近現代の歴史 ─ おすすめの本 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・近現代の歴史を知るためには、何を読んだら良いの?
・おすすめの本を教えてほしい
・それぞれの本について、著者&内容を知りたい

きょうは、この問いに答えていきます。

先に結論をいえば、つぎのとおり。

おすすめ本
・木畑洋一『二〇世紀の歴史』
・木村靖二『第一次世界大戦』
・岩崎育夫『アジア近現代史』
・渡辺惣樹『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』
・猪木武徳『戦後世界経済史』

さいしょに『二〇世紀の歴史』で、近現代の流れを、ざっくり理解 ─ 。

そのあと、

『第一次世界大戦』 → 『アジア近現代史』 → 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 → 『戦後世界経済史』

の順で読めば、近現代史を、深く知ることができます。

以下、目次に沿って、みていきます。

おすすめ本① ─ 『二〇世紀の歴史』

著者 木畑洋一
出版年 2019年
目次 序章 「長い二〇世紀」
第1章 支配 – 被支配関係の広がり
第2章 帝国世界動揺の開始
第3章 帝国世界再編をめぐる攻防
第4章 帝国世界の解体
終章 「長い二〇世紀」を後に 

著者&内容

著者は、イギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史の専門家。

欧米列強による植民地支配の構図をみたあとで、[第一次世界大戦 → 世界恐慌 → 第二次世界大戦]までのプロセスを、一気に述べていく。

ひとこと

学術用語「長い20世紀」というアプローチから、帝国主義時代の流れをたどるのが、本書のポイントです。

このフレーズは、世界経済の覇権サイクルを示したもの。

もともとは、ホブズボームが提唱した「短い20世紀」がはじまりで、イギリスの経済学者「アリギ」が改良した概念です。

著書は、この考えをアレンジして、1800年代〜1900年代における、政治経済の歴史をあつかいます。

コンパクトな分量で、短い時間で、帝国主義時代(近現代)の特徴&流れを把握できます。

おすすめ本② ─ 『第一次世界大戦』

著者 木村靖二
出版年 2014年
目次 序章 第一次世界大戦史をめぐって
第1章 一九一四年 ─ 大戦の始まり
第2章 物量戦への移行と防御の優位
第3章 戦争目的の重層化と総力戦体制の成立
第4章 大戦終結を目指して

著者&内容

著者は、ドイツ近現代史の専門家。

本書では、近年の研究を踏まえながら、

・戦史的経過
・技術的進展
・社会的変遷

をたどりながら、第一次世界大戦の核心を描いていく。

また、

・国際体制の変化
・「帝国」から「国民国家」への移行
・女性の社会進出
・福祉国家化

など、大戦の影響も、ていねいに記述していく。

ひとこと

帝国主義時代において、1914年に勃発した「第一次世界大戦」は、一大事件でした。

戦争で、はじめて化学兵器が導入され、これまでにない死者・被害者が、発生しました。

タイトルどおり、本書は、世界大戦の、背景・展開・影響を、よりコンパクトにあつかっています。

こちらも、ホブズボームが提唱した「短い二〇世紀」からのアプローチをとっています。

最近の研究動向をふまえて、技術発展・国家体制の変化など、戦争がもたらした影響を、明らかにしていきます。

第一次世界大戦の流れを、コンパクトに知りたい人には、おすすめです。

おすすめ本③ ─ 『アジア近現代史』

著者 岩崎育夫
出版年 2019年
目次 序章 アジアの原型
第1章 モンゴル帝国
第2章 ヨーロッパ勢力の衝撃
第3章 近代日本のアジア支配
第4章 独立・戦争・混乱
第5章 経済開発・民主化・アジア共同体
終章 アジアとは何か

著者&内容

著者は、東アジア・東南アジアの研究家・専門家。

うえ2冊は、ヨーロッパ側から、植民地政策をみてたどりますが、こちらの本は、いわゆる〝非植民地〟サイドから、帝国主義時代の歴史をたどるものです。

ひとこと

東南アジア・中国など、それぞれの国からではなく、アジア地域を〝ひとまとまり〟にとらえます。

そのうえで、アジア全体が、どのように、欧米列強から進出・侵略されてきたのかを述べていきます。

あつかう範囲も、1200年代のモンゴル帝国から始めります。

そして、二つの大戦をつうじて、いまの「アジア共同体」の形成プロセスを、ていねいに述べていきます。

帝国主義時代のアジアといえば、植民地された側=被害国のイメージがあります。

しかし、欧米列強が進出したことで、アジア側にも、経済・文化の面で、影響を与えたのも事実です。

そのあたりの詳細を、本書では、アジアから視点でみています。

アプローチとしては珍しいので、かなりおすすめです。

おすすめ本④ ─ 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』

著者 渡辺惣樹
出版年 2017年
目次 第1章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第2章 『裏切られた自由』を読み解く ─ その1
第3章 『裏切られた自由』を読み解く ─ その2
第4章 『裏切られた自由』を読み解く ─ その3
第5章 連合国首脳は何を協議したのか

著者&内容

著者は、ビジネスマンでもあり、日本近現代史の研究家 ─ 。

アメリカ大統領・ハーバート・フーバーの大著『裏切られた自由』の翻訳者でもあります。

この本では、大統領の視点から、第二次大戦の背景&経緯を詳しく描いていますが、単行本で1500ページを超え、なかなか読みとおすのはムズかしい。

本書は、この大著をコンパクトに紹介しつつ、第二次大戦の内実を明らかにしていきます。

ひとこと

『裏切られた自由』は、まちがいなく「第1級の歴史資料」ですが、よほど時間がないと、なかなか読めません。

本書のように、翻訳者が〝読みどころ〟をピックアップしてくれるのは、ありがたいですね。

この本を読むことで、ひとまず第二次大戦の背景・展開・影響を、深く把握することはできます。

おすすめ本⑤ ─ 『戦後世界経済史』

著者 猪木武徳
出版年 2009年
目次 第1章 あらまし
第2章 復興と冷戦
第3章 混合経済の成長過程
第4章 発展と停滞
第5章 転換
第6章 破綻
むすびにかえて

著者&内容

著者は、日本で有名な経済学者 ─ 。

『経済思想』で、サントリー学芸賞を受賞したこともあります。

また、新聞・経済誌などにも、たびたび登場し、日々のできごとを解説しています。

タイトルどおり、本書では、第二次大戦後の世界経済の流れをたどっていきます。

ひとこと

歴史学者ではなく、経済学者が、戦後の歴史を記しているのが、興味深いですね。

「社会主義」も存続していたとはいえ、戦後は、民主主義と資本主義が、普及したプロセスとみるのがフツーです。

本書では、「市場化」という視点から、大戦後の60年を、あらためて振りかえっていきます。

戦後史というと、政治面での記述がメインです。

この本のように、経済面からみると、資本主義 vs 社会主義の構図を、また違って視点で把握することができます。

その意味では、たいへん参考になる内容です。

まとめ

まとめると、

おすすめ本
・木畑洋一『二〇世紀の歴史』
・木村靖二『第一次世界大戦』
・岩崎育夫『アジア近現代史』
・渡辺惣樹『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』
・猪木武徳『戦後世界経済史』

といったかんじ。

この記事が、「近現代の歴史について、おすすめの本を知りたい人」の参考になれば、うれしいです。

ではまた〜。