どうも、コント作家のりきぞうです。
ここでは、コントのプロットについて説明していきます。
コントの特徴は、ドラマ・映画とちがい、短いことです。
フツーは、3分〜5分くらいで、10分をこえるとそこそこの長さになります。
30分をこえると「長尺コント」とよばれ、めったに作られることはありません。
そのため、コントのプロットはじつにシンプルです。
時間に限りがあるので、フクザツで細かいストーリーは組めません。
どうしても単純なものになります。
劇作家「別役実」は、コントの基本構成は
だと主張しました。
どんなに斬新なコントでも、プロットについては、すべてこの枠におさまります。
以降、かれの意見をふまえつつ、コントの基本構成について、よりくわしくみていきます。
また、コントのプロットを考えるうえで、もうひとり大事な人物を紹介します。
脚本術でおなじみでの「シド・フィールド」です。
かれの本は、脚本家なら一度はチェックしているはず。
対象は映画ですが、別役実のフレームにつうじるトコがあります。
コントにも応用できます。
以下、ふたりの考えをベースに、コントのプロットについてみていきます。
目次
コントの基本構成
くりかえすと、コントの基本構成は、
です。
まずは、「設定」 ─ 。
なにかしらの状況に人物をおき、性格 or まわりとの関係性を描きます。
つぎに、「展開」 ─ 。
環境を変化させることで、人物のキモチ or まわりの状況に波乱をおこります。
それにともない、登場人物が〝アタフタ〟をするようすをみせ、ここで笑いを引きおこします。
さいごに、「オチ」 ─ 。
はじめとは、べつの状況・状態へと移すことで、はなしを締めくくります。
…
この3ステップは、シド・フィールドの「脚本フレーム」と共通しています。
かれのいう枠組みは、つぎのとおり。

映画のストーリーは、大きくわけて、
の3幕から成り立っています。
まずは「序盤」の状況設定 ─ 。
ここでは、
・登場人物の性格
・各人物のバックボーン
などが、大まかに描かれます。
つぎに「中盤」の葛藤 ─ 。
この段階では、
・人物が、困難な状況におかれる
などのようすが描かれます。
いくつかの課題・難題に直面し、〝右往左往する姿〟が描かれます。
さいごに「終盤」の解決 ─ 。
ここでは、
・まわりの助け・企み
をつかい、課題・困難を乗りこえるようすが描かれ、エンディングをむかえます。
このながれは、コントも同じです。
はじめの「設定」で、キャラクターの性格や、まわりの人間関係を描く。
つぎの「展開」で、ある人物の状況を変化させ、悩みや葛藤を引き起こし、課題を克服させる。
さいごの「オチ」で、はじめとは、べつの状況・状態におとしていきます。
また、うえの図にある「ブレークポイント」とは、
・葛藤 → 解決
のように、それぞれが切り替わるキッカケ・できごとをさしています。
同じくコントにも、キッカケとなるできごと・事件はあります。
けれど、その種類・特徴については、厳密ではありません。
シド・フィールドは、キッカケとなるできごと・事件については、くわしく定義しています。
興味ある方は、チェックしてみてください。
設定・展開・オチ、それぞれの特徴
それでは、
・展開
・オチ
の段階で、それぞれなにを描くのか。
具体的にみていきましょう。
① 設定
尺の短いコントでは、登場させる人物は、2人 or 3人が限度です。
それ以上だと、はなしがおさまりにくい。
また、苦悩・葛藤におちいる人物は、1人にしぼるべきです。
ジレンマをかかえる人物が、フクスウいると、笑いのポイントが分散します。
結果、〝しまりのない〟作品になってしまいます。
くわえて、登場人物に葛藤をもらたすできごとも、1つにしたほうがベターです。
観ている側につたわりやすく、より笑いを引き起こすことができます。
② 展開
シド・フィールドは、映画において、「展開」「葛藤」がイチバンの〝見せ場〟だとしています。
コントも同じです。
「展開」が、笑いの〝良し悪し〟をきめます。
シロウトほど「オチ」ばかりに気にします。
けれどラストは、さほど重要ではありません。
「展開」がよければ、オチはなんとでもなります。
そのため、創作のさいには、ここにもっとも労力・時間をさくべきです。
とはいえ、コントの「展開」はそこまでフクザツではありません。
わたしの考えでは、「展開」は、「反転」「逆転」「交錯」の3パターンにすぎません。
こまかいコトは、こちらの記事に書いたので、チェックしてみてください。
カンタンにいうと、コントでいう「展開」は、
・人物の立場や地位がひっくり返る「逆転」
・正反対の状況におかれる人物が、まわりをだます or まわりに誤解される「交錯」
の3つです。
展開のパターンは3つしかありません。
これを知っておくと、コントをより深くみれるし、より作りやすくなります。
③ オチ
くりかえすと、オチはそれほど重要ではありません。
創作するさいには、「展開」に力をそそぐべきです。
さきにオチから考えても、おもしろいコントにはならず、ペンもすすみません。
この点をふまえ、オチではなにを描くべきか。
ひとつは、環境が変化させることで、登場人物の状況がどう変わったのか ─ そのようすをタンタンと描くことです。
たとえば大金持ちの人が貧乏になったり、夫婦で暮らしていた人がひとりで生活するようになったり。
「設定」で配置した環境や、まわりの人間関係がどう変わったのを描く必要があります。
また、外面の変化ではなく、内面の変化も描く必要もあります。
どちらかといえば、こちらを重視すべきです。
「うまいなぁ」と思うコントは、キモチの移り変わりをわかりやすくつたえます。
たとえば、カップルだった男が、シングルになって喜ぶのか悲しむのか。
ポストの座をついた人が満足するのか後悔するのか。
内面の変化を描くことが「オチ」ではたいせつです。
ちなみに、オチはできるだけで端的に終えるのがコツです。
たとえば、人物の一言であったり、「ト書き・一行」書けるくらいのできごとだったり。
ダラダラしていると、説明しているかんじにみえて、観てるほうはめちゃくちゃシラケます。
短ければ短いほど、良い。
そのためにも、展開をしっかり固めておく必要があります。
まとめ
笑いの「多様性」を考える人は、こういう形式化は好きじゃないかもです。
けれど、ドラマ or 映画のシナリオには「枠」があるように、コントにも「型」があります。
すべてのコントがこの「型」どおりにあてはまるわけではありません。
けれど、フレームを意識すると、コントを深くみれますし、よりスムーズに創作できます。
よければ参考にしてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。
