どうも、りきぞうです。
大学のころから、世界史に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。
・おすすめの本を教えてほしい
・それぞれの本について、著者&内容を知りたい
きょうは、この問いに答えていきます。
先に結論をいえば、つぎのとおり。
・『メソポタミア全史』
・『ペルシア帝国』
・『イスラームの歴史』
・『オスマン帝国』
さいしょに、『物語 中東の歴史』で、大まかに中東史を理解 ─ 。
そのあと、
の順で読めば、中東も歴史を、より詳しく把握できます。
以下、目次に沿って、みていきます。
目次
おすすめ本① ─ 『物語 中東の歴史』
著者 | 牟田口義郎 |
出版年 | 2001年 |
目次 |
序章 中東の風土 第1話 乳香と没薬 第2話 女王の都パルミラ 第3話 アラブ帝国の出現 第4話 「蛮族」を迎え撃つ「聖戦」 第5話 風雲児バイバルス 第6話 イスラーム世界と西ヨーロッパ 第7話 スエズのドラマ |
著者&内容
著者は、中東近現代史の専門家。
出版から15年以上たっていますが、内容は古びていません。
「物語」ということで、章番号も「◯◯話」になってますね。
1話&2話で、古代オリエント文明&アラビア地域を中心にあつかいます。
3話で、イスラム勢力の勃興&発展について。
4話で、ヨーロッパの「十字軍」との争い。
5話で、イスラム勢力とモンゴル帝国の対立・融和について述べます。
6話&7話では、大交易時代以降、西欧列強とのカンケーについて語っていきます。
ひとこと
ポイントとなる事件をとりあげ、中東史の流れをみていくかんじです。
著者が「新聞記者」をしていたこともあり、惹きつける文体で、読み手をグイグイ引っぱっていきます。
ストーリー形式なので、かなり読みやすいです。
中東の歴史を、大まかに知るには、おすすめの1冊です。
本書のあとに、各時代をあつかった書籍を読むと、より中東の歴史を理解できます。
ぜひさいしょに、手にしてほしい本ですね。
おすすめ本② ─ 『メソポタミア全史』
著者 | 小林登志子 |
出版年 | 2020年 |
目次 |
序章 ユーフラテス河の畔、ティグリス河の畔 第1章 シュメル人とアッカド人の時代 第2章 シャムシ・アダド一世とハンムラビ王の時代 第3章 バビロニア対アッシリアの覇権争い 第4章 世界帝国の興亡 終章 メソポタミアからイラクへ |
著者&内容
著者「小林登志子」は、シュメル学の専門家。
タイトルどおり、人類初の文明「メソポタミア文明」の全歴史を描きます。
・ハンムラビ
・アッシュル・バニパル
・ネブカドネザル二世
など、初期オリエントの主要プレイヤーを、余すことなく記述しています。
各国の興亡も描いているので、メソポタミア史の流れを、スムーズかつ詳細に理解できます。
ひとこと
『物語 中東の歴史』を読んだあとに、手に取りたい1冊です。
本書を読むことで、初期オリエントの流れが、大まかに把握できます。
その後の、[ペルシャ帝国 → イスラム世界]の展開を理解するうえでも、たいへん参考になります。
おすすめ本③ ─ 『ペルシャ帝国』
著者 | 青木健 |
出版年 | 2020年 |
目次 |
プロローグ 「ペルシア」とは何か 第1部 ハカーマニシュ朝「帝国(クシャサ)」 中間期 アルシャク朝パルティアとペルシア州の地方王朝 第2部 サーサーン朝「エーラーン帝国(エーラーン・シャフル)」 エピローグ 「ペルシア帝国」概念の解体 |
著者&内容
著者は、「ゾロアスター教」「イラン・イスラーム思想」の専門家。
タイトルどおり、ペルシャ帝国の全歴史を描きます。
さいしょに、「「ペルシャ」とは何をさすのか」を整理 ─ そのうえで、ペルシャ帝国の流れをたどっていきます。
・海のシルクロードによる繁栄
・組織力&軍事力のなかみ
・宮廷クーデター
・兄弟間の政治争い
などなど、取り扱う話題は、盛りだくさんです。
ひとこと
じつはこれまで、ペルシャ帝国をストレートに描いた作品は、ほぼありませんでした。
その意味で、たいへん貴重な本です。
新書ながら、詳細かつダイナミックに描いているので、ついつい読みすすめてしまいます。
『メソポタミア全史』のあとに読むと、つながりがしっかり理解できます。
順々に手にすると、いいかなぁと思います。
ちなみに、目次にある「ハカーマニシュ朝」とは、教科書では「アケメネス朝」のこと。
しっかり「ペルシャ語」の読み方で記しているトコも、こだわりを感じますね。
おすすめ本④ ─ 『イスラームの歴史』
著者 | アームストロング・カレン |
出版年 | 2017年 |
目次 |
第1章 イスラームの成立 第2章 イスラーム国家の発展 第3章 イスラーム世界の繁栄 第4章 世界帝国の時代 第5章 戦うイスラーム |
著者&内容
著者「アームストロング・カレン」は、比較宗教学の専門家。
イスラームの1400年間の歴史をあつかう。
・イスラーム国家の発展
・近代化&世俗化
などなど、イスラームのあゆみを、わかりやすく描く。
ひとこと
本書で、ムスリム公共問題審議会(米)のメディア賞を受賞しました。
「9・11」の直前に出版されたことで、アメリカではベストセラーになりました。
といっても、過激なことが書いてあるわけでは、ありません。
イスラームの歴史を、端的かつ丁寧にあつかっています。
イスラームの歴史を、ざっと理解するには、おすすめです。
おすすめ本⑤ ─ 『オスマン帝国』
著者 | 小笠原弘幸 |
出版年 | 2018年 |
目次 |
序章 帝国の輪郭 第1章 辺境の信仰戦士 第2章 君臨する「世界の王」 第3章 組織と党派のなかのスルタン 第4章 専制と憲政下のスルタン=カリフ 終章 帝国の遺産 |
著者&内容
著者「小笠原弘幸」は、オスマン帝国史&トルコ共和国史の専門家。
本書では、
・王家内部の権力争い
・ヨーロッパへの進撃
・近代化の苦闘
などなど、誕生から滅亡までを、詳細に描く。
ひとこと
オスマン帝国は、だれでも知っています。
その歴史を細かく理解するのは、至難の業です。
本書では、端的かつわかりやすく描いているので、オスマン帝国の歴史を、ざっくりと理解できます。
まとめ
まとめると、
・『メソポタミア全史』
・『ペルシア帝国』
・『イスラームの歴史』
・『オスマン帝国』
といったかんじ。
この記事が、「中東の歴史について、おすすめの本を知りたい人」の参考になれば、うれしいです。
ではまた〜。