どうも、りきぞうです。
大学のころから、文学に親しんできました。
大学院時代〜社会人時代にかけても、ひんぱんに作品にあたってきました。
古典作品については、300本以上、読んでいます。
なかでも、ドストエフスキー作品には、楽しませてもらいました。
同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。
とはいえ、
・たくさんありすぎて、どれから読んだらいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?
─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。
そこで、この記事では、おすすめのドストエフスキー作品をあげていきたいと思います。
結論を先にいうと、つぎのとおり。
りきぞう
・おすすめは『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の3本
・短編なら 『ボボーク』『やさしい女』、中編なら『永遠の夫』が Good
いまのところ、ドストエフスキーの小説は、ぜんぶ「約20作品」。
主著は、つぎのとおり。
・『地下室の手記』(1864年)
・『罪と罰』(1866年)
・『賭博者』 (1866年)
・『白痴』(1868年)
・『永遠の夫』(1870年)
・『悪霊』(1871年)
・『ボボーク』(1873年)
・『やさしい女』(1876年)
・『カラマーゾフの兄弟』(1880年)
おすすめは『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の3本です。
「五大長編」のうちの3つで、どれも有名ですね。
とくに『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の2本は、すべての海外文学のなかでも、トップ5に入ると思います。
それくらいインパクトのある作品です。
いっぽう長編のイメージのあるドストエフスキーですが、短編もなかなかおもしろいです。
なかでも、『ボボーク』『やさしい女』の2本は、物語の設定&思想が、オリジナリティにあふれ、たいへん魅力的。
中編については、『永遠の夫』が、味わいぶかい文体で、じっくり物語にむきかえるかんじです。
以下、それぞれの作品にたいして、[あらすじ → ひとこと]の順でみていきます。
ドストエフスキー作品を読むうえでの参考にしてみてください。
ちなみに、キホン「亀山訳」で、一部はほかの訳者さんで読みました。
いまからだと、やはり亀山訳がベストかなぁと思います。
言い回しが自然で、日本文学のように読めるからです。
目次
『罪と罰』
出版年 | 1866年 |
構成 | 全6部 |
ドストエフスキー中期の作品です。
あらすじ
貧乏学生「ラスコーリニコフ」は、学費をはらうのも、やっと。
ぎりぎりの生活をおくるかれだったが、こころのなかで、〝ある企み〟を計画していた。
それは金貸しの老婆を殺して、金品を奪うこと。
いっぽうで、みずからの良心が、そのプランに歯止めをかけ、ふんぎりがつかないでいた。
ジレンマをかかえながら、ラスコーリニコフは、金貸し老婆のもとをおとずれるが……。
ひとこと
言わずとしれた、ドストエフスキーの代表作。
タイトルからして重々しく、難しいかんじがします。
けれど、事前にあらすじを知って読めば、わりとすんなり物語に入っていけます。
とくに亀山訳は、一般小説のような文体で、ぐいぐい読みすすめることができます。
思想・哲学とか考えずに、ミステリー小説として接するのが、楽しむコツです。
『悪霊』
出版年 | 1871年 |
構成 | 全3部 |
ドストエフスキー後期の作品です。
こちらも一般に、4大長編のひとつとされます。
あらすじ
悪の権化「スタヴローギン」を中心に、社会主義運動にかかわる〝同士たち〟が暗躍 ─ 。
ロシアのある地方都市を、恐怖の渦に巻き込んでいく。
ひとこと
さまざまな「悪」を描くドストエフスキーですが、主人公「スタヴローギン」こそが、全作品のなかで、いちばん残虐かなぁと思います。
とくにラストの「告白」の節は、あまりに過激な内容だったので、公表が見送られたほどでした。
はなしのインパクトでいえば、『カラマーゾフの兄弟』以上です。
いっぽう『悪霊』の難点は、出だしがやたら長いこと。
ストーリーにあまり関わらない「ステパン氏」のはなしが、ウダウダつづきます。
さいしょは、けっこうガマンさせられます。
ここ退屈さをのりこえると、ドライブ感をもって、物語に入っていけます。
『カラマーゾフの兄弟』
出版年 | 1888年 |
構成 | 全4部 |
ドストエフスキー後期の小説。
文句なしに、かれのベスト作品です。
あらすじ
・イワン
・アリョーシャ
の3兄弟をめぐる物語。
かれら父親の殺害を軸に、物語が展開していきます。
ひとこと
・プロット
・キャラクター
・セリフまわし
など、小説をおりなす要素が、みごとに調和し、一大巨編をきずいています。
ショージキ、『カラマーゾフの兄弟』を読むと、ほかの小説が〝かすんで〟みえてしまうほどです。
個人的にも、500作品以上読んできたなかで、トップ5にはかならず入ります。
文庫4冊分と分量もけっこうあります。
ですが、のってくると、一気に読めてしまえます。
こちらもまずは、思想・哲学などを考えずに、ひとつのミステリーとして読むのが、楽しむコツです。
『ボボーク』&『やさしい女』
出版年 |
『ボボーク』:1873年 『やさしい女』:1876年 |
目次 | 各全1章 |
ドストエフスキー後期の作品です。
どちらも、かれが発行していたジャーナルの1作で、短編小説です。
ドストエフスキーというと、4大長編のイメージがありますが、じつは短編も、ぶっ飛んでいて、おもしろいです。
『やさしい女』は、飛び降り自殺した女性をめぐるおはなし。
なぜかのじょは自殺することになったのか ─ その真相について、客観的かつ思想的に記述していきます。
ミステリー要素もありつつ、いろいろ考えさせる内容になっています。
いっぽう『おかしな人間の夢』は、墓場にふらりとやってきた男のはなし。
夜中ぶらぶら墓のまわりを歩いていると、墓跡のなかから死者の声が聞こえてくる ─ それも生きていたときと変わらず、グチや不満ばかり。
その〝どうしようもなさ〟に、主人公があきれつつ、人生を考えるおはなし。
はなしの設定がおもしろく、ドストエフスキーの人生観が透けてみえるかんじがして良いです。
どちらも、30分もあれば読めるので、長編でつまづいた人が、手にとると良いかもです。
『永遠の夫』
出版年 | 1870年 |
構成 | 全3章 |
ドストエフスキー中期〜後期の作品。
偉大な長編のかげにかくれ、マイナーな部類に入りますが、個人的には、かなり好きです。
「永遠の夫」とは、くだけた表現でいえば「万年亭主」といったところ。
つまり、妻に浮気されながらも、夫婦関係に〝しがみつく〟夫が、主人公のおはなしです。
これだけでもおもしろいですが、ドストエフスキーは、浮気された夫を、じっさいに浮気相手の視点から描いているところ。
それにより、どれだけ妻に依存しているか、引いた目線で、見ることができます。
このあたりの描写方法は、ほんとにうまいなぁと思います。
分量もほどよく、1日もあれば、読めてしまえます。
長編に疲れたら、手にとるのが良いと思います。
まとめ
まとめると、
りきぞう
・おすすめは『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の3本
・短編なら 『ボボーク』『やさしい女』、中編なら『永遠の夫』が Good
ぜひ、ドストエフスキー作品を読むうえで、参考にしてみてください。
ではまた〜。