社会主義思想の成立 ─ 西ヨーロッパ・発展・政治参加・マルクス・世界史【わかりやすく解説】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・社会主義思想の成立について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・空想的社会主義
・工場法
・科学的社会主義
・『共産党宣言』&『資本論』
・第一インターナショナル
重要人物
・オーウェン
・サン=シモン
・フーリエ
・マルクス
・エンゲルス
ポイント
・社会主義思想は、資本主義にともなう労働問題にたいして、所有権を制限したうえで、財産を社会的に共有することで解決をめざす

この記事では、つぎの本を参考にしました。

社会主義思想は、資本主義社会での労働問題&社会問題に対処する過程でうみだされた考えです。

生産手段の私有化を(ある程度)制限し、代わりに、社会全体で共有することで、経済格差の解決をめざすことを目的とします。

社会主義思想は、

  • 空想的社会主義
  • 科学的社会主義

の2つに分かれます。

それぞれのなかみをみていきましょう。

社会主義思想の成立① ─ 空想的社会主義

ロバート=オーウェン

「空想的社会主義」の名まえは、社会主義者エンゲルスが命名しました。

字をみてわかるとおり、理想だけ先走り、現実性がないのが特徴でした。

おもな運動家とその成果は、つぎのとおりです

オーウェン
→ 労働組合&生産共同組合の設立
→ アメリカでの理想社会の建設(失敗)
→ 工場法制定の促進

サン=シモン
→ 労働者による理想的な社会づくり

フーリエ
→ 協同組合ベースの社会づくり

ルイ=ブラン
→ 国家による生産統制

プルードン
→ いっさいの政治権限を否定するアナーキズムの提唱

このなかで重要なのはオーウェンが力を注いだ工場法の制定です。

これは、当時問題になっていた年少者労働の対処したもので、工場法の制定により、子どもの労働時間が制限され、さらに、それぞれの工場に不当労働をチェックする監督官がおかれるようになりました。

社会主義思想の成立② ─ 科学的社会主義

カール=マルクス

「科学的社会主義」とは、マルクスとエンゲルスのふたりが、共著『共産党宣言』で提唱したものです。

うえにあげた、理想ばかり社会主義を否定し、科学的分析をつうじた社会主義理論をうちたてます。

マルクスの考えは、

・史的唯物論
・剰余価値

の2つから成り立っています。

史的唯物論とは、

資本主義経済を分析したうえで、資本の発展と衰退を歴史的に位置づける理論

のことです。

いっぽう剰余価値説とは、

労働者は、生活において必要以上の労働(剰余労働)を使用者に提供し、それをもとに資本家は利潤を増やしていく

といった考えです。

マルクスとエンゲルスは、科学的社会主義をかかげながら、世界にむけて労働者の団結をもとめます。

じっさいに、世界初の国際労働組織「第1インターナショナル」を結成し、ロンドンにその本部を設置します。

おわりに

社会主義思想の成立についてみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・空想的社会主義
・工場法
・科学的社会主義
・『共産党宣言』&『資本論』
・第一インターナショナル
重要人物
・オーウェン
・サン=シモン
・フーリエ
・マルクス
・エンゲルス
ポイント
・社会主義思想は、資本主義にともなう労働問題にたいして、所有権を制限したうえで、財産を社会的に共有することで解決をめざす

この記事が、社会主義思想の成立を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。