インドの歴史 ─ おすすめの本 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。

社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。

働くなかで思うのは、自分の市場価値を高まるには「教養」が大切、ということ。

・知性がある
・仕事ができる

こう思える人は、たいてい教養を身につけています。

わたしも、これまで古典&学術書を読みあさってきました。

なかでも、さいきんブームになっているのは「世界史」です。

ここ数年、ビジネスマンの必須知識として「世界史」が注目をあつめています。

ネット時代をむかえ、グローバル化が加速しているからです。

それなりのレベルで働くには、世界全体の流れを知っておく必要があります。

そこで、きょうは、インドの歴史を理解できる本・著書を紹介していきます。

世界史といえば、古代ギリシャ or ローマなど、ヨーロッパが中心です。

とはいえ、ほかの地域にも目をむける必要があります。

とくに日本にいると、どうしてもインドの歴史には、疎くなりがちです。

ここでしっかりと、大まかに流れをつかんでおきましょう。

おすすめは、つぎのとおり。

  1. ・山崎元一『古代インドの文明と社会』
  2. ・佐藤正哲(ほか)『ムガル帝国から英領インドへ』
  3. ・中村元『古代インド』
  4. ・山下博司『古代インドの思想』

どれも読みやすく、インド史の流れを理解できます。

ちなみに、ここでいう「インド史」とは、「インダス文明の誕生」〜「ムガル帝国の崩壊」までです。

年代でいえば、BC.3000年ごろ〜AD.1800年ごろ。

世界全体が、近代化&グローバル化するまえの時代です。

以下、目次にそって、ひとつひとつ、みていきます。

山崎元一『古代インドの文明と社会』

出版年 2009年
目次 1 インド亜大陸
2 インダス文明の謎
3 アーリヤ人と先住民
4 農耕社会の成立
5 古代王国の成立
6 非正統派思想の興起
7 古代インドの統一帝国
8 外来民族と土着勢力
9 流動期の亜大陸
10 古典文化の繁栄
11 有力国家の分立と抗争
12 転換期の社会と宗教
13 インド文化の伝播 ─ スリランカ、中央アジア、チベット

著者は、古代インド史の専門家。

同時に、近現代のカースト制にも詳しい方です。

本書は、中央公論新社の「世界の歴史」シリーズの1冊です。

研究成果をふまえ、一般向けに、わかりやすく古代インドの歴史をみていきます。

たんに出来事をたどるだけでなく、カースト制度の成り立ちについても、著者の意見を述べています。

初期のインド史を、ざっくり、かつ、深く知りたい方には、おすすめです。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

佐藤正哲(ほか)『ムガル帝国から英領インドへ』

出版年 2009年
目次 第1部 ムスリム王権の成立と展開
第2部 英領インドの形成
第3部 南インド史の舞台

こちらも、中央公論新社「世界の歴史」シリーズの1冊です。

インド通史の書籍が少ないなか、信頼のある資料をあげながら、体系的にわかりやすくのべています。

東洋史の専門家が3人で書かれているので、ひとつの考えからではなく、バランスよく記されている印象です。

本書では、インド最後の王朝「ムガル帝国」にスポットをあて、イギリスの植民地になっていく過程を、〝主観をまじえることなく〟ていねいに説明していきます。

いっぽうで、「イスラム勢力」の影響など、まわりの国々とのカンケーなども描いています。

第一部では、「ヒンドゥー – ムスリム」との対立&融和、各年代の王朝とムガル帝国の繁栄&衰退について。

第二部では、西欧による植民地化と反乱の歴史 ─ 。

第三部では、南インドにおける英植民地政策の内実を描いています。

インドが、近代化&植民地化の「うず」に、どんなふうに巻き込まれていったのか ─ 。

そのプロセスが、よくわかります。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

中村元『古代インド』

出版年 2004年
目次 第1章 インドの先住民
第2章 アーリヤ人の侵入
第3章 農村社会の確立とバラモン教
第4章 都市の出現
第5章 原始仏教の出現
第6章 統一的官僚国家の成立 ─ マガダ国からマウリヤ王朝へ
第7章 異民族の侵入
第8章 クシャーナ王国
第9章 大乗仏教
第10章 グプタ王朝の集権的国家

著者は、仏教学の第一人者「中村元」さんです。仏教界では、知らない人はいない有名人ですね。

中村さんといえば、仏典の翻訳で知られていますが、古代インドの歴史にかんする著書も出ています。

本書では、「インダス文明の起こり」〜「グプタ王朝」までをあつかっています。

ちょうど大乗仏教が生まれるあたりですね。

インド地域へのアーリア人の侵入から始まり、それぞれの王朝が、どのように繁栄し、衰退していったのか ─ そのプロセスを、わかりやすく説明しています。

インド哲学の第一人者ということで、仏教はもちろん、「バラモン教」「ジャイナ教」の成立過程を、インド通史にカラめながら説明します。

古代インドの歴史を知る以外に、それぞれの宗教・学問のなかみを理解するうえでも役に立つ1冊です。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

山下博司『古代インドの思想』

出版年 2014年
目次 第1章 インドの大地と自然
第2章 インダス文明と原ヒンドゥー教
第3章 アーリヤ人の侵入とヴェーダの神々
第4章 ウパニシャッドから仏教・ジャイナ教へ
第5章 仏教と雨―修行者の暮らしと教団の成立

著者は、インド思想史・文化史、環境思想の専門家です。

タイトルどおり、インド思想の歴史をたどる内容です。

とはいえ、よくある概説をのべるわけでありません。

インド地域の自然環境が、宗教・思想・哲学にどのような影響をあたえたのか ─ 。

気候の側面から、インドの流れを追っていくものになっています。

あつかう思想も

・ヒンドゥー教
・ウパニシャッド哲学
・仏教
・ジャイナ教

と、「インドの知」を、ほぼ網羅してします。

各時代の王朝に影響されながら、インド思想が、どのように変化していったのか ─ 。

本書に目をとおせば、単なる通史ではなく、インドの根底に流れる「思考の流れ」をとらえることができます。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

おわりに

インドの歴史を理解できる、おすすめの本を紹介してきました。

世界史について、最低限の教養を身につけるには、どれも役に立つ本ばかりです。

ここにあげた記事を参考に、あらゆるシーンで活用してみてください。

きょうあげた知識が、あなたの役立つとうれしいです。

ではまた〜。