どうも、りきぞうです。
大学のころから、世界史に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。
・大事なキーワードは?
・この時代のポイントは?
きょうは、この問いに答えていきます。
答えは、つぎのとおり。
・双務的契約関係
・不輸不入権
・騎士道精神
・賦役
・貢納
・十分の一税
・三圃制
・古代ローマ時代の恩貸地制度と、ゲルマン由来の従士制がむすびつき、封建的な主従関係が成立した
この記事では、つぎの本を参考にしました。
以下、目次に沿って、みていきます。
目次
封建社会の背景と定義

封建社会が成立した背景には、ノルマン人・マジャール人・イスラーム勢力の進出がありました。
かれらの侵略から団結して財産をまもるために、王・諸侯・騎士のあいだで主従関係がきずかれました。
いっぽうで、当時のヨーロッパ地域では商業と都市が衰退し、それにともない、自給自足経済(現物経済)をしなくてはならないことも、封建社会成立の要因としてあげられます。
封建社会の定義
もともと封建社会とは、フランク王国で発展し、封建的な主従関係と荘園制度がベースとなっています。
ここでいう封建的な主従関係とは、
をさします。
ふるくは、古代ローマ時代の恩貸地制度や、古ゲルマン部族の従士制度が、もとになってきます。ふたつの制度が世襲化されたことで、封建制度が成立しました。
主人と従者の関係とはいえ、双務的な契約関係であり、主君が契約違反をおかした場合、家臣は服従を拒否することができます。
「契約」という考えが重要で、従者 or 家臣であっても、不満があれば、いまの主人に見切りをつけて、ほかの主君に従うことができました。なかには複数の主君に従う家臣もいました。
いっぽう荘園制度とは、土地の領主が荘園と農奴を支配するしくみをさします。
領主はおもに、国王・諸侯・教会が担いました。
封建社会の特徴

封建社会の特徴を、
- 政治
- 経済
- 階層
- 宗教
の側面から、もうすこしくわしくみていきます。
政治
封建社会のもとでは、諸侯や騎士は不輸不入権をもっていました。そのために、地方分権化がすすみ、中央の王権は弱体化しました。
また、騎士ひとりひとりには騎士道精神がめばえ、忠誠・武勇・弱者への配慮などの道徳観が広まりました。
経済
封建社会のもとでは、荘園を単位とする自給自足経済がふつうでした。そのために、交易はあまりおこなわれず、貨幣経済も広まりませんでした。
階層
封建社会のもとでは、人びとのあいだの地位や身分は、はっきりと分かれていました。
いっぱんに、
・戦う者(戦士)
・働く人(農民)
の階層があり、民衆のひとりひとりは、いずれかの職種に属していました。
宗教
封建社会が成立したヨーロッパでは、ローマ=カトリックの影響がたいへんつよく、なにをなすにも教会が関わってきました。
荘園制度の特徴

荘園とは、領主が経営する私有地のことです。
荘園の中心には、領主が住む館があり、そのとなりには教会がありました。ふたつの建物をかこむように、あたりには農地が広がっていました。

また、耕地には種類があり、つぎの3つに分かれていました。
・農民保有地
・共同地
農奴のくらし
耕地で働いていた農奴のようすをみていきましょう。
中世ヨーロッパの農奴は、ローマ帝国時代のコロヌス(小作人)や、没落したゲルマン自由農民の子孫たちです。
かれらには、つぎのような税が課せられていました。
・結婚税
・死亡税
・十分の一税
地代には、
・生産物地代:農民保有地から生産物を領主に納める貢納
の2種類がありました。
くわえて、農奴が結婚や死亡する場合にも、領主に税を支払う必要がありました。
さらに、収穫物の 1/10 を教会に納めることも義務付けられていました。この税を「十分の一税」とよびます。
税もさることながら、身分上の拘束もかなりのものでした。
住居・農具の所有は認められたものの、移動の自由は、きほんありませんでした。
また、法律上の権利はほぼなく、領主の裁判権に服するのが、ふつうでした。
農業技術の発達
こんなひどい境遇のなかでも、農業技術はだんだんと革新されていきました。
まとめると、つぎのとおりです。
・鉄製重量有輪棃の使用
・三圃制農法の広まり
なかでも三圃制農法は革新的でした。
これは耕地を3つに分けて、1年ごとに、
↓
・春耕地(大麦の収穫)
↓
・休耕地(家畜の放牧)
の流れで、土地を使い分ける手法です。
あいだに休耕地をはさむことで、地力を回復し、高い生産性を確保しました。
このように農奴の権限はほぼ無いようなものでしたが、暮らしぶりはわりと豊かで、平和な日々を過ごしていたとされています。
おわりに
中世ヨーロッパの封建社会と荘園制度についてみてきました。
まとめると、こんなかんじです。
・双務的契約関係
・不輸不入権
・騎士道精神
・賦役
・貢納
・十分の一税
・三圃制
・古代ローマ時代の恩貸地制度と、ゲルマン由来の従士制がむすびつき、封建的な主従関係が成立した
この記事が、中世ヨーロッパの封建社会と荘園制度を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。
では、また。




