どうも、りきぞうです。
大学のころから、世界史に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?
きょうは、この問いに答えていきます。
答えは、つぎのとおり。
・農業革命
・綿工業
・蒸気機関
・世界の工場
・産業資本家/工業労働者
・ラダイド運動
・ハーグリーヴズ(紡績機)
・アークライト(水力紡績機)
・クランプトン(ミュール紡績機)
・カートライト(力織機)
・ホイットニー(綿繰り機)
・ワット(蒸気機関)
・フルトン(蒸気船)
・スティーヴンソン(蒸気機関車)
この記事では、つぎの本を参考にしました。
産業革命とは、
・農業社会から工業社会への移行
といった、産業上&社会上の変化をさします。
以下、[背景 → 展開 → 影響]に順で、産業革命のようすをみていきます。
目次
イギリスの産業革命① ─ 背景

産業革命はイギリスでおきました。
その要因は、つぎの5つです。
・豊富な労働力と食糧
・地下資源の発掘
・資本の蓄積
・新たな市場の確保
まずイギリスではいちはやく、中世のなごりであるギルド制が撤廃されます。
これにより既存の利益団体にしばられず、各個人は自由に経済活動をおこなえるようになりました。
また当時のイギリスでは、人びとの労働力が有り余っていました。
というのも、各地方で農地の囲い込みがおこなわれ(=第二次囲い込み運動)、土地を失った人びとが工業労働者として都市部に流れこんできたからです。
くわえて、農地の囲い込みの結果、地方では資本主義的な農業経営がおこなわれ、輪作などの手法から農業生産がいちじるしく向上します(=農業革命)。
それにより大量の食料を確保でき、労働人口をまかなえるようになりました。
さらに地下資源の発掘がすすんだことで鉄や石炭が確保され、これら豊富な資源がさらなる工業化をうながします。
いっぽう海外に目をむけると、イギリスは東インド会社を設立するなど、海外植民地で資本の蓄積にはげんでいました。
海洋交易で手にした資金が国内の工場設備建設などに投資され、それらがエンジンとなって、さらなる工業化をおしすすめていきます。
またフランスとの植民地戦争に勝利したことで、イギリス本国で生産した商品を買ってもらう市場を手にします。
つまり、さいしょから〝売れる製品〟をつくりつづけ、在庫処理に悩まされずに、資本(代金)を獲得できることができました。
…
以上5点が、イギリスで産業革命がおきた要因とされます。
イギリスの産業革命② ─ 展開

産業革命は、綿工業の分野でおこりました。綿産業をいとなむ資本家は、インドの綿布生産に対抗するため、あらゆる手段を模索していました。
そのため、効率よく綿生産をおこなうための技術が、いろいろ生み出されます。
一覧をあげると、つぎのとおりです。
・紡績機(ハーグリーヴズ)
・水力紡績機(アークライト)
・ミュール紡績機(クランプトン)
・力織機(カートライト)
・綿繰り機(ホイットニー)
これら生産技術が段階につくられることで、イギリスの綿生産はいちじるしく向上します。
蒸気機関
綿製作技術が生み出されるいっぽう、ニューコメンにより蒸気をもちいた機械が発明され、それをワットが改良して、いわゆる蒸気機関がつくられます。
蒸気機関は、それまでの交通技術に応用でき、そこから、
・蒸気船(フルトン)
・蒸気機関車(スティーヴンソン)
が発明されます。
蒸気船により世界の一体化がすすみます。
また蒸気機関車により、人びとの移動はより活発となり、マーケットを広がっていきます。
なお、イギリスでの本格営業は、1830年[リヴァプール ⇄ マンチェスター]のあいだでなされました。
世界各国の工業化
産業革命がおきたイギリスは「世界の工場」としての地位をかため、工業製品を世界各地に輸出します。
それにより自由貿易がうながされ、世界市場の統合はよりすすんでいきます。
いっぽう、出遅れた国々も、同じように工業化をおしすすめ、イギリスに対抗します。
工業化(近代化)が始まった時期をまとめると、つぎのようになります。
・フランス → 1830年代〜
・ドイツ → 1840年代〜
・アメリカ → 1840年代〜
・ロシア → 1890年代〜
・日本 → 1890年代〜
またイギリスとは完全に差をあけられた国は、従属国として転落します。
産業革命後は、原材料の供給地や、製品を買い取る場所として不利な立場に追いやられることになります。
イギリスの産業革命③ ─ 影響

産業革命は、つぎのような影響をおよぼしました。
- 資本主義体制の形成
- 労働問題の発生
- 都市集中にともなう公害の発生
それぞれ、かんたんにふれていきます。
資本主義体制の形成
機械制工場の発達により、それまでの手工業者は没落し、工場労働者の人口が増えていきます。
くわえて、かれらを雇って資金を蓄える産業資本家が台頭し、社会全体に資本主義体制がしかれていきます。
労働問題の発生
資本主義体制の形成にともない、
vs
工場労働者
の対立も、激しさを増していきます。
労働者たちは、
・長時間労働
・女性や子どもへの強制労働
に悩まされ、社会問題になっていきます。
また工場生産の拡大で、行き場をなくした手工業者たちは、機械打ち壊し運動をおこないます。
なかでもラダイド運動の規模は大きく、ときのイギリス政府は、軍隊による圧力をくわえ、なんとか鎮圧することができました。
いっぽうで労働者たちも資本家に対抗するために結束し、グループを形成します。これがいまの労働組合につながっていきます。
さらにここから、資本主義体制の問題を指摘し、新たな代替案を提示する、社会主義思想が誕生します。
都市集中にともなう公害の発生
地方の農民民衆が、工場労働者として都市に流入してしたことで、
・バーキンガム
などは大工業都市として変貌をとげます。
また商業都市としては、リヴァプールが発展します。
そのいっぽうで、都市の人口集中はさまざま社会問題をひきおこします。
なかでも、工場の煙や廃棄物は深刻で、過酷な労働環境や住宅状況もあいまって、人びとの健康をいちじるしく阻害する原因となりました。
そのほか、
・犯罪被害の増加
もおこり、都市への一極集中は工業社会にとって解決すべき課題となっていきます。
おわりに
イギリスの産業革命をみてきました。
まとめると、こんなかんじです。
・農業革命
・綿工業
・蒸気機関
・世界の工場
・産業資本家/工業労働者
・ラダイド運動
・ハーグリーヴズ(紡績機)
・アークライト(水力紡績機)
・クランプトン(ミュール紡績機)
・カートライト(力織機)
・ホイットニー(綿繰り機)
・ワット(蒸気機関)
・フルトン(蒸気船)
・スティーヴンソン(蒸気機関車)
この記事が、イギリスの産業革命をするさいのヒントになれば、うれしいです。
では、また。



