帝政ローマとキリスト教 ─ 迫害・公認・国教化

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・帝政ローマとキリスト教の関係について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・メシア
・使徒
・『新約聖書』
・コイネー
・アナタシウス派(三位一体説の立場)
・アルウス派
重要人物
・ペテロ
・パウロ
・コンスタンティヌス帝
ポイント
・ローマ帝国はミラノ勅令でキリスト教を公認し、ニケーア公会議でアタナシウス派を正統とした

この記事では、つぎの本を参考にしました。

以下、目次に沿って、みていきます。

ローマとキリスト教① ─ イエスの形式主義批判

イエス・キリスト(出典:wiki

布教活動を始めたイエスは、ユダヤ教の形式主義を批判しました。

具体的な相手は、パリサイ派などです。

ユダヤ古来の選民思想をしりぞけ、神の絶対性と隣人愛を説きます。

信仰のさいごには、救世主(メシア)がおとずれ、人びとを救済すると、説教しました。

救世主をギリシャ語で「キリスト」ということから、イエスの説いた教えは「キリスト教」とよばれるようになっていきます。

しかし、あまりに過激な教えだったことから、ユダヤ教徒のうらみをかい、ユダヤの祭司たちは、ローマ総督ピラトに訴えます。

その結果、イエスは処刑されますが、弟子たちによって、「イエス復活」をはじめ、イエスの教えはひろまり、キリスト教が形成されていきます。

ローマとキリスト教② ─ 使徒ペテロ&パウロ

ペテロ(出典:wiki

なかでも、使徒とよばれる者たちの伝道が、キリスト教の普及に大きく貢献しました。

有名なのは、ペテロパウロで、ふたりは異邦人の信徒ながら、各地をわたりあるき、教会をきずいていきます。

さらに、2世紀〜4世紀にかけて、イエスの教えをのべた『新約聖書』が記されます。『新約聖書』は、コイネー(標準ギリシャ語)によって書かれました。

ローマとキリスト教③ ─ 帝国による弾圧

ローマ大火でのキリスト教徒の迫害(出典:wiki

ますます増えるキリスト教徒に、ときのローマ帝国は警戒感をしめします。

無実の罪をなすりつけたネロ帝(64年)にはじまり、ディオクレティアヌス帝のころには、強い弾圧や迫害をくわえるようになります。

そんな不遇な環境下でも、キリスト教徒は、カンタコンベとよばれる地下空間で活動をおこない、信仰をたもっていました。

ローマとキリスト教④ ─ 帝国による公認

ニケーア公会議を表したイコン(出典:wiki

ふくれあがるキリスト教徒をまえに、これ以上おさえつけることはできないと判断した帝国は、軟化の態度をみせはじめます。

コンスタンティヌス帝のときには、ミラノ勅令を出し、キリスト教を公に認めました。

そのさい、キリストの教義について論争があり、

・アタナシウス派
・アリウス派

の2派に分かれていました。

帝国は、ニケーア公会議でアナタシウス派を正統として、アリウス派を異端としました。

以後、アナタシウス派は三位一体説を確立し、アリウス派は、さまざまな変遷をだとり、ゲルマン人の世界へと広がっていきます。

帝国内にキリスト教が浸透していくなか、ユリアヌス帝が異郷復興を図ろうとします。けれど時代の流れから、彼の試みは失敗におわり、「背教者」の汚名をきせられます。

帝国末期のテオドジウス帝のころには、キリスト教が強制され、ほかの宗教はいっさい禁止とされます。彼の治世のときには、正式にキリスト教は国教として認められます。

ローマとキリスト教⑤ ─ 正統と異端

さいごに、正統と異端の流れをみていきます。

エフェソス公会議では、イエスの神性/人性を分けるネストリウス派は異端とされ、ローマ帝国内から追放されます。

しかしネストリウス派は、東方のササン朝ペルシャへ伝わり、中国の唐では景教として知られるようになりました。

またカルケドン公会議では、アナタシウス派の三位一体説が確立し、はんたいに、イエスの神性のみを認める単性論は異端とされます。

単性論もまた、帝国内から追放されるものの、シリア&エジプト方面に伝わり、帝国東部で広まっていきます。

おわりに

帝政ローマとキリスト教の関係についてみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・メシア
・使徒
・『新約聖書』
・コイネー
・アナタシウス派(三位一体説の立場)
・アルウス派
重要人物
・ペテロ
・パウロ
・コンスタンティヌス帝
ポイント
・ローマ帝国はミラノ勅令でキリスト教を公認し、ニケーア公会議でアタナシウス派を正統とした

この記事が、帝政ローマ時代を理解するさいの参考になれば、うれしいです。

では、また。