フランス王権の拡大 ─ カペー朝・アルビジョア十字軍・三部会【中世ヨーロッパ】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・中世ヨーロッパにおけるフランス王権について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・カペー朝
・アルビジョワ派
・三部会
重要人物
・フィリップ2世
・ルイ9世
・フィリップ4世
ポイント
・フランスではカペー朝以来、王権が強化されるいっぽう、フィリップ4世のころには民衆議会にあたる三部会を招集している

この記事では、つぎの本を参考にしました。

フランスは、時代が下るごとに、王権が強化されていきます。

とくに、カロリング朝をひきついだカペー朝から、その傾向ははっきりとあらわれます。

以下、歴代の国王をたどりながら、王権強化のプロセスをみていきましょう。

フランス王権の拡大① ─ フィリップ2世

フィリップ2世

カペー朝が成立した、その約100年後に即位したのがフィリップ2世でした。

それまでの王朝は、まわりの諸侯にふりまわされ、どこか弱々しいものでした。

けれど、彼のころから王権の権威も高まり、フランス一帯に影響力をおよぼします。

フィリップ2世は、イギリスのヘンリ2世に取られていた領地を、むすこジョン王との争いのすえに奪いかえします。

これにより、大陸側の領土をすべておさめることになりました。

さらに、マニ教の影響をうけた、キリスト教異端派のアルビジョワ派が、南フランスで権勢を強めると、フィリップ2世は十字軍をおくり、弾圧します。

これにより、南フランスでも王権勢力が広がっていきます。

フランス王権の拡大② ─ ルイ9世

ルイ9世

フィリップ2世のあとはルイ8世が即位しますが、わずか3年の在位で亡くなります。

そのあとをひきついだのが、ルイ9世でした。

彼も引きつづいて十字軍遠征をおこない、アルビジョワ派の勢力を抑えこもうとします。

十字軍派遣により、アルビジョワ派はみごと根絶され、王権の影響力は、南フランスにおいて、さらに拡大します。

フランス王権の拡大③ ─ フィリップ4世

フィリップ4世

ルイ9世ののち、約10年後に即位したのがフィリップ4世です。

彼は、歴史的な使命をおえた十字軍の一派テンプル騎士団を解散させ、かれらの財産をすべて没収します。

これにより、フランス王権の財政が強化されます。

いっぽうでフィリップ4世は、教会への課税問題をきっかけに三部会を招集します。

これがフランスにおける民衆議会のルーツとなります。

といっても、参加できたのは、聖職者&貴族にくわえ、財産の知名度のある平民だけでした。ふつうの人たちは参加できないどころか、開かれていることさえ知らなかったといわれています。

なので、このときの三部会は、身分制にもとづくもので、〝オープンな議会〟とはいえませんでした。

とはいえ、身分格差は残しつつも、フィリップ4世は三部会を開きます。

そのうえで民衆の意見をとりいれながら、みずからの王権をより強固なものにしていきます。

当時の王権にとって、いちばんの敵は教皇ひきいるローマ教会でした。

そこでフィリップ4世は、ときの教皇ボニファティウス8世を聖職者の課税問題で捕まえ、幽閉します。

これが有名なアナーニー事件です。

さらに、教皇クレメンス5世と教皇庁を、南フランスのアヴィニョンに移し、王権の監視下におきます。この事件は、教会側の立場から「教皇のバビロン捕囚」といわれています。

ふたつのできごとにより国王の威信は高まり、教皇権にたいする王権の優位が決定的となりました。

このようにして、フランスは内に外に、王権の力をのばしていきます。

おわりに

フランス王権の拡大についてみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・カペー朝
・アルビジョワ派
・三部会
重要人物
・フィリップ2世
・ルイ9世
・フィリップ4世
ポイント
・フランスではカペー朝以来、王権が強化されるいっぽう、フィリップ4世のころには民衆議会にあたる三部会を招集している

この記事が、フランス王権を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。