フローベール ─ おすすめの本・作品 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、文学に親しんできました。

大学院時代〜社会人時代にかけても、ひんぱんに作品にあたってきました。

古典作品については、300本以上、読んでいます。

なかでも、フローベール作品には、楽しませてもらいました。

同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。

とはいえ、

・そもそも全部で何作品あるの?
・たくさんありすぎて、どれから読んだらいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?

─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。

そこで、この記事では、おすすめのフローベール作品をあげていきたいと思います。

結論を先にいうと、つぎのとおり。

りきぞう

フローベールの著書は、ぜんぶで「約10作品」
おすすめは『ボヴァリー夫人』『感情教育』『三つの物語』の3本
余裕があるなら『サランボー』『紋切型辞典』の2本もふれておきたいところ

フローベールの小説は、ぜんぶ「約10作品」。

主著は、つぎのとおり。

・『狂人の手記』(1838年)
・『十一月』(1842年)
・『ボヴァリー夫人』(1857年)
・『サランボー』(1862年)
・『感情教育』(1869年)
・『聖アントワーヌの誘惑』(1874年)
・『三つの物語』(1877年)
・『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)
・『紋切型辞典』(1913年)

おすすめは『ボヴァリー夫人』『感情教育』『三つの物語』の3本です。

『ボヴァリー夫人』『感情教育』は、長編小説です。

『ボヴァリー夫人』では、人生における「退屈」「倦怠」を。

『感情教育』では、青年の「憂鬱な恋」を描きます。

『三つの物語』は、タイトルどおり、3作から構成される短編集。

ストーリー&文体が異なりながらも、関連性のある物語で、読者をひきつけていきます。

以下、それぞれの作品にたいして、[あらすじ → ひとこと]の順でみていきます。

フローベール作品を読むうえでの参考にしてみてください。

『ボヴァリー夫人』

出版年 1857年
構成 全3部

フローベール中期の作品。

本作によって、かれの名前はフランス中に知れ渡りました。

いっぽう、あまりに性描写が過激だったため、裁判沙汰になりました。

主人公「エンマ」について

「ボヴァリー夫人は、わたしなのです」

というフローベールの言葉は、あまりに有名ですね。

あらすじ

それなりの恋愛を経て、結婚した「エンマ」 ─ 。

あまりの「退屈さ」から、ここにはない理想の生活をもとめて、つぎつぎ結婚相手を変えていく。

しかし「倦怠」は解消されない。

エンマがさいごになってとった行動は……

ひとこと

ありきたりなストーリーながら、

・たくみな自然描写

によって、読者をぐいぐいひきつけます。

さいしょは「言いまわしが、まどろっこしいなぁ」と感じるかもです。

とはいえ、ふしぎとそれがクセになり、さきを追わずにはいられない ─ そんな作品です。

3回ほど読みましたが、再読のほうが、表現・言葉づがいがじっくり味わえて、より楽しめます。

一度読んだ人も、日をおいて、ながめると違った発見があります。

ちなみに、わたしは「伊吹訳」(岩波文庫)で読みました。

文体がカンケツで、すらすら読めます。

いまなら、最新の「芳川訳」(新潮文庫)もアクセスしやすいです。

こちらも読みやすい文章にしあがっています。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『感情教育』

出版年 1869年
構成 全3部

フローベール中期の作品です。

『ボヴァリー夫人』の数年後に発表されました。

あらすじ

「二月革命」前後のパリ。

いなかからやってきた、大学生「フレデリック」は、法律関係の仕事に就こうとするも、みずからの生き方が、はっきりしない。

そんななか、美しい女性「アルヌー」に恋ごころを抱く。

しかしかのじょは、既婚者だった。

つのる想いを押し殺しながら、時間ばかりがすぎてゆく。

そんななか、まちでは「革命さわぎ」がおきて……

ひとこと

「革命」というと、社会性のある小説かなぁと思いますが、ちがいます(笑)

既婚者「アルヌー」への恋ごころが、ストーリーの軸です。

かのじょへの想い・幻想が、テーマであり、「二月革命」は〝スパイス〟といった程度です。

「革命」を描いたということで、ユゴー『レ・ミゼラブル』と、よく比較されます。

ですが、毛色はまったく異なります。

ユゴーが「革命のロマン」を描くなら、フローベールは「女性へのロマン」を描きます。

「フレデリック」は、革命には無関心で、〝かのじょの幻想〟にひたり、苦しめられます。

このあたりの対比から読んでも、本作はおもしろいです。

ちなみに、カフカも(『ボヴァリー夫人』ではなく)こちらを愛読書にしていたそうです。

個人的には、エンタメ性でいえば『感情教育』のほうが、上かなぁと思います。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(5.0)
おすすめ度
(5.0)

『三つの物語』

出版年 1877年
構成 「聖ジュリアン伝」
「純な心」
「ベロディアス」

フローベール後期の作品です。

・「聖ジュリアン伝」
・「純な心」
・「ベロディアス」

という3つの短編から構成される短編集です。

おもしろいのが、どの作品も、時代背景&表現手法が、バラバラで一貫性がないトコ。

しかし全体を読むと、物語のあいだで調和しているとわかり、ふしぎな満足感をえられる。

『ボヴァリー夫人』『感情教育』で味わう感覚とは異なります。

けれど、これはこれで、すばらしい作品になっています。

本作は長く翻訳に恵まれていませんでした。

しかし2018年に「谷口訳」が出たことで、一気にアクセスしやすくなりました。

文章&解説がすばらしく、うえ2作に引けをとらない作品になっています。

あらためて、翻訳って大事だなぁと思える作品です。

ちなみに、谷口さんは本作で「日仏翻訳文学賞」を受賞しています。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『サランボー』

出版年 1862年
構成 全15章

フローベール中期の作品です。

『感情教育』と、ほぼ同時期に出版されました。

こちらは歴史小説で、第一次ポエニ戦争(BC.264年-241年)後の「カルタゴ」を舞台に描いています。

タイトルの「サランボー」は、ポエニ戦争の英雄「ハンニバル」の父親のむすめ。

フローベールが創作した人物です。

近代とはちがい、宗教が権威をもっていた時代 ─ 巫女「サランボー」が天啓をうけたのち、使命をはたす、というおはなしです。

『ボヴァリー夫人』と同じく、たくみな写実描写でストーリーを展開させます。

いっぽう、テーマ&時代背景になじみがなく、ややとっつきにくい感じもあります。

こちらも最近、新しい翻訳が出ました。

以前よりも、格段に読みやすくなっています。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(4.0)
面白さ
(3.0)
おすすめ度
(3.0)

『紋切型辞典』

出版年 1913年
構成 全1章

かれの死後、出版されました。

「紋切型」というとおり、フローベールが生きた当時の

・決まりきった言いまわし
・ありきたりの意見
・ベタなジョーク&ギャグ

を並べた辞典になっています。

こんな本を構想していたところからも、フローベールが、どれほど表現描写にこだわっていたか、わかります。

かれの小説を理解するには、目をとおしておきたい1冊です。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(3.0)

まとめ

まとめると、

りきぞう

フローベールの著書は、ぜんぶで「約10作品」
おすすめは『ボヴァリー夫人』『感情教育』『三つの物語』の3本
余裕があるなら『サランボー』『紋切型辞典』の2本もふれておきたいところ

ぜひ、フローベール作品を読むうえで、参考にしてみてください。

ではまた〜。