プラトンの生涯 ─ 人生・作品・思想

どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。

大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。

社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。

働くなかで思うのは、自分の市場価値をアップするには「教養」が大切だということ。

・良いアイデアを出せる
・深くものごとを考えられる

こういう人たちは、キホン、教養を身につけています。

教養とは、なにか ─ それは、歴史と古典です。

なかでも、哲学の古典は、王道といえます。

わたしも、計500冊以上は、読んできました。

いきなり作品にふれるのも良いですが、書いた人が、どんな人物だったのか ─ それを把握しておくと、より内容を理解できます。

きょうは、

プラトンの生涯

を紹介していきます。

ポイントは、こんなかんじ。

・プラトンの人生
・プラトンの主著
・プラトンの思想

西洋思想は、古代ギリシャからスタートします。

なかでも、プラトンは、その中核を担います。

その意味で、プラトンの人物像は知っておくと、西洋哲学の全体像を理解できます。

① プラトンの人生

ソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師匠でもあるプラトン ─ 。

ギリシャ思想の骨格をつくりました。

まずは、かれの人生をたどってみましょう。

おもな出来事は、つぎの3つです。

① ソクラテスとの出会い
② 「アカデメイア」の開設
③ シケリア旅行

カンタンにみていきます。

① ソクラテスとの出会い

アテネの名門家庭に生まれたプラトン ─ 。

若いころに、哲学者として有名だったソクラテスに出会います。

かれから、

・問答法
・無知の知

といった、思想&手法を学び、自分なりの哲学を確立していきます。

いっぽう、政治家を志していたものの、裁判でソクラテスを自殺に追い込んだ議会に失望します。

プラトンが、30歳のときです。

師匠の死をキッカケに、現実の政治からは距離をとり、哲学者として、自らの政治思想を展開していきます。

② 「アカデメイア」の開設

40歳のころ、自らの思想を広めようと、アテネの郊外に学園を建設します。

土地の名まえから「アカデメイア」とよびました。

ジャンルも、

・天文学
・生物学
・数学
・哲学

など、幅ひろい学問分野をカバーしていました。

また、教育手法も、講義スタイルではなく、教師&生徒のあいだの、

・対話
・問答

が、重視されました。

このあたりは、ソクラテスの手法を受け継いだかたちです。

③ シケリア旅行

アテネを拠点にするいっぽう、プラトンは、計3回「シケリア島」に足をはこんでいます。

そのさい、シケリア島の「シュラクサイ」をおさめる、僭主「ディオニュシオ」に接見しています。

若いかれを指導・教育し、一時は「哲人政治」の実現を目指そうとしました。

しかし、第3回のシケリア旅行のとき、政治争いに巻き込まれ、軟禁されてしまいます。

なんとかシケリアを脱出してあと、ディオニュシオも暗殺されます。

結果、かれの「哲人政治」の夢は途絶えることになります。

晩年は「アカデメイア」の運営にチカラをそそぎ、80歳で亡くなりました。

プラトンの主著

師のソクラテスは1冊も書きませんでしたが、長く生きたプラトンは、たくさんの作品を残しました。

主著は、つぎの3つです。

・『ソクラテスの弁明』
・『饗宴』
・『国家』

ひとつひとつ、ふれていきます。

『ソクラテスの弁明』

プラトンのデビュー作とされています。

タイトルどおり、「ソクラテス裁判」をあつかったものです。

死刑を求刑されたソクラテス、傍聴人(=アテネ市民)にむけて、伝えたいメッセージを投げかける内容です。

「弁明」という形式をつうじて、

・魂
・善
・無知

などのテーマを展開 ─ 。

読み手である、わたしたちが思考・探求できるしくみになっています。

ちなみに、ルポ風に記述されていますが、すべてプラトンによる創作です。

そのため、ソクラテスではなく、プラトンの思想・理想が、色濃く反映する内容になっています。

『饗宴』

「饗宴(きょうえん)」とは、「客をもてなす宴」のこと。

先日、宴の席で、ソクラテスたちが、愛の神「エロス」について話し合っていた ─ 。

それを聞いていた、「アポロドロス」という若者が、友人の「グラウコン」に教えるところから、ストーリーがはじまる。

対話形式で議論がすすみ、

・愛(エロス)
・不死
・イデア

などのテーマを軸に、はなしが展開される。

哲学書というと、かたくるしい散文をイメージしますが、コレは物語調ですすんでいきます。

そのため、わりととっつきやすい内容になっています。

『国家』

プラトンが、40歳〜50歳ごろの作品で、おもに「正義」をテーマにした内容。

ソクラテスが主張した、

・魂への配慮
・善き生

を、深堀り&展開したもので、プラトンの思想が、体系的にのべられています。

こちらも対話形式で書かれていますが、分量が多め。

いきなり読んでも挫折するので、ほかの作品 or 概説書をチェックしてから、読むのがおすすめです。

プラトンの思想

プラトンの中心となる思想&主張は、つぎのとおり。

・イデア論
・洞窟の比喩

もちろん、ほかにも提唱した考え&概念はありますが、まずはこの2つをおさえておくのが、理解するコツです。

カンタンにふれていきます。

イデア論

イデアとは、

時間・空間をこえた、永遠で、非物資的な存在

のこと。

「idea」(=理想)の語源となってことからも分かるとおり、地上に生きているかぎり、ゼッタイに手にできない存在をさします。

プラトンいわく、この世のあるモノ&コトは、すべて「イデア」の「以像」(≒ 影)にすぎません。

ソクラテスのいう「魂への配慮」「善き生」をおこなうには、イデアの追求こそが必要である、と主張します。

洞窟の比喩

イデア論を、わかりやすく説明するために用いたのが、「洞窟の比喩」です。

洞窟に閉じ込められ、壁しか見れない人たち ─ 。

縛れているとも気づかない人びとは、壁に映る「影」or「音」こそが、「実体」「真実」だと思い込んでいる。

じっさいは、洞窟の外で、火が燃えて、そのまわりで、ちがう人たちが声をあげているだけ。

この喩えをつかって、わたしたちがいつも見ているのは、火(=イデア)の「影」にすぎないことを主張しました。

おわりに

プラトンの生涯をみてました。

哲学の歴史は、プラトンからはじまります。

かれの人生・主著・思想を知ることで、大まかですが、西洋思想&西洋哲学が理解できます。

よければ、参考にしてみてください。

ではまた〜。