どうも、りきぞうです。
大学のころから、文学に親しんできました。
大学院時代〜社会人時代にかけても、ひんぱんに作品にあたってきました。
古典作品については、300本以上、読んでいます。
なかでも、トルストイ作品には、楽しませてもらいました。
同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。
とはいえ、
・たくさんありすぎて、どれから読んだらいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?
─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。
そこで、この記事では、おすすめのトルストイ作品をあげていきたいと思います。
結論を先にいうと、つぎのとおり。
りきぞう
・おすすめは『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』の2本
・短編なら『イワン・イリイチの死』『クロイツェル・ソナタ』、評論なら『人生論』
トルストイの小説は、ぜんぶ「約30作品」。
主著は、つぎのとおり。
・『アンナ・カレーニナ』(1877年)
・『イワンのばか』(1885年)
・『イワン・イリイチの死』(1886年)
・『光あるうち光の中を歩め』(1887年)
・『人生論』(1889年)
・『クロイツェル・ソナタ』(1889年)
・『復活』(1899年)
・『文読む月日』(1910年)
おすすめは、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』の2本です。
めちゃくちゃ長い作品ですが、やはりこの2作品は、避けてとおれません。
いっぽう短編も魅力で、『イワン・イリイチの死』『クロイツェル・ソナタ』は、ばつぐんにすばらしいです。
「長編はちょっと。。」という人は、まずはこちらからあたっても良いかもです。
以下、それぞれの作品にたいして、[あらすじ → ひとこと]の順でみていきます。
トルストイ作品を読むうえでの参考にしてみてください。
目次
『戦争と平和』
出版年 | 1869年 |
構成 | 全4巻 |
トルストイ初期〜中期の作品です。
いわずとしれた長編小説で、説明は不要かもです。
・リアリストの貴族「アンドレイ」
─ ふたりの青年を軸に、ナポレオン戦争時代を描きます。
「文庫4冊分」と分量は多めながら、ストーリーテンポがよく、あっというまに読めてしまいます。
なにより戦地における、アンドレイの心理描写がすばらしく、一度読んだら、忘れられない。
性格がことなるふたりが、どんな運命を歩むのか ─ 大河小説の原点だけあって、読む人を引き離さない内容になっています。
中毒性でいえば、トップクラスですね。
『アンナ・カレーニナ』
出版年 | 1877年〜 |
構成 | 全8編 |
トルストイ中期の作品です。
『戦争と平和』の約3年後から執筆が開始されました。
高級官僚と結婚した「アンナ」 ─ 。
結婚生活に不満をいだくかのじょが、青年貴族「ブロンスキー」に惹かれていく、というおはなし。
カンタンにいえば「不倫小説」です。
ストーリー展開はベタですが、自然&心理描写がうまいので、ついついページをめくってしまいます。
ちなみに、ドストエフスキーも、自身が運営していた文芸誌で『アンナ・カレーニナ』をとりあげ、絶賛しています。
かれもまた、ストーリーのながれよりも、文体を評価をしています。
それだけ本作の文章は、ひとを惹きつけるいうことですね。
ちなみに翻訳は、さいきん出た「望月訳」が読みやすいです。
『イワン・イリイチの死』
出版年 | 1886年 |
構成 | 全12章 |
トルストイ中期の作品です。
『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの大長編をかきおえたトルストイは、一時スランプにおちいったとされます。
その後、しばらく時間をおいて発表されたのが本書です。
なに不自由ない生活をおくる役人 ─ 。
しかし、みずからが不治の病に、のこりわずかな寿命とわかる。
かれが死ぬまでの苦痛・恐怖・孤独・虚しさ・諦めを、こまかい文体で描きます。
テーマもストーリーも平凡ですが、こちらも自然&心理描写があまりにうまく、さきを読まずには、いられません。
死のまぎわ、あるていどガマンしていた家族への不満が一気にわきあがる ─ にもかかわらず、死という絶望をまえに、文句さえ言う気力もない。
このあたりの生々しさは、身にせまるものがあります。
分量も短く、1日あれば、読了できてしまえます。
とはいえ、はなしのインパクトでいえば、うえ2つの長編に劣りません。
『クロイツェル・ソナタ』
出版年 | 1889年 |
構成 | 全2章 |
トルストイ中期〜後期の作品です。
列車のなかで、乗客たちが「夫婦関係」について、かるい世間ばなしをしている。
そんななか、公爵「ポズトヌイシェフ」が、まじめな顔で、みずからの結婚歴を語りだす。
かれは、妻に浮気され、そのあげくに相手の男を刺し殺してしまった。
その告白により、嫉妬心がいかに膨らんでいき、まわりを破滅させるか、を想起させる ─ これがはなしのながれになっています。
やや説教くさいかんじはありますが、こちらも自然&心理描写が生々しく、読んでいるひとを離しません。
こちらも『イワン・イリイチ〜』と同じく短編なので、短時間で読めてしまえます。
並行して読むのが、おすすめです。
『人生論』
出版年 | 1889年 |
構成 | 全8章 |
トルストイ後期の作品です。
こちらはタイトルどおり、小説ではなく、論文形式のエッセイです。
・理性の働き=愛のほどこし
といった主張をかかげながら、読者を説ていきます。
晩年のトルストイの考えが、じかに伝わってくる作品です。
ストレートなお説教といったかんじで、わりの読者を選ぶかもです。
長編を読んだあと、トルストイが、どのような思想に達したのかを知るには、おすすめの1冊です。
・くわしいレビュー
まとめ
まとめると、
りきぞう
・おすすめは『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』の2本
・短編なら『イワン・イリイチの死』『クロイツェル・ソナタ』、評論なら『人生論』
ぜひ、トルストイ作品を読むうえで、参考にしてみてください。
ではまた〜。