ギリシャのポリス ─ 特徴・意味・政治形態・アテネ・スパルタ・アクロポリス・重装歩兵【世界史】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・ギリシャのポリスについて知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・集住(シノイキスモス)
・アクロポリス
・アゴラ
・オリンピアの祭典
・デルフォイの神託
・ヘレネス
・バルバロイ
・『イリアス』&『オデュッセイア』
・重装歩兵
重要人物
・ホメロス
ポイント
・アテネをはじめ古代ギリシャのポリスでは、重装歩兵として国防を担っていた平民が、貴族にたいして参政権を要求していった

この記事では、つぎの本を参考にしました。

ギリシャのポリス① ─ 成り立ち

アクロポリス

「暗黒時代」(B.C.12世紀〜8世紀)を経たあと、ギリシャ地域では貴族を中心に集住(シノイキスモス)がおこなわれていきます。

また、外にむかって征服活動が活発になり、交易路を広げていきます。

これら集住と征服により、ギリシャ各地にポリスがつくられていきました。

いくつかの集落が連合し、アクロポリス(acropolis)を中心に、人びとが集住(シノイキノモス)して都市を建てた。ここに成立したギリシャ特有の都市国家をポリスという。(p.35)

─ 『詳説 世界史研究』

ギリシャのポリス② ─ 特徴

重装歩兵(想像図)

以下、ポリスの特徴をみていきましょう。

ポイントは、つぎの5つです。

  • 都市構造
  • 共通意識
  • 奴隷制
  • 海外交易
  • 平民の台頭

それぞれ、かんたんに説明します。

都市構造

ポリスでは、その中心部にアクロポリスとよばれる城山と、アゴラとよばれる広場がありました。

アクロポリスには神殿があり、そこは宗教と軍事の中心地でした。

いっぽうアゴラには、市場や劇場がたちならび、経済や政治の中心地となりました。

かんたんにいえば、

・アクロポリス → 宗教&軍事
・アゴラ → 経済&政治

といったかたちで棲み分けがなされ、そのなかで人びとは生活をいとなんでいました。

共通意識

ギリシャ人たちは地域一帯に、それぞれが独自の特色をもつポリスを、たくさんきずいていきました。

いっけんバラバラでつながりがないようにみえますが、かれらはそれなりに共通意識をもっていました。

その要因となったのが言語です。ギリシャ人はフェニキア文字からアルファベットを作成し、それを共通の言語であるギリシャ語として用いていました。

また、

・オリンピアの祭典
・デルフォイの神託
・ホメロスによる『イリアス』『オデュッセイア』
・ギリシャ神話

などのお祭り・宗教・詩・神話などを、ギリシャ人全体で共有していました。

同じ言語や文化を、みなが知っていることで、ギリシャ人のあいだで共通意識をたもっていたわけです。

ちなみに、いまも開催されるオリンピックは、このときの「オリンピアの祭典」に由来します。

もともとは、ギリシャ神話の最高神ゼウスをまつる神事でした。競技の開催中は、ポリス同士の戦争も禁止されました。そのために、オリンピックは平和の祭典とよばれているわけです。

奴隷制

ポリスでは、奴隷制がふつうでした。

個人が所有し、家内奴隷もたくさんいました。たとえば、ポリスのひとつアテネでは、人口の 1/3 が奴隷の身分でした。

奴隷となるのは、

・債務者
・戦争捕虜
・買われた異民族

の人たちで、かれらが奴隷の供給源となっていました。

奴隷制がもっとも発達してアテネでは、個人所有の奴隷が普通であった。その数は総人口の1/3にものぼり、家内奴隷・農業奴隷としてもちいられたほか、手工業やラウレイオン銀山の採掘などにも、多数従事させられた。(p.36-37)

─ 『詳説 世界史研究』

海外交易

ポリスでは、人口増加によって、海外各地に植民市がつくられていきました。

海洋交易がさかんだったため、場所は、おもに地中海沿岸や黒海沿岸の低地帯でした。

代表的な植民市としては、

・ビサンティオン(現イスタンブール)
・シラクサ(現シチリア)
・ネアポリア(現ナポリ)
・マッサリア(現マルセイユ)

などが有名です。

平民の台頭

奴隷制がふつうだったことからもわかるとおり、ポリスでは王政をとっていました。

そんななか、小アジアのリディアから金属貨幣がひろまり、商工業が発展すると、平民(農民)がだんだん豊かになっていきます。

それにより、ポリスを防衛するための武具を、自分で購入できる者が増えて、同時に、重装歩兵部隊に参加する平民も増加します。

すると、ポリスの貴族たちも、かれら平民の軍事力をたよりはじめ、結果、重装歩兵がポリス軍の主力となっていきます。

しかしこうなると、平民からすれば「ポリスを守っているのは自分たちだ」という意識がめばえ、支配層である貴族にたいして参政権を要求するようになります。

ここに平民 vs 貴族の身分闘争がうまれ、以後、両階層の対立は激しさを増し、ときには平民が反乱や暴動をおこすなど、どのポリスでも頭のいたい問題になっていきます。

おわりに

ギリシャのポリスをみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・集住(シノイキスモス)
・アクロポリス
・アゴラ
・オリンピアの祭典
・デルフォイの神託
・ヘレネス
・バルバロイ
・『イリアス』&『オデュッセイア』
・重装歩兵
重要人物
・ホメロス
ポイント
・アテネをはじめ古代ギリシャのポリスでは、重装歩兵として国防を担っていた平民が、貴族にたいして参政権を要求していった

この記事が、ギリシャのポリスを知りたい人の参考になれば、うれしいです。

では、また。