日露戦争の流れ ─ 原因・条約・影響・三国干渉・ポーツマス条約・東清鉄道敷設権【世界史】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・日露戦争の流れについて知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・三国干渉
・東清鉄道敷設権
・ポーツマス条約
重要人物
・セオドア=ルーズベルト
ポイント
・日露戦争ではドイツとフランスがロシアを、イギリスとアメリカが日本を支援した
・日露戦争での勝利はアジア諸国のナショナリズム運動を加速させた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

日露戦争の流れ① ─ 背景

日英同盟の記念切手

義和団事件のあと、ロシアは中国東北地方に大量の軍を駐屯させます。

これにより、朝鮮北部をめぐる日本とロシアの緊張が一気に高まります。

いっぽう朝鮮をおさめる韓国は、日清戦争のあと日本を牽制するため、国王高宗がロシアに接近します。

国内では知識人による議会開設運動がもりあがり、かれらの要求は国王に承認され、国名も大韓帝国に改められます。

海外にむけては独立国であることをアピールして、皇帝への中央集権をすすめていきます。

こんなふうに、韓国&ロシアが動きを見せるなかで、欧米列強も朝鮮半島めぐる争いにつながりをもちはじめます。

ドイツはロシアにヨーロッパ大陸から東アジアに目を向けさせるため、直接間接に、中国北東部の進出をあとおしします。

フランスは露仏同盟をむすんでいるため、きほん静観の立場をとりました。

反対にイギリスは南アフリカ戦争で軍事力をつかいはたし、ロシアの侵攻を食い止めることができませんでした。

そこでイギリスはロシアを抑えるために日本を利用します。日英同盟をむすび、ロシアの進出をおさえようとしました。

ここに、朝鮮半島めぐる日本とロシアの対立は決定的となり、日露戦争が勃発します。

構図はつぎのとおりです。

ロシア&ドイツ&フランス
vs
日本&イギリス&アメリカ

日露戦争の流れ② ─ 展開

旅順要塞への砲撃

大方の予想に反して、戦況は日本優位にすすみます。

・旅順攻略
・奉天会戦
・日本海海戦

でロシアをうちたおし、日本の勝利でおわります。

しかし戦争では勝利したものの、軍事費がかさみ日本は財政難におちいります。

ロシアもまた、西方本国で第一次ロシア革命が勃発したことで、これ以上の戦争は続行不可能になります。

このように両国が手をこまねいているとき、仲介に名のりをあげたのがアメリカでした。

ときの大統領セオドア=ローズヴェルトは、日本&ロシア立ち会いのもとポーツマス条約をむすばせます。

これにより、日本にたいして、以下5点の項目が定められました。

・韓国への保護権
・遼東半島南部の租借権
・南満州の鉄道利権
・南樺太の領有
・沿海州の漁業権

このなかでも韓国への保護権にかんしては、ヨーロッパ諸国から強い抵抗を受けました。

しかし、

・桂・タフト協定
・第二次日英同盟
・日仏協約
・日露協約

など、粘りづよい交渉のすえ、日本は欧米列強に韓国の保護権を承認させることに成功します。

日露戦争の流れ③ ─ 影響

ポーツマスにおける日露両政府代表団

日露戦争での勝利は、世界各国にさまざまな影響をもたらしました。

まず、後進国であると思われていた日本が西洋列強に勝ったことで、アジア諸国の民族運動がよりいっそう高揚することになります。

つづけてヨーロッパ本国では、日露戦争の敗北によりロシアの東アジアでの南下政策が停止します。これにより英露協商が締結されて、イギリスとロシアの関係が改善されます(その背後には、勢力を伸ばすドイツへのイギリスの警戒感もありました)。

また、東アジアでの日本の勢力拡大はアメリカの警戒心を高めることにもつながりました。

おわりに

日露戦争の流れをみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・三国干渉
・東清鉄道敷設権
・ポーツマス条約
重要人物
・セオドア=ルーズベルト
ポイント
・日露戦争ではドイツとフランスがロシアを、イギリスとアメリカが日本を支援した
・日露戦争での勝利はアジア諸国のナショナリズム運動を加速させた

この記事が、日露戦争を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。