| 公演日 | 2010年9月 |
| 収録 |
最終列車 一都物語 ツいてる男 雲の上の存在 ある視点 消しゴム in 私の頭 メトロ鉄道の夜 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、タイムマシーン3号『メトロ鉄道の夜』。
『最終列車』は、定年まえの駅員と、同僚のやりとり。
家族と別れ、ひとり身になったエピソードを語りながら、笑いをおこしています。
ラストの『メトロ鉄道の夜』とリンクしているので、セットでみるのが、おすすめです。
『ある視点』は、おデブで、モテない先輩にたいして、ひたすらお褒めの言葉を連発する後輩のはなし。
皮肉で言ってるのかぁと思いきや、当人はいたってマジメ。
それがぎゃくに、先輩を傷つけます。
…
個人的に好きだったのは、「ツいてる男」、「雲の上の存在」、「消しゴム in 私の頭」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『ツいてる男』
あらすじ
ふたりの友人。
これまでついていなかったが、さいきん、運がむいてきたと、大はしゃぎ。
犬のフンをさけようと、犬を踏んじまったヤツがなにを言ってる?
信じられない友人にたいして、男は、じぶんがついているエピソードをおしえる。
すこしは納得する友人。
けれど男は、ツキがまわりすぎていることに、さいきん恐怖をおぼえている、とうちあける。
というのも、何度アイスを買っても、ハズレはなく、「当たり」しかでない。
ガリガリ君の〝怨念〟がまとわりついている ─ そんなふうに恐れをいだく男は……
ひとこと
発想にくわえて、セリフのテンポが、すばらしい。
ひとつひとつのボケは、そんなにインパクトはないかもです。
けれど、ボケにボケをかさるねる展開に、笑いが止まりません。
すっきり笑いたいひとに、おすすめのコントです。
『雲の上の存在』
あらすじ
雲の上から、下界を見下ろすふたりの神さま。
仕事と称して、
・叶姉妹に大金をもたせる
などなど、不思議に思うようなできことを、毎日、コントロールしている。
そんななか、神社の絵馬を手にとり、一人ひとりの願いを叶えようとするが……
じつは、そのまえのコント「ツイている男」
とリンクしています。
不運だった男に、ひたすら「ガリガリ君の当たり」を、何度もゲットさせたのは、ふたりの神さまのしわざ。
イタズラがしたくて、わざと「当たり」ばかり引かせていました。
このあたりのつながりも、おもしろいですね。
のセリフにたいして、
と真顔でこたえる、関さんには、笑いました。
後半は、人間から絵馬をうけとるというかたちで、あらかじめお客さんが書いた要望にこたえるながれ。
「今度のうまれる子どもに名前をつけてください」
というリクエストに、
「重いよぉー」と、ホンネをもらす関さん。
こちらもついつい笑ってしまいましたね。
『消しゴム in 私の頭』
あらすじ
アパートの一室で、ふたりの男がはなしている。
ひとりが、
「映画『わたしの中の消しゴム』みたいに、記憶がどんどんなくなっているんじゃないのか?」
と、指摘。
否定する友人 ─ 。
けれど言っているそばから、
「この間、黒田にあってさ、「アイスの当たりが止まらない」って、テンパってんの」
と、すでに6回も話した、おもしろエピソードを語りだす。
どうやらほんとに記憶がなくなっているようす。
しかし、あいての記憶喪失を指摘する友人もまた、記憶をなくしはじめる。
しぶんはおろか、おたがいに話している相手が誰だか分からなくなっていき……
ひとこと
記憶喪失を素材した作品。
こちらもほかのコントのエピソードをつなぎあわせて、はなしを展開させていく。
(黒田くんが、アイスの「当たり」をひきまくる、などなど)
くわえて、ひとりの友人だけでなく、もういっぽうも、記憶をなくしていく流れが、ほんとによかった。
記憶をなくすことで、おたがいに相互不信になり、しぶんの正体について不安になる男たち。
記憶がないことをいいことに、
「だだのおばさんヒーロー 、ウンコマン!」
などなど、わけもわからないネーミングのヒーローを名のりだす。
「記憶喪失もの」ということで、とちゅうネタの内容を把握していないと、後半何がおもしろいのか、いまいちピンとこないかもです。
・なぜ、おばさんがヒーローになるのか?
本編をみて、チェックしてみてください。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。


