漢代の文化 ─ 司馬遷『史記』・五経・訓詁学・製紙法・蔡倫【中国の歴史】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・漢王朝について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・五経
・訓詁学(鄭玄)
・『史記』(司馬遷)
・『漢書』(班固)
・紀伝体
・製紙法
重要人物
・司馬遷
・班固
・蔡倫
ポイント
・儒学や歴史記述など、漢の時代に中国文化の原型がつくられた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

以下、

  • 儒学
  • 歴史書
  • 技術
  • 宗教
  • 文字

の分野に沿って、作者や作品をみていきます。

漢代の文化① ─ 儒学

儒学のシンボルマーク

儒学は、前漢の武帝のときに官学となりました。さらに、董仲舒によって五経博士という官職の位が設置されています。

五経博士とは、儒教の経典を教える学官のことです。

ここでいう五経とは、

・『易経』
・『書経』
・『詩経』
・『礼記』
・『春秋』

の5つの経典をさします。

また漢代の儒学では訓詁学が流行り、五経にある言葉の意味を研究&注釈する学問がさかんとなりました。

訓詁学は後漢の鄭玄が確立した、とされます。

漢代の文化② ─ 歴史書

司馬遷『史記』

歴史書ではなによりも司馬遷『史記』が有名です。

史記では、古代の上古から、直近の武帝までの通史をあつかっています。

その構成は、

・本紀:皇帝の事績
・列伝:功臣などの伝記

から成り立っています。この構成スタイルは「紀伝体」とよばれ、歴史書を書くさいの定型となりました。

また班固『漢書』も有名で、前漢の通史を紀伝体によって記しています。

その後、『史記』『漢書』の記述形式が、中国歴史書(正史)の模範となっていきます。

漢代の文化③ ─ 製紙技術

蔡倫

漢代では、製紙法の技術が改良されました。

後漢時代の宦官である蔡倫によって、技術の向上がなされました。

ただしこれにより、すぐさま紙が普及したわけではなく、じっさいには木簡や竹簡が行政文書などでは主流でした。

漢代の文化④ ─ 宗教

五斗米道の教祖 張陵

宗教については、仏教の伝来が大きなできごとでした(後漢後期)。

また、民間の宗教団体も発展し、

・太平道(教祖 張角)
・五斗米道(教祖 張陵)

などが、広く人びとの心をとらえました。

漢代の文化⑤ ─ 文字

唐時代の楷書

漢代では文字の改良もなされ、秦代では篆書とよばれる形式でしたが、漢代では、

・隷書
・楷書

などのスタイルが確立しました。

隷書は秦の時代に、楷書は漢の時代に用いられました。

おわりに

漢時代の文化についてみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・五経
・訓詁学(鄭玄)
・『史記』(司馬遷)
・『漢書』(班固)
・紀伝体
・製紙法
重要人物
・司馬遷
・班固
・蔡倫
ポイント
・儒学や歴史記述など、漢の時代に中国文化の原型がつくられた

この記事が、漢時代の文化を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。