どうも、リキゾーです。
これまで、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。
働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。
いろいろ働いてきて、いつも気になっていたのは、仕事のスキルについて。
「AI がいまの仕事を奪う」というテーマを背景に、〝スキルの陳腐化〟が話題になっていますね。
堀江さんものべているとおり、AI をつかえば、カンタンなニュース記事は書けてしまい、さらにいえば、速報記事なら、人よりもすばやく伝えられるそうです。
となれば、ライティングスキルは不要になるかもしれません。
こんなはなしをきくと、「自分のスキルは不要になるのか……」と不安になったり、「これから仕事をつづけるうえで、どんなスキルを身につければいいんだろう?」とギモンをもつ人がいますよね。
「んなわけないだろ……」と反発する人もいるでしょう。
とはいえ、そんな問いかけや反発にたいして、わたしは「そもそも、どのスキルうんぬんのまえに、いまのネット社会では、スキルそのものが陳腐化しやすいじゃないか」と思っています。
きょうはこの点についてのべていきます。
目次
ネット社会ではスキルは陳腐化しやすい
くりかえすと、いまのネット社会では、スキルは陳腐化しやすい。
インターネットがひろがる世の中では、特定の技能を身につけたとしても、スキル自体の価値は下がりやすいんですね。
その理由は、つぎのとおり。
- スキルの習得 & 利用がカンタンだから
- いま必要なスキルは、情報がメインだから
ひとつひとつ説明します。
スキルの習得 & 利用がカンタンだから
どうしてカンタンになったかというと、ネットが普及したからです。
インターネットにより、ひとの交流が活発になり、スキルの習得 & 利用がカンタンになったんですね。
ネットが生まれる以前は、スキルを学ぶチャンスがひらかれていませんでした。
スキルを習得している人が少ないため、技能をもっている人の市場での価値は高いままでした。
しかしネットの登場で、どんなところにいても、技術を学べるようになりました。
スキルを習得する人が増えれば、相対的に、技能そのもの価値は下がります。
くわえて、ネットがひろまる前は、買い手サイドからみても、スキルをもつ人を見つけにくく、利用しにくかった。
そのため利用料金も高く、技能者の市場価格は高いままでした。
それがネットにより、スキルをもっている人に触れる機会が増えて、より安いところの依頼できるようになりました。
これにより、相対的に、技能そのものの価値を下げるようになりました。
つまり、スキルの習得 & 利用がカンタンになったことで、スキルが陳腐化しやすくなりました。
これが一つ目の理由です。
いま必要なスキルは、情報がメインだから
二つ目の理由は、いまのネット社会で求められているのは、情報スキルだからです。
いまの産業は情報がメインで、それにともなうスキルが必要とされています。
ココが悩ましいところで、情報スキルそのものが、技能を陳腐化させる要因になっています。
情報スキルの特徴をまとめると、つぎのようになります。
- コストをかけずに伝達できる
- すばやく伝えられる
- カンタンにコピーできる
取りあつかうものが情報で、さらにインターネットが普及しているので、低コストで、すばやく、コピーもカンタンにできるんですね。
これらの特性からわかるとおり、相対的にスキルの価値を下げる要因がふくまれています。
たとえば、「コストをかけずに伝達できる」となれば、そのぶんスキルを習得する人が増えて、技能そのものの価値は低くなります。
「すばやく伝えられる」というのも同じで、学ぼうとする人が少なくても、伝わるスピードが速ければ、あっというまにひろまり、スキルそのものの価値は下がります。
「カンタンにコピーできる」については、いわずもがなですね。みんながもっているスキルに価値はつきません。
いっぽうで、工業のような産業だと、こんなことはおきません。
たとえば、工場を建てるにしても、膨大なコストがかかります。
情報産業なら、サーバーとパソコンがあれば、済むが、どんなに小さい工場でも、機械一台にめちゃくちゃ費用がかかります。
キルの伝達も、キホンは対面でおこなうため、まわりにひろがるスピードはおそい。
自動車を組み立てる技能を、書類上でおこなうわけにはいきませんよね。
コピーについても、たしかに先輩や上司のスキルをまねて身につけていくが、習得するまでに時間がかかる
カンタンに複製はできません。
農業や工業での技能とくらべてみるとわかりますが、情報スキルそのもののなかに、仕事のスキルを陳腐化させる要因がふくまれているんですね。
スキルの陳腐化にどう対処するか?
情報産業をメインにしたネット社会では、スキルの陳腐化は避けられません。
工業型に産業にもどることもありません。
しばらくは情報を軸にした産業はつづき、それにともなうスキルが求められるでしょう。
では、こんな状況にどう対処すればいいんでしょうか。
これといった解決策はありませんが、とりあえず態度としては、つぎの二つです。
- ひとつのスキルに固執しない
- スキルを活かしつつ、個人の価値を高める
ひとつひとつ説明します。
ひとつのスキルに固執しない
うえでみたとおり、スキルの陳腐化はおこりやすくなりますが、かといって、あらゆる技能が無価値になるとことではありません。
そのときどきで、高単価のスキルは存在します。
いまでいうなら、プログラミングスキルが典型です。
問題は、ある時点で価値の高いスキルに固執することです。
くりかえしますが、情報産業を軸としたネット社会では流動性が激しいので、どんなに〝うやまわれる〟技能でも、すぐに習得されたり、マネされたりするので、陳腐化しやすくなります。
なので、たとえ需要のあるスキルであっても、いっきに「ほしい」という人が減っていきます。
例にあげた、プログラミングスキルだって、いま以上に世界的にマスターする人たち増えれば、相対的に価値が下がります。
じっさいに、html や css など、カンタンなコードを書くだけなら、AI に任せようとするはなしが出ていて、それに取り組んでいる企業もあらわれています。
というわけで、ひとつのスキルに固執せずに、そのときどきに求められるスキルを学ぶ態度がたいせつになります。
スキルを活かしつつ、個人の価値を高める
もうひとつは、個人の価値を高める姿勢です。
そのときどきで、価値のある(or ない)スキルはありますが、もしそのスキルをあつかう〝ひと〟に人気があれば、十分やっていけます。
同じように「パンを焼く」にしても、名のとおった料理人と、名無しの料理人では、価値がちがいますよね。
つまり、個人のブランドをスキルに上乗せして、そのひと全体の価値を高めることができます。
これまた情報型ネット社会の特徴ですが、いまは SNS や YouTube など、単独であっても、低コストで個人にかんすることを発信できるようになっています。
情報スキルを活かしつつ、自分のアイデアやライフスタイルを伝え、個人の価値を高める──。
そんな姿勢でもって、スキルの陳腐化に対処できます。
まとめ
〝スキルの陳腐化〟についてのべてきました。
情報型のネット社会では、仕事のスキルは陳腐化しやすくなります。
AI などが普及すれば、ますますその傾向は高まるはずです。
とはいえ、その対処するツールも目のまえに用意されていて、〝なにをすればいいのか〟その方向性も示されています。
ショージキ、あとは乗り出すか / とどまるか──ノリのちがいだけなので、不安がったり、失望するような状況でありません。
そのときどきのスキルをキャッチして、自分なりの考え方や生活あれこれを発信すれば、なんとかなりそうです。
あとは腐らずに、コツコツとアウトプットしていきましょう。
ではまたー。