朝鮮戦争 ─ 日本・特需・停戦協定・参加国・中国軍・パンムンジョム(板門店)・朝鮮特需【世界史】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・朝鮮戦争について知りたい
・大事なキーワードは?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・大韓民国/朝鮮民主主義人民共和国
・サンフランシスコ講和会議
・国連軍/人民義勇軍
・休戦協定
・パンムンジョム(板門店)
・日米安全保障条約
・朝鮮特需
ポイント
・朝鮮戦争により朝鮮半島は南北分断され、アメリカの日本にたいする占領政策も変更を余儀なくされた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

以下、[背景 → 展開 → 進展]に沿って、朝鮮戦争をみていきます。

朝鮮戦争① ─ 背景

李承晩(左)と金日成(右)

第二次大戦後、建国準備委員会が朝鮮人民共和国の独立を宣言します。この委員会は日本軍が撤退したのち、半島各地につくられた政治組織でした。

かれらは朝鮮民族独自の国をたてようしましたが、日本軍にかわり進駐してきたアメリカ軍から認められず、各地の委員会も弾圧されます。

その後、アメリカの支援をうけた大韓民国と、ソ連が支持する朝鮮民主主義人民共和国がそれぞれ独立します。

大韓民国の大統領は李承晩、朝鮮人民共和国の首相は金日成でした。

朝鮮半島の利権をめぐって両国の対立は激しくなり、朝鮮戦争にまで発展します。

朝鮮戦争② ─ 展開

現在のパンムンジョム(板門店)

朝鮮戦争は、武力統一をめざす北朝鮮軍の南下から始まりました。

軍事行動にたいして、国際連合の安全保障理事会は北朝鮮を侵略国と断定し、国連軍の派遣を決めます。

そのさい軍隊の中心はアメリカでしたが、ソ連は安保理をボイコットしていたため国連軍の派遣にかんして拒否権を発動することができませんでした。

半島南部から進出した国連軍は中国国境あまりまで北上します。これにたいして危機感をいだいた中国(中華人民共和国)は人民義勇軍をおくり、アメリカ軍と戦闘をおこないます。

その結果、北緯38度線で[北朝鮮軍&人民義勇軍 vs 国連軍]は膠着状態におちいりパンムンジョム(板門店)という場所で休戦協定をむすぶことになります。

これにより、いまでもつづく南北分断線が固まりました。

分断線の固定化により、朝鮮半島は東西冷戦体制をもっともあらわす場所となります。

その後、大韓民国を支援したアメリカは、かれらと米韓相互防衛条約をむすび、在韓米軍が韓国軍の指揮権をにぎっていくことになります。

朝鮮戦争③ ─ 影響

朝鮮特需でうるおう日本の軍事工場

朝鮮戦争による南北分断は、関係国にさまざまな影響をあたえました。

以下、

  • 日本
  • アメリカ
  • 中国

に焦点をあててみていきましょう。

日本

朝鮮半島での[民主主義陣営 vs 社会主義陣営]の対立をうけて、アメリカの日本にたいする占領方針は大きく転換します。

それまで軍の保有をいっさい認めていませんでしたが、ソ連&中国&北朝鮮の脅威から、アメリカは日本にむけて再軍備を要請します。

これにより日本では専守防衛に特化した警察予備隊が設立されます(その後、予備隊は[保安隊 → 自衛隊]へと変わっていきます)。

またアメリカはサンフランシスコ講和会議で、日本を独立国と認めたうえで講和をむすびます。そのさい社会主義国の中国やソ連とは調印をおこないませんでした(片面講話)。

さらにアメリカとは日米安全保障条約をむすび、いわゆる「民主主義陣営」に加わることになります。

なお、日本は朝鮮戦争で武器の輸出を積極的におこない、これが経済復興のきっかけとなります(朝鮮特需)。

アメリカ

朝鮮半島の南北分断は、アメリカにとっても世界戦略の修整をせまることになります。

まずは台湾への外交政策を転換し、中国&ソ連の脅威から米華相互防衛条約を締結します。

またインドシナ半島にむけては、社会主義陣営と対立するフランスにたいして軍事支援をおこない、封じ込め政策を強化します。

中国

中国では半島での対立をうけて、それまですすめていた社会主義の建設を急ピッチですすめるようになります。

指導者の毛沢東は、新たに五カ年計画を発表し、これまでにない国内の重工業化をおしすすめていくことになります。

おわりに

朝鮮戦争をみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・大韓民国/朝鮮民主主義人民共和国
・サンフランシスコ講和会議
・国連軍/人民義勇軍
・休戦協定
・パンムンジョム(板門店)
・日米安全保障条約
・朝鮮特需
ポイント
・朝鮮戦争により朝鮮半島は南北分断され、アメリカの日本にたいする占領政策も変更を余儀なくされた

この記事が、朝鮮戦争を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。