公演日 | 2009年2月 |
収録 |
立会い バレーボール いい事思いついた 漫才 卓球 パワハラ 番組制作 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
今回とりあげるのは、アンガールズ『UNGIRLS PRO』。
『いい事思いついた』は、ずる賢い友人ふたりのかけひき。
立場が逆転する展開が、いいかんじです。
『パワハラ』は、パワハラする上司と部下のかけひき。
強権的な上司にたいする、部下の対処法が、笑いをもたらします。
とはいえ、展開にじゃっかんムリがあったかなぁという印象です。
…
個人的に好きだったのは、『立会い』、『卓球』、『番組制作』の3本。
以下、くわしくみていきます。
『立会い』
あらすじ
病院の待合室。
もうすぐ産まれる赤ちゃんを、夫が待ちわびている。
そわそわしているところへ、友人がかけつける。
落ち着かない夫は、友人とおしゃべりでもしながら、気を紛らわせようたしていた。
しかしやってきた友人は、夫以上に、そわそわし、テンションも高め。
産まれてくる赤ちゃんをまえに、あちこちはしゃぎまわり……。
ひとこと
シナリオの構成がうまいコントです。
これから父親になる夫以上に、赤ちゃんの誕生を喜ぶ友人 ─ 立場の逆転っぷりがキーとなり、笑いを起こしていきます。
後半、友人のテンションに負けじと、赤ちゃん誕生の喜びを、カラダをめいっいぱいつかって、表現する夫 ─ かれを演じる田中さんの動きが、なんとも面白いです。
ラストのオチも、いいかんじでした。
『卓球』
あらすじ
高校卓球のインターハイ。
対戦している「山根」を、大声をはりあげて、応援している田中 ─ 。
その甲斐あってか、勝利をおさめ、準決勝へすすむ。
つづいて、田中が対戦することに。
けれど、疲れ切っている「山根」は、タオルで汗をぬぐうのに、いそがしく、リラックスモード。
田中みたいに、大声をはりあげて、応援できない。
そのためか、田中は「11-0」と完敗 ─ 。
なぐさめる間もなく、山根たちは、つぎの試合会場へむかう。
その態度に、ひっかかる田中 ─ 。
なぜ、おれのように、応援しないんだ、と非難する。
しかし、理不尽な指摘に、山根もイライラ。
「むしろ、大きい声で叫ばれているもんだから、集中できず、1点とられているくらいだ」
「自分の実力のなさを、応援で隠そうとするな」
と、反発。
あまりの正論に、人格が崩壊する田中は……
ひとこと
こちらも、はなしの展開がうまい作品です。
プロットにくわえて、反論を突きつけられた田中さんのリアクションが、ほんとに面白いです。
と、どなられたあとにみせる、人格崩壊のふるまいは、めちゃくちゃ笑えます。
個人的には、本作のなかで、いちばんインパクトのあるネタでした。
『番組制作』
あらすじ
テレビ局の会議室。
先輩のディレクターが、後輩の AD に、「アンガールズ」が出演する番組の1コーナーをまかせることに。
そのまえに、どんな企画にするのか、AD にアイデアを3つ出してもらう。
しかし、
・占いコーナーでは、セスナにのっている田中さんが、地面に墜落し、爆破
などなど、爆破でしめる企画ばかりを提案。
あまりに現実性のない企画に、先輩のディレクターは「任せられない」と、はなしをなかったことに。
けれど AD には、爆破を軸に番組をつくろうとするには、ちゃんとした理由・動機があって……
ひとこと
前半は、とぼけた後輩 AD の企画案が、笑いの軸になります。
いっぽうで後半は、なぜ「爆破」をメインした企画案を出すのか ─ その理由が明らかに。
序盤のシーンを回収しつつ、ドラマ性のあるネタにしあがっています。
ナベプロに所属しているアンガールズらしく、さいごは、ほっこりとしたオチで、ライブをしめます。
ややシュールなイメージのあるアンガールズさんですが、これをみると、ちゃんとしたネタをつくっているとわかりますね。
おふたりのイメージをかえる意味でも、ぜひみてほしい作品です。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。