共和政ローマと内乱の一世紀 ─ 理由・平民派・いつから?

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・共和政ローマにおける「内乱の一世紀」について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・閥族派 vs 平民派
・同盟市戦争
・スパルタクスの反乱
・三頭政治
・アクティウムの海戦
重要人物
・マリウス
・スラ
・ポンペイウス
・クラッスス
・カエサル
・オクタウィアヌス
・レピドゥス
・アントニウス
・クレオパトラ
ポイント
・富裕層の増大&中小農民の没落は市民軍団の崩壊をまねき、軍隊が私兵化した結果、軍事力がものをいう「内乱の一世紀」へと突入する
・2回にわたる三頭政治とカエサルによる独裁をつうじて、共和政ローマは帝政へと、じょじょに移行していく

この記事では、つぎの本を参考にしました。

以下、目次に沿って、みていきます。

内乱の一世紀① ─ 閥族派 vs 平民派

軍人 スラ

グラックス兄弟の改革が失敗したのち、ローマ国内の経済格差は広まり、富裕層と平民層の対立は激しさを増していきます。

それにともない、政治をになう支配層のあいだでも勢力が分かれていきます。

閥族派 vs 平民派

の対立です。

閥族派とは、元老院の権威をおもんじる派閥のことです。いっぽう平民派は、その名のとおり、平民会を重視する派閥のことです。

それぞれの派閥には、有名なリーダーがあらわれます。

閥族派 → スラ
平民派 → マリウス

です。

ふたりはライバル関係にあり、政治権力をめぐり、さまざまなかけひきをくりひろげます。

平民派のマリウスは、軍の制度を改革します。無産市民となった人びとに武器をあたえ、マリウス直属の軍隊として保有します。

この施策は画期的で、以後ローマでは、軍隊の私兵化が、ふつうとなります。

マリウスは自分の軍隊をもつことで、貴族階層の支持をあつめるスラと、対立しました。

スパルタクスの反乱

またローマ国内だけでなく、征服した属州でも、さまざまな問題がふきあがります。

まず、同盟市戦争とよばれる大規模な反乱がおこり、その結果ローマは、市民権をイタリア半島全域にあたえるのをよぎなくされます。

さらに、ギリシャのスパルタでは、剣闘士による大きな反乱がおこります。スパルタクスの反乱です。

反乱の鎮圧のために、軍の遠征がなされ、それにより私兵をひきいる軍人の影響力が、ますます高まることにつながります。

内乱の一世紀② ─ 第一回三頭政治

(左から)ポンペイウス、クラッスス、カエサル

こうして国内&海外ともに混乱期をむかえるローマは、資本力と軍事力がもの言う時代へと突入していきます。

そのなかで頭角をあらわしたのが、

・ポンペイウス
・クラッスス
・カエサル

の3人でした。

彼らは、私的な同盟を組んだうえで、元老院に対抗します。

このときの体制を三頭政治とよびます。

みずからの威信を高めるため、カエサルはガリア遠征にむかい、いまのドイツあたりに住むケルト人やゲルマン人を征服し、平定します。

いっぽう、クラッススもポンペイウスも、カエサルと同じく、ローマ国内での人気を高めるため、自分たちの軍隊をひきいて、海外遠征に乗りだします。

クラッススは戦死で亡くなるものの、ポンペイウスは戦果をあげつづけ、市民から夏列な支持をうけます。

元老院からも支持されたポンペイウスにたいして、権力をうばれることを焦ったカエサルは、ガリアからの凱旋を口実に、ローマ市内にむけて軍をすすめます。

この動きは元老院から許可がないために〝進軍〟を意味するものでした。

しかしカエサルは、ローマでの人気をたより、そのまま兵をすすめます。

このとき、ルビコン川を渡ったときに放たれたのが「サイは投げれた」というセリフです。

予想どおり、ローマ市民はカエサルを熱烈な歓迎でもってむかえます。反対にポンペイウスは、追われる身となってしまい、そのままエジプトの地で亡くなることになります。

しかしカエサルも、ライバルふたりを追いおとし終身独裁官の地位をめざしたことで、共和派のブルートゥスにより暗殺されてしまいます。

内乱の一世紀③ ─ 第二回三頭政治

アクティウムの海戦

その後、カエサルの立場をひきついだのが、甥のオクタウィアヌスでした。

彼は、叔父の二の舞にならないよう、独裁官はめざさず、慎重にまわりと協力関係をむすびます。

まずは、

・レピドゥス
・アントニウス

と手をくみ、カエサルと同じく、第二回三頭政治をおこないます。

その後、元老院の支持をとりつけながら、ローマ国外での争いで戦果をあげていきたす。

しかし、さいしょの三頭政治と同じく、3人のあいだで亀裂が生じ、三者は牽制し始めます。

レピドゥスが亡くなったのをきっかけに、アントニウスとオクタウィアヌスの対立は激化します。

さいごは、エジプトの女王クレオパトラを支援をうけたアントニウスと、オクタウィアヌスはアクティウムの海戦で戦い、勝利をおさめます。

クレオパトラの失脚によりプトレマイオス朝も滅亡し、エジプトもローマの属州となります。

これによりヘレニズム時代は終わりをつげ、ローマが地中海世界を統一したことで、新たな歴史の幕が上がることになります。

ローマ国内でも、元老院の意向は反映されず、共和政から帝政へと移っていきます。

おわりに

共和政ローマにおける「内乱の一世紀」をみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・閥族派 vs 平民派
・同盟市戦争
・スパルタクスの反乱
・三頭政治
・アクティウムの海戦
重要人物
・マリウス
・スラ
・ポンペイウス
・クラッスス
・カエサル
・オクタウィアヌス
・レピドゥス
・アントニウス
・クレオパトラ
ポイント
・富裕層の増大&中小農民の没落は市民軍団の崩壊をまねき、軍隊が私兵化した結果、軍事力がものをいう「内乱の一世紀」へと突入する
・2回にわたる三頭政治とカエサルによる独裁をつうじて、共和政ローマは帝政へと、じょじょに移行していく

この記事が、共和政ローマにおける「内乱の一世紀」を理解するさいの参考になれば、うれしいです。

では、また。