【厳選】仕事にかんする良書3冊

どうも、リキゾーです。

これまで、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。

世の中は移ろうものですが、いまイチバンに変化しているのは「仕事」です。

どんなふうに働けばいいのか、みんな悩みに悩んでいますね。

ニュースでも「働き方改革」や「キカイに人間の労働が奪われる」など、仕事にかんする話題は尽きません。

ひとりひとりが自分の仕事に向き合い「働く意味」を問いなおすタイミングがきています。

そんななか、きょうは「仕事を考える」うえで最適な本を紹介します。

わたしがすすめるのは、つぎの3冊です。

  • H.アレント『人間の条件』
  • A.クレオン『クリエイティブを共有』
  • J.フリード、D.H.ハンソン『小さなチーム、大きな仕事』

いろんな働き方をしているなかで、どれも励まされ、参考になった本です。

自分の働き方にギモンをもっている方、仕事の意義を問い直したい方にはピッタリです。

仕事にかんする良書3冊

くりかえすと、以下の3冊がおすすめです。

  • H.アレント『人間の条件』
  • A.クレオン『クリエイティブを共有』
  • J.フリード、D.H.ハンソン『小さなチーム、大きな仕事』

ひとつひとつコメントしていきます。

H.アレント『人間の条件』

タイトルからして重々しいですが(笑)、人はなぜ、どのように働くのかを問いかけた内容です。

古代のギリシャ社会を参考に、ひとの「働く」を「労働」「仕事」「活動」に分けながら、議論を展開していきます。

「労働」とは、自己保存のための営みです。

つまり「自分の命を守るため」の行動です。そのため古代ギリシャでは「労働」は奴隷が担い、軽蔑されていました。

フツーは「奴隷だから軽蔑されていた」と考えがちですが、ちがいます。

自分の肉体的な生命を守ることしか働かない(働けない)ために蔑まれていました。

古代において労働と仕事が軽蔑されたのは奴隷だけがそれにたずさわっていたためであるという意見は、近代歴史家の偏見である。古代人は逆に考え、生命を維持するために必要物に奉仕するすべての職業が奴隷的性格をもつから、奴隷を所有しなければならないと考えていたのである。(137)

いっぽう「仕事」は、自らを「主人」とした〈工作人〉が担い、好きなようにモノを製作します。

彼が自分自身と自分の行為の主人である〔……〕彼が自分自身と自分の行為の主人であるからでもある。これと同じことは、自分自身の必要に従属している「労働する動物」についてはいえず、また、自分の仲間に終始一貫依存している活動の人にもいえない。ただひとり未来の生産物についてイメージをもつ〈工作人〉だけが自由に生産し、自分の手の仕事を自由に破壊するのである。(233-234)

「活動」はさらにそのうえをいき、自らの能力をコミュニティにささげます。

「あす生活できなかったらどうしよう?」といった、身体的な危険を心配せず、所属する集団に自分がどう役立つを考えて行動します。

尊敬もされますが、こんな行動を取れるのは、ある程度、生活が保証される市民だけです。

いまの感覚すれば、びっくりするような「仕事観」「労働観」です。

しかしこれからAIが普及し、さらにBI(ベーシックインカム)まで導入されると、遠い過去のはなしではなくなります。

これからの日本も、仕事をする者 / 労働しかできない者で格差がつきそうなかんじです。

そんな社会を見つめるうえでも、アーレントの「仕事論」はめちゃくちゃ重要です。

A.クレオン『クリエイティブを共有』

こちらはニューヨークタイムズのベストセラー作家が書いた「創作とクリエイティブ」にかんする指南書。

前作では「創作力」「クリエイティブ力」の磨き方を紹介したが、この本では「自分の作品をどう世の中にアピールするか」をメインに書かれている。

ブログやSNSの発達で、だれもが気軽に発信できる世の中で、どんなふうに創作に臨み、アピールしていくか。

創作のノウハウというよりも、表現や宣伝に軸足をおいていて、とくにフリーランス(個人事業主)の人には、参考になるアイデアがたくさん記されています。

じかに市場に向き合い、自らの作品や仕事をアピールしたい人にはおすすめの1冊。

きみの大好きなモノを作って、きみの大好きなことについて語ろう。そうすれば、同じようなモノが大好きな人たちが寄ってくる。単純明快だ。(140)

J.フリード、D.H.ハンソン『小さなチーム、大きな仕事』

タイトルは「?」かもですが、原題は『Rework』。

いまの働き方を見直しつつ、効率的で、人生をゆたかにするような仕事を提案しています。

この本は、フリーランスを始めたころに買って、いまでも定期的にパラパラめくっています。

さいしょに読んだときも刺激を受けましたが、再読するたびに発見がある本です。

フリーランスでやっていこうとする方や、自分でビジネスを立ち上げた人には、おすすめ。

仕事があたえる「価値」についての記述はシビれますね。

何か価値を加えているか? 何かを加えるのは簡単だが、価値を加えるのは難しい。あなたが取りくんでいることは、本当に商品を顧客にとってさらに価値のあるものにしているのだろうか? 顧客は以前よりも多くのものをそこから得られるだろうか? 価値を加えていると思っているものが、実際には価値を減じていることもある。ケチャップが多すぎるとフライドポテトを台無しにしてしまう。価値とはバランスなのだ。(711)

まとめ

あらためて言うと、いまはひとりひとりの働き方が大変革をむかえているときです。

ひとむかしは「サラリーマンから抜け出すにはどうすればいいか」みたいな話題が中心でしたが、そんなステージをとっくに終わっています。

いまは、自由になった or 自由にさせられた個人が、どう仕事に向き合い、世の中を渡り歩いていくがポイントになっています。

「仕事観」の捉えなおしや、作品の発表方法など、つぎの時代の働き方が模索されています。

その意味でも、うえの3冊はとても参考になります。

ぜひチェックしてみてください。

ではまたー。