【経済学のグラフ】3つのパターンと、みるときの注意点について。

どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。

大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。

社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。

働くなかで思うのは、自分の市場価値をアップするには「教養」が大切だということ。

「アタマいいなぁ」
「発想がすごいなぁ」

と、思う人は、キホン、教養を身につけています。

これまでたくさんの古典・学術書を読みあさってきました。

あらためて「核となる知識」をマスターしていきたいと考えています。

ここでは「代表的な古典」&「教養ワード」を紹介していきます。

哲学&経済学から、ビジネスや仕事に役立つ知識を共有していきます。

今回とりあげるのは、

グラフのパターン&読むときの注意点

です。

グラフのパターンを紹介したあと、読み方の注意点についてのべていきます。

経済学にかぎらず、グラフは、さまざまな記事やレポートで活用されます。

なにげなくみていますが、意味もわからず、テキトーに理解している場合が多いですよね。

うえのワードから、グラフの基礎を理解していきたいと思います。

以下、つぎのテキストを参考に、くわしく説明していきます。

引用のページは、こちらの本によります。

グラフのパターン

グラフはよく利用されますが、パターンとしては、つぎの4つです。

  1. ① 時系列グラフ
  2. ② 散布図
  3. ③ 円グラフ
  4. ④ 棒グラフ

ひとつひとつみていきます。

① 時系列グラフ

(出典:総務省統計局)

時系列グラフは、ヨコ軸に「時間」をとり、タテ軸に「時間に応じた変化の値」を示します。

うえの図では、ヨコ軸に「年数」をおき、タテ軸に「65歳以上の人口割合」をおいています。

こうすることで、長期のトレンドを把握できるようになります。

また、ほかの国の「人口割合の数値」を示すことで、国際比較もできるようになります。

それにしても、日本の「高齢化傾向」は、ハンパありませんね。。

② 散布図

(出典:総務省統計局)

散布図では、「複数の点」が示されます。

各点は、ヨコ軸の「変数x」と、タテ軸の「変数y」の、じっさいの観測値をあらわしています。

そして、散布図では、散らばった点をとおる曲線をえがき、各変数のあいだのカンケー性を示します。

うえで図では、「自動車全体にしめる軽自動車の割合」&「 65歳以上の人口割合」をあらわしています。

このグラフからわかるのは、高齢者の割合が高い県では、(全自動車にしめる)軽自動車の割合も高くなりやすい、ということです。

こんなふうに、散布図では、2つの要素間のカンケー or 傾向をあらわすときに、使用します。

③ 円グラフ

(出典:厚生労働省)

円グラフでは、すべての数量のうち、それぞれの要素が、どれくらいの割合を占めているか、をあらわします。

たいていは、「%」で表示されます。

うえのグラフは、6歳以上の「健康意識」をしめしています。

「よい」〜「ふつう」〜「よくない」など、〝どれくらい健康か〟を6段階でたずねて、健康意識の状態をしめしています。

6歳以上を対象としているので、各年代別の意見がわからないのが難点といえます。

④ 棒グラフ

(出典:厚生労働省)

棒グラフでは、変数の値を、棒の長さ or 高さで示します。

うえでのグラフでは、年代別の「生活意識」をあらわしています。

1986年からの調査で、3年ごとに、「ふつう」と答える世帯がダウンしているのが、わかります。

いっぽうで、「苦しい」「やや苦しい」と回答する世帯がアップしているのが、みてとれます。

ここ30年で、日本における家計の苦しさが、なんとなくですが、みえてきます。

グラフのパターンについては、これら4つをおさえておけば、オーケーです。

それぞれのグラフが、なにをあらわすのが得意なのかを、知っておくとベターです。

つぎにグラフをみたときにラクになります。

数値グラフの注意点

うえのあげたをまとめて「数値グラフ」とよびます。

グラフは、人びとの思考・態度や、世の中の現状を、直観的に理解するのに、役立ちます。

そのいっぽうで、そのわかりやすさから、テキトーに理解してしまうこともあります。

また、数値グラフでは、カコやミライの「不確定要素」を想定していません。

いまの時点での状況を示しているだけです。

以上の問題から、グラフをみるうえで、つぎの点で注意が必要です。

  • 作図の特性
  • 除去された変数
  • 因果関係の逆転

ひとつひとつ、みていきます。

作図の特性

よくあるのが、こまかい数値をみずに、ラインの増減や、棒グラフの長さだけをみて、現状を理解してしまうことです。

たとえば、時系列であらわす「株価グラフ」のラインが、下降トレンドを示しているとします。

すでに株式を保有をしている人にとって「いい気分」はしません。

しかし、タテ軸の目盛り(=株価)をよくみてみると、わずかに「10円」しかダウンしていない……。

じつは、ヨコ軸の「時間」は秒単位で示されていて、こまかいトレンドを示しているだけ……。

こんなふうに、数値をよくみないと、「メチャクチャ株価が下がっている」などのように理解してしまいます。

除去された変数

グラフの特徴として、すべての変数を入れるのはできません。

キホンは、2つの変数のカンケーをしめすだけです。

そのため、従属変数にたいして、もしかしたら〝より影響をあたえる〟変数がある可能性もあります。

クルーグマンは、「降雪量」「雪かきシャベル&解凍液の販売数」を事例に出します。

ニューイングランドでは、1周間の降雪量がいつもより多いと、人々はその週に、いつもより多くの雪かきシャベルを買う。また、いつもより、たくさんの解凍液を買う。だがもし、降雪量の影響を除去し、「雪かきシャベルの販売数量」と「解凍液の販売本数」を単純に対置すると、両者のあいだに、正の関係がある〔……〕散布図ができるだろう。(085)

つまり、「降雪量アップ」が、雪かきシャベル&解凍液の販売数に影響を与えましたが、降雪量の要因(変数)を〝省く〟と、「雪かきシャベル」「解凍液」のあいだに相関関係があるようにみえてしまうわけです。

グラフをみるときには、〝隠された変数〟がないかを、つねに意識する必要があります。

因果関係の逆転

2つの変数をとるグラフだが、それぞれの要素を「独立変数」におくか、「従属変数」におくかは、グラフを作成者にまかされます。

そのため、2つの要素の「因果関係」が逆転する可能性があります。

よくあるのが、「収入」と「アタマの良さ」のカンケーです。

フツーは、「収入」に比例して「アタマの良さ」 ─ たとえば、「子どもの偏差値」など ─もアップするとされます。

つまり、2つのあいだに正の関係があり、お金がアタマの良さを決めている、というわけです。

しかし、これは逆の見方もできます。

つまり、「アタマが良い」から「収入が高い」という視点です。

その視点がないまま、独立変数に「収入」が、従属変数に「アタマの良さ」がおかれているとします。

すると、グラフをみたときに、お金が「知性・知能」を決めていると、判断してしまうわけです。

クルーグマンは、こう注意をうながします。

因果関係の逆転 ─ 2つの変数の〔……〕因果関係〔……〕を逆転して、どちらが独立変数で、どちらが従属変数か、についてまちがった結論に達すること ─ という誤りをおかさないように、気をつけなければならない。(086)

以上3つが、グラフをみるさいの注意点です。

知ってても、ついつい誤ってしまうまちがいです。気をつけたいですね。

おわりに

グラフのパターン、グラフをみるときの注意点をみてきました。

あとは、グラフをみるたびに、この3点を意識すれば、見るべきポイントがわかってきます。

経済学にかぎらず、グラフは、記事やレポートで、たびたび登場します。

また、プレゼンなどで、自分で書く場合も多くあります。

知っておいて、損はないと思います。

ここにあげた記事を参考に、あらゆるシーンで活用してみてください。

きょうあげた知識が、あなたの役立つとうれしいです。

ではまた〜。