【図解】ゼノン(ストア派)の哲学 ─ ポイント&名言

どうも、りきぞうです。

大学のころから、哲学に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・哲学書にあたってきました。

なかでも、ゼノン(ストア派)の考えには、長く親しんできました。

同じように、知りたいなぁと思っている人もいるかと。

とはいえ、

ゼノンはどんな人で、どういう背景から考えが生まれたの?
ゼノン哲学のポイントは?
かれの残した名言は?

─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。

そこで、この記事では、ゼノン(ストア派)の考えをみていきたいと思います。

先に結論をいうと、つぎのとおり。

りきぞう

ゼノンは、古代ギリシャ人で、ポリス崩壊後の混乱期に生きた人
自然本性(ピュシス)に従い、無情念(アパテイア)の境地に達するのが、人間の幸福だとする
「きみ自身が何ものであるかを究明せよ、気にいることだけ聞くのではなく」などの名言を残している

以下、目次にそって、[著者&背景 → ポイント → 名言]の順でみていきます。

ちなみに、翻訳は以下の本です。

引用ページも、こちらによります。

著者&背景

著者

ゼノンは、ギリシャ人で、BC.335年〜BC.263年に生きた人です。

ストア派を創始・確立した人物です。

けれど、かれの著作は1つも残っていません。

ゼノン以後の著作家が、引用する言葉が残っているのみです。

日本では、うえにあげた『初期ストア派断片集 1』で読むことができます。

ちなみに「ストア」とは「柱廊」のこと。

この場所で講義したことから「ストア派」とよばれるようになりました。

背景

ゼノンは古代ギリシャの人。

それまでは、ギリシャ一帯にポリスが形成されていました。

しかし、ペロポネソス戦争&アレクサンドロスの帝国支配により、じょじょに衰退・解体。

ポリスに人生の指針をもとめていた人は、行き場を失います。

ここから出てきたのが、ゼノンの哲学です。

のちの「ストア派」へつながっていきます。

ポイント ─ 「ピュシス」「アパテイア」

ゼノン哲学のキーワードは、「ピュシス」「アパテイア」の2つです。

カンケツにまとめると、つぎのようになります。

図解説明

人間の自然本性(=ピュシス)は、宇宙の自然本性と連続している。

そのため、宇宙法則にしたがって、生きるのが正しい。

地位・財産のような「人為的に作りだされたもの」は避けて、自然にしたがって生きるべきだ。

さまざまな欲望をさけて、自身の情念(=パトス)を制限する。

禁欲的に生きる(=ストイックに生きる)ことで、自然本性と調和できるようになる。

欲望から解き放たれ、結果、無情念(=アパテイア)の境地に達する。

これこそが、人生において、もっとも幸福な状態である。

ひとこと

「ストア派」は、〝おのれにきびしい〟イメージがあります。

創始者「ゼノン」は、厳格な禁欲生活を、要求しているわけではありません。

キホンは、快楽・欲求をさけて、理性にしたがって暮らそうと説きました。

いまの人からみても、じゅうぶん納得できる内容です。

生活にも取り入れることができます。

名言

つぎにゼノンの名言をあげていきます。


ちなみに、ゼノンの著作は、いっさい残っていません。

すべて、後世の人びとからの引用になります。

たとえば、キケロが自身の著作でつかった「ゼノン発言の引用」から、かれの考えを推測するしかないわけです。

自然本性(ピュシス)=徳=目的

ゼノンが『人間の自然本性について』のなかではじめて、自然本性と調和しつつ生きることが目的であると言ったのであり、これは徳にしたかって生きることにほかならない。われわれを徳へと導くのは自然本性だからである。(p.128)

─ 『初期ストア派断片集 1』175(※ ディオゲネス『ギリシャ哲学者列伝』から)

ゼノンによれば、自然本性(ピュシス)とは、徳(アレテー)と、ほぼ同じ意味です。

というのも、自然本性は、人間 or 環境 or 宇宙にとって〝道しるべ〟だからです。

人間にとっての自然本性が「徳」にあたるわけです。

そして、理性(ロゴス)をうまくつかい、自然本性に合わせて生きる ─ これが人生の目的であり、幸福につながります。

目的をゼノンは次のように説明した。「調和しつつ生きること」と。すなわちひとつの整合的なロゴスにしたがって生きることであり、このロゴスと矛盾をきたした生き方の人は不幸であると考えたのである。〔略〕これをクリュシッポスはさらに明白にしようとして次のように言った。「自然本性によって起こることがらの経験にしたがって生きることである」。(p.129)

─ 『初期ストア派断片集 1』179b(※ ストバイオス『抜粋集』から)

ストア派の生活態度

〔……〕優れた人は大きく、幅広く、高く、強い。大きいのは、みずから選択し課題としたこと達成できるからである。幅広いのは、あらゆる点で力を育んでいるからである。高いのは、高貴で知恵ある人にふさわしい高さによるからである。強いのは、打ち負かされたり征服されたりすることのない者として、ふさわしい強さを身につけているからである。(p.115)

『初期ストア派断片集 1』216(※ ストバイオス『抜粋集』)

ゼノン&ストア派哲学のポイントは、自己/他者、両方に〝節制〟をもとめることです。

ほかの人の考えには服従せず、ほかの人に自身の考えを押しつけません。

なので、生活態度としては、常に自身が求めるものを〝洞察〟し、他人のお世辞 or 悪口に、いちいち反応しません。

〔ゼノンの言葉〕きみ自身が何ものであるかを究明せよ、気にいることだけ聞くのではなく。とめどなくお世辞を語る人びとを遠ざけよ。(p.166-167)

─ 『初期ストア派断片集 1』237(※ ストバイオス『精華集』)

この考えは、かなり見習うことができますね。

まとめ

まとめると、

りきぞう

ゼノンは、古代ギリシャ人で、ポリス崩壊後の混乱期に生きた人
自然本性(ピュシス)に従い、無情念(アパテイア)の境地に達するのが、ひとの幸福であるとした
「きみ自身が何ものであるかを究明せよ、気にいることだけ聞くのではなく」などの名言を残している

ぜひ、ゼノン(ストア派)の哲学を知るうえで、参考にしてみてください。

ではまた〜。