セネカ ─ おすすめの作品・本 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、哲学に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・哲学書にあたってきました。

なかでも、セネカの著作には、感銘を受けました。

同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。

とはいえ、

・そもそも全部で何作品あるの?
・たくさんありすぎて、どれから読めばいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?

─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。

そこで、この記事では、おすすめのセネカ作品をあげていきたいと思います。

結論を先にいうと、つぎのとおり。

りきぞう

セネカの哲学書は、全部で約10作品
読むべき本は、『人生の短さについて』『幸福な人生について』『怒りについて』の3冊
こちら危害をくわえる人間関係に悩んでいるなら、『寛容について』がおすすめ

以下、概要&感想をのべつつ、読むべきセネカ作品を、5つあげていきます。

『人生の短さについて』

成立年 49年
構成 全8章

セネカ中期の作品です。

いまでもたくさんの人たちに読まれています。

テーマは、なぜ人生は、短く感じるのか。

セネカの親戚「パウリヌス」に宛てたメッセージという設定で書かれています。

読み手は、パウリヌスの立場になり、セネカのアドバイスを聞くかたちになります。

ムズかしい言葉もつかわず、文体もキビキビしていて、明確 ─ 。

かなり読みやすいです。

身近なテーマで、議論も実践的。

読めば、納得し、感銘を受けるはずです。

評価
長さ
(2.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(5.0)
おすすめ度
(5.0)

『幸福な人生について』

成立年 58年ごろ
構成 全28節

セネカ後期の作品です。

テーマは、タイトルどおり、幸せな人生について。

兄「アンナエウス」にあてる手紙という形式で書かれています。

まず、

幸せな人生 = 「自然」にかなった人生

と定義します。

そのうえで、「自然」のなかみについて掘りさげ、幸福な人生の特徴をあげていきまふ。

くわえて、

・徳/快楽の対比
・贅沢と幸福のカンケー

など、ふだんわたしたちが思いつきそうなギモンをあげつつ、セネカなりの意見を示していきます。

こちらも、かなりみじかで、実践的なはなしがつづきます。

読んだら、すぐにキモチをきりかえ、生活にとりいれることができる ─ これがセネカ哲学の魅力です。

こちらは、『生の短さについて』(岩波文庫)の1編として収められています。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『怒りについて』

成立年 41年ごろ
構成 全3巻

こちらも、セネカ中期の作品です。

テーマは、タイトルどおり、怒りついて。

「怒り」という感情・情念が、ひとりひとりにとって、むなしいものかを、説得するかたちでのべていきます。

無価値であるばかりか、人生に台無しにするほど、大きな実害・損害をあたえる ─ それこそが「怒り」であると、さとすように語っていきます。

理屈ばかりではく、歴史上の人物&できこどをまじえながら論じていくため、かなり説得力があります。

あきることなく、ぐいぐい読んでいけます。

読了後は、ふだんの心もちに変化がおこる ─ すばらしい哲学書だと思います。

評価
長さ
(2.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『寛容について』

成立年 56年ごろ
構成 全3巻(※ 1&2巻のみ現存)

セネカ中期の作品です。

テーマは、寛容性。

つまり、こちらに実害をあたえる人びとにたいする向き合い方 ─ 。

セネカは、もともと弁論家・政治家でした。

その後、(悪名高き)皇帝「ネロ」のブレーンの役まわりを担うことになります。

本書は、そのネロにあてた手紙という形式をとっています。

執筆時から、政敵である義弟を殺すなど、ネロは暴君として君臨していました。

そんなかれにたいして、

「国家・組織のリーダーとして「寛容性」をもってほしい」

と、おしえ、さとしとすのが、本書の内容です。

権力のある者が「寛容性」をしめすとき、そこに最大の喜びを見いだせる ─ 。

こう主張しながら、国家・組織のトップが、寛容をもつ必要性を訴えます。

遠くて、むかしの国のはなしをしているようですが、いまでも十分つうじる内容です。

チカラをもたずとも、こちらに実害を与えそうな人物&できごとにむけて、どう対処するのが良いのか ─ それを考えるキッカケとなる1冊です。

ただし残念なのは、これまで文庫本は出ていないこと。

『全集』にあたるしかありません。

アクセスの悪さが、ひとつネックです。

ちなみに『全集』版では、訳が「寛恕について」になっていますが、なかみは同じです。

評価
長さ
(2.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『心の安定について』

成立年 60年
構成 全1章

セネカ後期の作品です。

テーマは、精神の安定について。

日々、おだやかに過ごすコツを、セネカなりに考察したものです。

友人「セレヌス」にあてた手紙というかたちで書かれています。

「贅沢したい」「リッチな人が羨ましい」と述べる友人にたいして、

豊かなのは良いけど、それよりも、心の安定・ゆとりをもつほうが、よっぽど大事だよ、

と、さとすのが本書の内容。

個人的には「退屈にうちかつコツ」が参考になりました。

こちらは、『人生の短さについて』(光文社古典新訳文庫)の一編におさめられています。

セットで読むのが、おすすめです。

評価
長さ
(2.0)
難易度
(2.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

まとめ

まとめると、

りきぞう

セネカの哲学書は、全部で約10作品
読むべき本は、『人生の短さについて』『幸福な人生について』『怒りについて』の3冊
こちら危害をくわえる人間関係に悩んでいるなら、『寛容について』がおすすめ

ぜひ、セネカ作品を読むうえで、参考にしてみてください。

ではまた〜。