どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。
大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。
社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。
働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。
さいきん、動画コンテンツが熱いですね。
その中心地といえば、ご存知『YouTube』です。
芸能人をはじめ、各ジャンルの人たちが、じゃんじゃん動画をアップしはじめています。
有名人ではなくても、これからは『YouTube』を利用した、お仕事&マーケティングが必要になってきそうです。
自分も『YouTube』を理解しないとなぁ、と思っているとき、つぎの本を見つけました。
著者は、『YouTube』の副社長。
「元」ではなく「現」副社長です。
これまで『Netflix』など、動画業界を渡り歩いてきた方です。
現場で起きているコトをベースに、『YouTube』の特徴や未来について述べていきます。
また、人気 YouTuber へのインタビューをもとに、動画をアップするメリットや、成功するコツなども説明します。
「『YouTube』で成功する方法は?」
こんなギモンや悩みをもつ人には、おすすめ1冊です。
また、本書のさいごには、メディアクリエイターの落合陽一さんの解説がのっています。
日本の現状をふまえたうえで、YouTube の本質と未来をのべています。
目次
R.キンセル『YouTube 革命』の概要
目次は、こんなかんじ。
2章 ユーチューバーの誕生
3章 大手メディアから覇権を奪う
4章 オンラインコミュニティでファンを育てる
5章 ユーチューバーが社会を変える
6章 国境を軽々と越える
7章 見たことのないものを、見せてほしい
8章 おばあちゃんユーチューバー、世界一有名なキルト作家になる
9章 成功するユーチューバーの条件
10章 ストリーミングのマネタイズ方法
11章 あらたなジャーナリズムの担い手へ
12章 ユーチューバーが広告をつくる
13章 ジャスティン・ビーバーの物語
14章 Z世代とYouTubeの未来
15章 次世代のエンターテイナー、教育者、指導者、起業家たちは世界中にいる
各章の内容は、つぎのとおり。
1章
YouTube をキッカケにしたメディアの変化について。
2章
テレビ業界のしくみと、YouTube による崩壊について。
3章
YouTube の特徴について。コンテンツよりも、コミニュティを重視点を指摘します。
4章〜7章
YouTube が社会・国家・生活を変える可能性について。
ゲイの人による動画配信や、アメリカの少女がインド人と気軽に交流する事例から、YouTube のチカラを説く。
8章
YouTube 成功のコツについて。
時間がない人は、ココだけでも読んでみたらオーケー。
9章
YouTube でのマネタイズ方法について。
「広告モデル」「課金モデル」など、動画配信するうえで、どんなふうに収益化すれば良いのか説明する。
10章
YouTube とジャーナリズムのカンケーについて。
11章
YouTuber と企業のタイアップについて。
12章
ジャスティン・ビーバーを例に、YouTube で「スター」が誕生するプロセスについて述べる。
13章
これからの子どもと、YouTube の付き合い方について。
子どもをもつ親御さんなどは、ここから読むと良い。
全体として、事例が豊富で、YouTube の現状がよく理解できます。
なぜテレビは衰退し、YouTube での勢力が増すのか──。
現場で起きているコトをベースに説明しているので、たいへん説得力があります。
キホン、どの章からでも読めるので、目次をみて、気になったテーマから、チェックしていけば良いと思います。
R.キンセル『YouTube 革命』で気になったトコ
以下、引用をのせつつ、気になった箇所についてコメントしていきます。
YouTuber が生まれた要因
「スター」から「底辺」まで、さまざまな YouTuber がいます。
レベルはいろいろですが、そもそも YouTuber なるものが誕生したのは、つぎの3つが要因になっています。
- ① 定期報酬
- ② 無料配信
- ③ 高性能カメラ
すこしみていきます。
① 定期報酬
『Instagram』や『Twitter』など、さまざまな SNS プラットフォームがあります。
そのなかで YouTube は、クリエイターへの報酬が高い。
企業広告から得た収益を、作り手に多く還元しています。
それにより、YouTube だけで生活できる人たちが増えて、YouTuber なる職業が誕生しました。
底辺の人たちからすれば「ウソつけ!」と文句がつきそうですが、じっさいそういう職業が生まれただけでも驚きなわけです。
私たちは毎月、世界中の何百万人ものクリエーターの口座に送金する。その金がストリームパンクのキャリアをスタートさせる助けとなる。それが動画を趣味から商売に変える。それがエンターテインメント界でのキャリアを、コネと運に恵まれた人だけのものではなく、ほぼすべての人に開かれた道に変える。(0523)
② 無料配信
15年まえなら、個人が動画配信なんて考えられませんでした。
サーバーのコストがかかり、通信速度も遅く、観てる人にコンテンツを届けられなかったからです。
それが YouTube をキッカケに、だれもがタダで動画配信をおこなえるようになりました。
並行して、通信回線の精度もよくなり、ユーザーも負担なく、視聴できるようになりました。
③ 高性能カメラ
スマホをはじめ、カメラ機材の性能がグンとアップしました。
最新版のスマホを買えば、ちょっとした映画くらいなら撮影できてしまいます。
お手頃な値段でカメラをゲットでき、気軽に、キレイな画像を配信できる──。
ラストの理由は、コレです。
これら3つの要因が重なり、動画配信が身近になり、YouTuber なる職業が生まれました。
無料配信、定期収入を得る機会、高性能カメラ──これら三つの要因すべてが揃って、クリエーティブな才能を持った作り手が新たに大量に登場した。(0551)
コンテンツの細分化
大きな視点で、メディアの歴史をみれば、いまの YouTube 現象は、目新しいものではありません。
これまでも、総量の多いコンテンツが〝細切れ〟にされ、さまざまなジャンルに分かれていった事例はあります。
たとえば、「ペーパーバック」です。
それまで、分厚い書物の形式で「小説」「教養書」を読んでいました。
しかし、大戦をキッカケに、戦地で本を読む兵士が増えたことで、書物は小型化していきました。
ここにペーパーバックが生まれ、さらに、コンテンツの内容も、より手軽に、すぐに読めるものが主流になりました。
第二次世界大戦中、海外で戦っている兵士を楽しませようと、ハードカバーより軽くて持ち運びやすいペーパーバック本を政府が大量に注文するようになった。そうした本の需要により、読書は新たな時代に入り、ミステリやSFといった新しいジャンルが生まれ、古典を読む人は少なくなった。(0598)
これと同じような現象が、映像&動画の世界で起きています。
ユーザーの視聴環境が変化したことで、コンテンツの質も変わってきているのです。
より小さく、細かく、その場で消費できる内容が増えています。
〔……〕動画の視聴回数では、YouTube の特性をとらえきれない。視聴回数を数えるということは、プラットフォームにとって大事なのは、多くの人が一回は観るものは何かということだと示唆している。しかしオンライン・ビデオの本当の潜在力は、人々が観たくなるものは何かではなく、そのクリエーターの他の動画を観たくなり、〝気に入った〟のボタンを押し、あたたかいコメントを書き込み、次の動画を見逃さないよう会員登録して、さらにはTシャツを買ったりファンミーティングに参加したり、はたまた自分で動画をつくりたいという気持ちにさせることにある。(0788)
成功する YouTuber とは?
YouTube での評価基準をふまえれば、成功のコツは、何となく見えてきます。
「親しみ」をもってもらうように、ちゃんとファンを大切にすることです。
そのためには、自分の性格を、ストレートに表すのが大事です。
伝わりやすさなど、表現方法の工夫は必要ですが、それ以上に、あなたのスタイルやキモチを貫くのが大切です。
キャラを演じたりすると、どうしても「ニセモノ感」が伝わります。
それだと「親しみ」が生まれません。
自分なりの「色」や「個性」を自覚して、そのままのカタチで表現するのが大切です。
ムズかしいですけどね(笑)
また、ファンの声やコメントに、ちゃんと応えることも大切です。
たとえば、定期的に「オフライン・イベント」を開催したり。
1つのコミニュティをつくるつもりで、ファンとの距離を縮めていきます。
おわりに
さいしょにのべたとおり、「5G」をむかえるにあたり、どのジャンルの人たちにとっても、動画コンテンツの利用は避けられません。
なかでも『YouTube』は、重要なプラットフォームです。
視聴するにせよ、動画をアップするにせよ、歴史・特徴・未来について、あるていど理解しておく必要があります。
本書は、いまの副社長が書いているもので、とてもリアリティがあり、納得できるエピソードばかりです。
ぜひチェックしてみてください。
ではまた〜。