【必読】教養が身につく文学10冊(後編)

どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。

大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。

社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。

働くなかで思うのは、自分の市場価値をアップするには「教養」が大切だということ。

「できるなぁ」
「知的だなぁ」

と、思える人は、キホン的な教養を身につけています。

わたしも、これまでたくさんの古典&学術書を読みあさってきました。

なかでも、小説&文学については、有名な世界文学は、ほとんど目をとおしてきました。

合計300冊くらいは味わってきたと思います。

そこで、ここでは

教養が身につく文学10冊

と題して、紹介していきます。

さっそくビックアップすると、こんなかんじです。

  1. ① セルバンデス『ドン・キホーテ』
  2. ② オースティン『高慢と偏見』
  3. ③ バルザック『ゴリオ爺さん』
  4. ④ ディケンズ『大いなる遺産』
  5. ⑤ ドストエフスキー『罪と罰』
  6. ⑥ フローベール『ボヴァリー夫人』
  7. ⑦ チェーホフ『子犬を連れた奥さん』
  8. ⑧ プルースト『失われた時を求めて』
  9. ⑨ カフカ『訴訟』
  10. ⑩ ガルシア=マルケス『百年の孤独』

教養を身につけるうえで、どれも必読本です。

といっても、ガマンして読むかんじではありません。

いったんその世界にハマってしまえば、ぐんぐんページをめくってしまうような作品ばかりです。

前回は、さいしょの5冊を紹介してきました。

【必読】教養が身につく文学10冊 (前編)

きょうは、のこりの5冊を紹介していきます。

教養が身につく世界文学10冊(前編)

くりかえすと、こんなかんじです。

  1. ⑥ フローベール『ボヴァリー夫人』
  2. ⑦ チェーホフ『かわいいひと』
  3. ⑧ プルースト『失われた時を求めて』
  4. ⑨ カフカ『訴訟』
  5. ⑩ ガルシア=マルケス『百年の孤独』

どれも骨太の作品ですね(笑)

以下、さらっと著者&内容にふれたあと、読むポイントをみていきます。

⑥ G.フローベール『ボヴァリー夫人』

著者

著者は、フランスの作家で、1821 年〜1880 年に生きた人です。

外科医の子どもとして生まれ、青年期はパリ大学に入り、法律を勉強しました。

その後、病をキッカケに、隠遁生活に入り、執筆活動をスタートします。さらに、複数の海外旅行をはさみ、4年半かけて『ボヴァリー夫人』を書きあげることになります。

その後、1856年10月〜12月のあいだに『パリ評論』に掲載のあと、翌 1857 年に1冊の本として刊行されます。

文芸誌にのったあと、「風紀紊乱」の罪で起訴されましたが無罪におわりました。この裁判がキッカケで、『ボヴァリー夫人』が注目、ベストセラーとなりました。

内容

田舎で結婚生活をおくる「エマ・ボヴァリー」が主人公。

平凡な毎日から、倦怠(退屈)に苦しみ、華やかな世界にあこがれる。

そのキモチがわざわいして「不倫」「借金」に追いこまれ、服毒自殺によって人生を終える。

ポイント

プロットもおもしろいですが、なにより、物語を運んでいく「文体」がスゴいです。

細かい環境描写、精密な心理描写で、よくありがち「おはなし」を引っぱっていきます。

テーマ自体もベタで、理想が現実に敗れるようすを描いているだけですが、文体のチカラがつよく、読んだあとに「呆然」とさせられる作品になっています。

個人的には、小説の〝勢い〟としては、バルザック&ドストエフスキーをこえて、イチバンのような気がします。

⑦ チェーホフ『かわいいひと』

著者

著者は、ロシアの作家で、1860 年〜1904 年に生きた人です。

自営業の三男として生まれましたが、父親が事業失敗にしたことで、ビンボー生活を強いられました。

青年期は、モスクワ大学・医学部に入り、20代の頃には医師免許を取得していきます。

医学のかたわら、ユーモア作品メインに、短編を書きつづけました。

いっぽうで、演劇の脚本も書き、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』などの代表作をのこしています。

未発表のものをふくめて、総作品数は「1000編」以上といわれて、ショージキ、代表作を1つ選ぶのはムズかしいですね。

内容

『かわいい女』は、1899 年に発表された短編小説です。

「かわいい」で評判のオーレンカ。夫のために、身も心も捧げます。

しかし、過剰なほどの献身にもかかわらず、夫は亡くなってしまいます。

そのあと、ふたたび結婚しますが、さいしょの夫の頃とは、行動も考え方も、すっかり様変わり。

再婚をキッカケに、以前は否定していた考えを肯定するようになります。

けれど、2度目の夫も亡くなり、3度目の結婚を果たすが……。

ポイント

ユーモア作品を書きつづけこともあり、メチャクチャ皮肉が効いている内容です(笑)

文豪トルストイは「これぞ、女だ」と絶賛し、いっぽうフェミニスト系の人たちは「女をバカにしている」と非難しました。

じつはチェーホフは、どちらの意見も想定して、作品を書いたと思います。

かれは「思想をもたない作家」といわれ、観察に徹して人間を描きました。

テイストとしては、J.オースティンにちかいですが、より皮肉が効き、悲壮感がただよっています。

個人的には、ここにあげた10人のなかで、イチバン好きな作家さんです。

⑧ プルースト『失われた時を求めて』

著者

著者は、フランスの作家で、1871 年〜1922 年に生きた人です。

裕福な医者の子どもとして生まれ、青年期にはパリ大学で、法律と哲学を学びました。

お金もちの家庭から、職には就かず、社交生活をくりかえしました。

『失われた時を求めて』は、30代後半から、(死ぬまえの)51歳まで書かれました。

内容

紅茶にひたしたマドレーヌの味覚から、意図せずに「幼少期の記憶」がよみがえり、自らの半生をふりかえるおはなしです。

母親の愛情、恋愛の苦しみ、社交界のぐだらなさ、などを描いていきます。

ストーリーのほか、とちゅうで挿入される「哲学的な考察」や、主観に徹した心理描写など、スタイル・手法も魅力的な作品です。

ポイント

小説好きでも『失われた〜』は、ニガテという人が多いです。じつはわたしも2度ほど挫折しました(笑)

ただいったん流れにのってくると、作品の世界にどっぷりつかることができます。

読むときのコツは、ストーリーを追わないことです。

「ウソだろ」と思うかもですが、『失われた〜』は、ディケンズやバルザックのように、プロットで読み手をひきつけることはないからです。

じじつ、翻訳によっては、末尾に「あらすじ」が書かれていたりします(笑)

味わうトコは、とちゅうではさむ「哲学的な考察」だったり、主人公である「私」の心理描写です。

ここをおさえておかないと「肩透かし」をくらうことになります。

なので、小説というよりも「哲学エッセイ」として読んだほうが、楽しめます。

個人的には、16世紀の思想家・モンテーニュによる『エセー』に近いような気がします。

⑨ カフカ『訴訟』

著者

著者は、プラハの作家で、1883 年〜 1924 年に生きた人です。

プラハ出身ですが、チェコ語ではなく、ドイツ語で作品を発表しました。

商人の子どもとして生まれ、青年期は、プラハ大学で、哲学・化学・法学を学びました。

保険会社に勤めるいっぽうで、『変身』や『観察』などの短編集をのこしました。

内容

『訴訟(Der Process)』は、1915-1916 年に執筆され、本人が亡くなったあと、1925年に出版されました。

これまで日本では、『審判』というタイトルで通っていました。

しかしさいきんでは、原題のニュアンスを反映して『訴訟』に変わってきています。

あらすじは、30歳目前の男が、理由もないまま、とつぜん逮捕される。

捕まえる2人の男にワケをたずねても、「自分たちは監視人にすぎない」といって、答えてくれない。

その後、逮捕された状態で、勤め人としての生活をゆるされるが、背後では裁判手続きがすすんでいき……。

ポイント

一般的には『変身』が有名ですが、個人的に、分量的にも、内容的にもこちらが好きです。

いわゆる「幻想小説」で、読むごとに「不思議な世界」へと入りこんでいきます。

多様な解釈ができるため、批評家が好きそうな作品にしあがっています。

読むコツは、あまり哲学的なコトを考えず、ファンタジックな世界を味わうことです。

裏読みをすると、作品の魅力をそこねてしまうので。

⑩ ガルシア=マルケス『百年の孤独』

著者

著者は、コロンビアの作家で、1928年〜2014年に生きた人です。

子どもころに両親と離別してから、祖父母や叔母などの親戚に預けられました。

迷信好きの祖母や、退役軍人の祖父に育てられるなかで、小説を執筆する意欲が高まっていきます。

青年期は、大学へ入るものの、生活苦から退学。その後、新聞記者として働き、いっぽうで小説執筆も進めます。

1967 年に『百年の孤独』を発表し、世界的にベストセラーになります。

内容

「ブエンディア一族」が「蜃気楼の村・マコンド」を作りあげていく物語。

繁栄を迎えながらも、じょじょに滅んでいく100年間を描く。

キホン的には、散文のスタイルで、ルポルタージュのように一家に起きる事件を描いていく。

そのいっぽうで、「空中浮遊」や「天国への昇天」など、ファンタジックな要素を散りばめる内容になっています。

「現実 / 幻想」の境界をなくす表現スタイルから、「マジックリアリズム」なんて呼ばれたりします。

ポイント

『百年の孤独』ほど、解説に苦労する作品はありません。

ショージキ、「ひたすら読んでください」としか言いようがないくらいです。

バルザックやディケンズのように、プロットでぐいぐい物語をひっぱっていきますし、カフカのように「幻想的な世界」へと引きこんでくれたりもします。

さらにフローベールのように、環境描写も精密で、文体でも魅了されます。

この記事であげた10冊を、すべて融合させたかんじです。

うえ10冊を順々に読んでいき、さいごに『百年の孤独』を読むと、〝ミックス加減〟がわかると思います。

もちろん、純粋なエンタメとしてもバッチリおもしろいです。

おわりに

「教養が身につく文学10冊」のうち、のこりの5冊を紹介してきました。

ここにあげた作品は、世界文学のなかでは、「定番中の定番」です。

最低限の教養を身につけるには、目をとおして損はありません。

もちろん義務感というより、純粋な「たのしみ」としても、おもしろいので、ぜひチェックしてほしいと思います。

ここにあげた記事を参考に、あらゆるシーンで活用してみてください。

きょうあげた知識が、あなたの役立つとうれしいです。

つぎの記事では、のこりの5冊を紹介していきたいと思います。

ではまた〜。