シソンヌ「シソンヌライブ quatre(カトル)』感想&レビューです。

公演日 2015年6月
収録 聞かないでくれよ
しつけ
俺の袋
大学デビュー
ことわれない女
人間してる
お父さんと美和子
企画会議
自由研究
先生と野村くん

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、シソンヌ『シソンヌライブ quatre(カトル)』。

4回目の単独ライブを収録したものです。

『しつけ』は、女が「モノ」を子どものようにあつかうことで笑いをおこす。

『人間してる』は、ヤバいオヤジがコンビニ店員にからむ作品。

じろうさんの「狂気」がかいまみれて、ひきつけられた。

ラストの『先生と野村くん』では、親にすてられ、親戚の家に育てられる野村くんが再登場 ─ 。

まえのコントでは、野村の「不遇」はほのめかす程度だった。

けれど今回は、ストレートに「キツい立場」に追い込まれていることがわかる。

今後のシリーズでも登場するんだろうか。楽しみ。

個人的に良かったのは、「大学デビュー 」「ことわれない女」「企画会議」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『大学デビュー』


あらすじ

久しぶりに帰省する兄。

地元の大学にすすんだ弟に、近況をだすねる。

まえはイケていた弟だったが、進学してからオタクっぽくなり、ダサくなっている。

聞けば、テニスサークルに入るつもりが、科学研究部にしたらしい。

自分のテンションを「%」で表したり、服装もシャツインしたり、リュックも肩までめいっぱいあげたり……。

「セトギワ」にいる弟を心配した兄は、イケてるグループに連れ戻そうとするが……。

ひとこと

はなしの設定がおもしろいコント。

大学デビューといえば、高校時代にダサかったヤツが、背伸びをするのがフツー。

そのイメージをひっくりかえして、カッコよかったヤツがダサくなるという展開にもっていく。

発想がいいですよね。

ちなみに、ときおりみせるじろうさんのオタクっぽいアクションも、笑いドコです。

『ことわれない女』

あらすじ

風俗のキャッチをしている男。そこに電話をかけながら女がやってくる。

かまわず女に声をかけ、電話をきらせる。

はじめは拒んでいたが、すこし強引に誘ったとたんに「導かないでぇー」と、あっさり手玉にとられてしまう。

さいごは、ソープ嬢のような仕事にまで誘われてしまい……。

ひとこと

タイトルのどおり「ことわれない女」のおはなしです。

これといってストーリーにひねりはありません。

けれど、「導かないでぇー」というキャッチーなセリフを発しながら、勧誘にのってしまう性格の女 ─ これがクセになり、ついつい笑ってしまいます。

シソンヌには、「好きになっちゃうー」と声高にさけぶ女が登場するコントがありますね。

この作品は、その別バージョンといったかんじです。

『企画会議』

あらすじ

会社の企画会議。

さいきん入社したばかりで、初めて企画を発表する後輩は、すこし緊張ぎみ。

そんな後輩をなごませる先輩。

「ウチの会社では、先輩・後輩にカンケーなく、どんなアイデアでもどんどん出しあう」
「やりたいことをストーリーに発表すればいい」

リラックスする後輩。

しかし先輩がプレゼンする新商品の案は「世界の国旗をアレンジした下着」。

ダサいデザイン、意味不明なコンセプトに、後輩は首をかしげて……

ひとこと

なみだをながして、笑ったコント。

『quatre(カトル)』のなかでイチバン良かった。

じろう演じる先輩が「できる男」として後輩にアドバイスする。

これがストーリー全体のフリとなり、はなしが展開していく。

流れとしてはベタです。

けれど先輩が発表する「新商品案」が〝ぶっ飛んで〟いて、爆笑を引きおこしている。

大したことをいってないのに、いちいち指をパチパチならすアクションもツボです。

どんな新商品なのかは本編をチェックしてみてください。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。