宋の社会と文化 ─ 江南開発・形勢戸/佃戸・青磁/白磁・火薬/羅針盤/木版印刷

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・宋の社会と文化について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・江南開発
・草市
・鎮
・交子/会子
・形勢戸/佃戸
・宋学
・朱子学
・司馬光『資治通鑑』
・院体画/文人画
・禅宗
・浄土宗
・全真教
・青磁/白磁
・火薬/羅針盤/木版印刷
重要人物
・周敦頤
・朱熹
ポイント
・宋代では、江南開発がすすんで経済の中心地となり、広州&泉州&明州などは南海貿易で繁栄した
・宋文化は漢人固有のもので、士大夫層と庶民層が文化の担い手だった

この記事では、つぎの本を参考にしました。

宋の社会と経済

宋のようす

宋では経済が大きく発展しました。

以下、

  • 農業
  • 手工業&商業
  • 海外貿易

の側面からみていきましょう。

農業

宋では、よりいっそう江南の開発がすすみました。

当時、日照りにつよい占城稲がつたわり、柵で囲われた田んぼが造成されました。

「蘇湖(江浙)熟すれば、天下足る」

とうたわれ、長江下流域は、穀倉地帯として成長することになります。

手工業&商業

農業以外の産業も発達しました。

手工業については、製茶・絹織物・紙・漆器・陶磁器(景徳鎮など)が、全国各地で生産されました。

また商業についても、都中心部での営業制限が廃止され、マーケットが大きく広がりました。

さらに草市といった新しいスタイルの市場も発達し、それともない、都以外の地方都市も大きく発展します。

都市内部では、

・商人による「行」
・手工業者による「作」

などの同業組合なども、うまれています。

海外貿易

外国との貿易にかんしては、

・広州
・泉州
・明州

などの地域に海外との窓口がもうけられ、ムスリム商人を中心に海洋交易がさかんになされました。

ただし自由貿易とは程遠く、市舶司とよばれる役人が、輸入/輸出を厳しく管理していました。

宋の社会

宋の社会では「形勢戸」とよばれる新興地主が台頭しました。

かれら新興地主は「佃戸」とよばれる小作人を雇い、すこしでも税負担が軽減されるように、収穫物を折半したうえで税を納めました。

このような新興地主に有利なしくみを「地主佃戸制」とよびます。

また形勢戸から豊かな経済力を背景に、科挙に合格する者たちがあらわれ、中央官僚となった青年男子は官戸とよばれました。

その官戸たちは士大夫階層を形成するようになり、かれらは清王朝末期まで、支配者層の中心となります。

宋の文化

『資治通鑑』

経済の発展にともない、宋では文化も大きく発達しました。

以下、

  • 儒学
  • 歴史
  • 文学
  • 絵画
  • 宗教
  • 工芸
  • 科学

の分野からみていきます。

儒教

儒教では、宇宙や人間をつきつめた宋学がうまれます。宋学では、それまで主流だった訓詁学が徹底的に批判されます。

代表的な論者は、つぎの3人です。

・周敦頤
・朱熹
・陸九淵

周敦頤は、道教&禅宗の影響から宇宙の成り立ちについて論じました。

朱熹は儒学の古典である四書(=『大学』『中庸』『論語』『孟子』)を重んじ、経験則にもとづく真理の探究につとめました。

それにより、ものごとの上下関係をあきからにする大義名分論を説きました。

また、彼の議論以降、朱子学が確立し、歴代王朝をささえる官学となっていきます。

陸九淵は、知識を重視する朱熹を批判し、唯心論にもとづく心即理の考えを説きました。

歴史

宋代の歴史学では、つぎのふたりが有名です。

・司馬光『資治通鑑』
・欧陽脩『新唐書』(など)

なかでも『資治通鑑』はいまでも読まれ、戦国時代〜五代十国時代までの流れを、編年体で記述しています。

文学

文学については、士大夫階層のあいだでは、古文復興運動がはやり、

・欧陽脩
・蘇軾

などの名文家が名をはせました。

いっぽう庶民階層のあいだでは、韻文をもちいた「詞」や、口語による雑劇が流行しました。

絵画

絵画では、

・院体画
・文人画

の2つが流行りました。

院体画は、宮廷につとめる専門画家によって描かれたもので、皇帝の徽宗がたいへんお気に入りでした。

文人画は、士大夫階層の人たちによって描かれたました。

宗教

宋代では、仏教と道教が信仰されました。

仏教については、各階層で宗派の〝すみわけ〟がなされます。

士大夫 → 禅宗
民衆 → 浄土宗

といったかたちです。

また道教については、華北地域で王重陽を開祖とする全真教が広く信じられ、北方の金王朝でもさかんに信仰されました。

いっぽう江南地域では、正一教が広まり、かれら信者は全真教と深く対立しました。

工芸

工芸では、「宋磁」とよばれる骨董品が流行りました。

宋磁には青磁白磁の2種類があり、なかでも景徳鎮は人びとのあいだでとくに親しまれていました。

景徳鎮の愛用者が増えたことから、飲茶の習慣が広まったほどでした。

科学

経済面で豊かな宋の社会では、科学技術も大きく発達しました。

とくに、

・火薬
・羅針盤
・木版印刷

の発明は重要で、これら3つの技術はイスラーム世界経由で、ヨーロッパに伝わり、西欧社会に大きな影響をあたることとなります。

おわりに

宋の社会と文化をみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・江南開発
・草市
・鎮
・交子/会子
・形勢戸/佃戸
・宋学
・朱子学
・司馬光『資治通鑑』
・院体画/文人画
・禅宗
・浄土宗
・全真教
・青磁/白磁
・火薬/羅針盤/木版印刷
重要人物
・周敦頤
・朱熹
ポイント
・宋代では、江南開発がすすんで経済の中心地となり、広州&泉州&明州などは南海貿易で繁栄した
・宋文化は漢人固有のもので、士大夫層と庶民層が文化の担い手だった

この記事が、宋の社会と文化を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。