
輪をかけて〝へんなやつ〟に出会った変質者は……。
ひとこと
変質者のひとつひとつの行動を、すんなり受けいれる少年。
さらに、変質者のほうがイヤがるほど、奇妙な返事をかえしてくる。
〝不気味な笑い〟にみちた作品。
全体をとおして、いちばんインパクトのあるコントでした。
好き嫌いは分かれそうだけど、個人的にはめちゃくちゃおもしろかった。
テレビではおそらく放送できないでしょうね(笑)。
『探偵』
あらすじ
妻にたいして、夫(阿諏訪)が浮気調査を依頼。
探偵(金子)からその報告をうける。
調査の結果、浮気の事実はなく、〝アパートを借りて、大量のトンカツを揚げている〟とわかる。
気にするようすもなく、報告を終える探偵。
請求書をわたして、帰ろうとするが、夫は引き止める。
浮気はしておらず安心するが、大量のトンカツをあげていることが気になりだして……。
ひとこと
序盤のストーリー展開はよかった。
浮気の事実はなくてホッとするが、かわりに〝大量のトンカツを揚げていること〟が発覚する。
そっちが気になる夫は、さらに調査を依頼する……。
意図しない方へハマりこんでいく流れはおもしろいが、後半、はなしが飛びすぎて、ストーリーに入り込めなかった。
もうすこしリアリティのある展開にしてほしかったなぁ。
さいしょのツカミがいいだけに、惜しい作品。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。