魏晋南北朝の文化史 ─ 清談・竹林の七賢・六朝文化・『文選』・石窟寺院

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・魏晋南北朝時代の文化について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・清談
・竹林の七賢
・六朝文化
・『文選』
・石窟寺院
重要人物
・陶潜
・王羲之
・顧愷之
・仏図澄
・鳩摩羅什
・法顕
・寇謙之
ポイント
・南北朝時代、北朝では実用的な文化が、南朝では優美な貴族文化がさかえた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

魏晋南北朝時代では清談と名づけられた哲学論議が流行しました。

かれら担い手は「竹林の七賢」とよばれ、春秋時代の老荘思想を軸に、哲学談義がさかんにおこなわれました。

清談による思想が、魏晋南北朝時代における文化のベースとなっています。

以下、北朝/南朝、それぞれの文化について、みていきましょう。

魏晋南北朝の文化① ─ 北朝の文化

『斉民要術』

北朝では、遊牧系王朝のもとで、実用的かつ実践的な学問や文化がさかえました。

代表的な作品は、つぎの2つです。

・『水経注』
・『斉民要術』

『水経注』は、地理の本で、北魏のころに書かれました。

『斉民要術』は、中国最古の農業にかんする書物といわれています。華北農業の実情をていねいに記したものです。

魏晋南北朝の文化② ─ 南朝の文化

『文選』

北朝とは対照的に、南朝では漢人貴族のもとで、優雅な文化が華ひらきます。

学術上、南朝時代の文化を「六朝文化」とよびます。

健康(現 南京)に都をおいた、[呉 → 東晋 → 宋 → 斉 → 梁 → 陳]の王朝時代の文化をさしています。

具体的には、詩では陶潜謝霊運の作品が有名です。

散文では、梁時代の昭明太子による『文選』がたいへんよく知られています。この作品で、対句と韻をつかった四六駢儷体のスタイルが確立しました。

書では、東晋時代の王羲之による作品が有名です。彼は書聖とよばれ、楷書・行書・草書の形式を完成させました。

絵画では、東晋時代の顧愷之による作品がよく知られています。彼も画聖とよばれ、『女史箴図』などの作品を残しました。

魏晋南北朝の文化③ ─ 仏教

石窟寺院(雲崗)

つづいて、仏教の流れをみていきましょう。仏教文化は、北朝/南朝ともに、大きく発達しました。

有名な人物は、つぎの3人です。

・仏図澄
・鳩摩羅什
・法顕

仏図澄は、亀茲国出身の仏僧で、布教活動にはげみました。

鳩摩羅什も亀茲国出身の仏僧で、仏典の漢訳にとりくみました。

法顕は、東晋時代の仏僧で、仏教探求のため、グプタ朝のインドを訪れ、さまざまな戒律を学びました。旅の軌跡が『仏国記』に記されています。

また仏教遺跡も数多く残っていて、

・敦煌
・雲崗
・竜門

にある石窟寺院は、たいへんよく知られています。

魏晋南北朝の文化④ ─ 道教

寇謙之

また魏晋南北朝時代では、仏教のほかに道教も広く普及しました。

このときの道教は、

・老荘思想
・神仙思想
・陰陽五行説
・讖緯思想
・太平道
・五斗米道

などの思想&教義がミックスしたものでした。

北朝(北魏)の寇謙之によって、新天師道として完成されます。

おわりに

魏晋南北朝の文化をみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・清談
・竹林の七賢
・六朝文化
・『文選』
・石窟寺院
重要人物
・陶潜
・王羲之
・顧愷之
・仏図澄
・鳩摩羅什
・法顕
・寇謙之
ポイント
・南北朝時代、北朝では実用的な文化が、南朝では優美な貴族文化がさかえた

この記事が、魏晋南北朝の文化を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。