古代インドの新宗教 ─ ウパニシャッド哲学・仏教・ジャイナ教

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・古代インドの新宗教について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・ウパニシャッド哲学
・ブラフマン
・アートマン
・仏教
・ジャイナ教
重要人物
・ガウダマ=シッダールタ
・ヴァルダマーナ
ポイント
・クシャトリア&ヴァイシャ階層の力が増し、社会不安とバラモン教への不満から、仏教などの新宗教がうまれた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

古代インドにおける新宗教成立の背景

クシャトリヤの想像図

アーリヤ人がインダス川流域に進出して以降、稲作農業&商工業が発展します。

それにより、貧富の差がひろがり、世の中のしくみが大きく変わります。

それまで〝一段下〟とみなされていた、クシャトリアやヴァイシャが経済力を背景に台頭します。

かれらは、バラモンが牛耳る宗教に、たいへんな不満をいだいていました。

慣例どおりの教義をくりかえし、階級上の利益をもらっているわりには、自分たちに役立つ教えを、まったく説こうとしないからです。

つまり、揺るがない階級をいいことに、バラモンたちは、その立場に〝あぐらをかいて〟しまったわけです。

クシャトリア&ヴァイシャは、寄進などをつうじて、バラモンの面倒をみていました。かれらから不満の声があがるのも、当然です。

また、農業&商業が発展したことで、各地域に都市国家が乱立します。

当然、思想上でも、各都市はバラバラな意見や言い分をのべたりします。

新たな国家統一の理念を求める声が、日に日に高まっていました。

こうして、

・バラモン階層の腐敗
・都市国家の乱立

といった状況のなかで、新宗教の立ち上げの機運が高まってきます。

この間、さまざまな宗教や思想が生まれましたが、後世の世界に影響をあたえたのは、つぎの3つです。

  • ウパニシャッド哲学
  • 仏教
  • ジャイナ教

以下、それぞれの特色をみていきましょう。

古代インド新宗教① ─ ウパニシャッド哲学

ウパニシャッドの哲学者 シャンカラ

ウパニシャッド哲学は、外部からではなく、バラモン教の内部からおきた改革運動です。

バラモン教で問題とされた祭式至上主義の反省から、内面の思索を重んじる思想です。

教えのきほんは、

・ブラフマン(梵=宇宙の根本原理)
・アートマン(我=個人の根本原理)

が合わさることで、輪廻からの解脱が得られる、というもの。

難解ながら、進歩的なバラモン層や、クシャトリアの知識層を中心にひろまりました。

古代インド新宗教② ─ 仏教

ガウダマ=シッダールタ(ブッダ)

仏教は、シャカ族のガウダマ=シッダールタ(ブッダが説いた教えです。

ブッダは、クシャトリア出身で、王のむすこでした。

彼は、徹底した無常観にたち、八正道の実践から解脱にいたる、と説きました。

バラモンの最上位とするヴァルナ制を否定したこともあり、クシャトリア&ヴァイシャ層に、急速にひろまっていきました。

古代インドの新宗教③ ─ ジャイナ教

ジャイナ教のミニチュア絵画

ジャイナ教はヴァルダマーナが説いた教えです。

彼もまたクシャトリア出身でした。

仏教では否定される、苦行と不摂生主義の実践により、真実が見出される、とします。

ジャイナ教もまた、ヴァルナ制を否定したので、ヴァイシャ層にひろまっていきました。

おわりに

古代インドの新宗教ついてみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・ウパニシャッド哲学
・ブラフマン
・アートマン
・仏教
・ジャイナ教
重要人物
・ガウダマ=シッダールタ
・ヴァルダマーナ
ポイント
・クシャトリア&ヴァイシャ階層の力が増し、社会不安とバラモン教への不満から、仏教などの新宗教がうまれた

この記事が、古代インドの新宗教を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。