どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。
大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。
社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。
働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。
働くなかで思うのは、自分の市場価値をアップするには「教養」が大切だということ。
・深くものごとを考えられる
こういう人たちは、キホン、教養を身につけています。
教養とは、なにか ─ それは、歴史と古典です。
なかでも、哲学の古典は、王道といえます。
わたしも、計500冊以上は、読んできました。
いきなり作品にふれるのも良いですが、書いた人が、どんな人物だったのか ─ それを把握しておくと、より内容を理解できます。
きょうは、
を紹介していきます。
キケロは、古代ローマ時代の人物。
ローマ帝国の政治家&弁論家であると同時に、ローマ哲学の土台を築いた人でもあります。
かれの生涯をみることで、古代ローマ哲学のキホンを理解できます。
ポイントは、こんなかんじ。
・キケロの主著
アテネ or スパルタなど、ギリシャの都市国家が衰退したあと、ヨーロッパ地域の覇権をにぎったには、ローマ帝国でした。
国が栄えれば、文化・芸術・学問も、開花します。
この時代、ギリシャ哲学を受けつぐかたちで、ローマ哲学が、深化・確立しました。
それに貢献したのが、政治家・弁論家のキケロでした。
以下、うえのポイントを、ひとつひとつみていきます。
目次
キケロの人生
まずは、キケロの人生 ─ 。
おもな出来事は、つぎの3つです。
②「祖国の父」という称号を獲得
③ アントニウスによる暗殺
カンタンにみていきます。
① 弁論家として活躍
共和政末期のローマ帝国に生まれキケロ。
祖先に高官をもたない(=ノウス・ホモ)にもかかわらず、帝国内で出世をはたし、名をあげました。
ギリシャ人の政治家&哲学者「ポセイドニオス」の弟子となり、法律家としてキャリアをスタートしました。
独裁官「スッラ」の側近である「クリュソゴノス」が、不正貯蓄事件をおこします。
敵方・相手方として、「ロスキウス」が被告として立たされますが、かれを弁護したのがキケロでした。
無名でしたが、雄弁な語り口で、裁判で勝利をはたします。
これにより、キケロの名まえは、一気に広まりました。
しかし、独裁官「スッラ」を敗訴に追い込んだということで、暗殺の危険をかんじます。
そこで、いったんローマを離れて、小アジア → ギリシャなどを、留学・歴訪します。
②「祖国の父」という称号を獲得
スッラが亡くなると、キケロは、ふたたびローマに戻ってきます。
そのあと、
↓
・按察官(アエディリス)
↓
・法務官
と、キャリアを積みかさね、名声を高めていきます。
そして、B.C.63年に、行政のトップ「執政官(コンスル)」に就任します。
そのさい、ローマの政治家「ルキウス・セルギウス・カティリナ」が、民衆側に立って、国家転覆を図ろうとします(=カティリナの陰謀)。
計画は未遂におわりましたが、「民衆の目」もあるなか、首謀者たちをすべて「死刑」に処することを決めます。
民衆から非難されるいっぽう、貴族階層の「元老院」からは称賛 ─ 。
保守派からの信頼をえたキケロは、「祖国の父」の称号を受けます。
ここからわかるとおり、キケロは「保守派」の政治家で、ローマの伝統を重んじるタイプでした。
当時のローマでは、ギリシャ文化は「進歩的」「先進的」でした。
自分はギリシャ留学しているのに(笑)、ギリシャの芸術・学問が流入する状況には、反対していました。
それもあってか、キケロは、ローマ独自の思想・哲学を確立できたのかもしれません。
③ アントニウスによる暗殺
その後、民衆派の勢いは衰えるいっぽう、
・ポンペイウス
・クラッスス
などの人物を中心に、皇帝支配の動きが出てきます。
ローマの伝統「共和政」を重視するキケロは、帝政への移行に、真っ向から反対します。
終身独裁官になったカエサルが暗殺によって亡くなると、そのあとを「マルクス・アントニウス」が引き継ごうとします。
独裁をおそれるキケロは、カエサルの養子で、まだ平民だった「アウグストゥス」を支持し、アントニウスに対抗します。
しかし、アントニウスとアウグストゥスが、レピドゥスと共に、統治協定を結んでしまいます(=第二回三頭政治)。
それにより、キケロの立場はなくなり、さいごは、恨みをかった「アントニウス」のさしがねによって暗殺されます。
キケロの主著
かれの著書は、演説や書簡を中心に、たくさん残っています。
テーマも、政治・弁論術・哲学・文学など、さまざま。
そのうち、いまでも読まれている作品は、つぎのとおり。
・『ラエリウス ─ 友情について』
・『義務について』
ほかにも、『国家論』『トゥスクルム荘対談集』など長編もありますが、翻訳にめぐまれず、なかなか普及していません。
うえ3冊について、かるくふれてみます。
『大カトー ─ 老年について』
いまのところ、イチバン読まれている作品です。
タイトルどおり、ひとの「老い」「老年」をあつかったものです。
共和政ローマの政治家「大カトー」の邸宅に、ふたりの若者が訪ねます。
ひとりは、ポエニ戦争の英雄「スキピオ・アエミリアヌス」 ─ 。
もうひとりは、スキピオの友人「ガイウス・ラエリウス」 ─ 。
前途有望な若者たちに、むかし名をはせたカトーが、老年について語る、という設定です。
執筆当時、キケロ自身が61歳で、みずからの「老い」についての考えを、過去の偉人の口をかりて、述べていきます。
語り口調のため、文体はやさしい。おまけに、分量も、文庫本で100ページにも満たないので、2時間もあれば読めてしまいます。
老年という個別のテーマをあつかっていますが、キケロの思想全体がすけてみえます。
その意味で、さいしょの1冊として、おすすめです。
『ラエリウス ─ 友情について』
こちらは、『老年について』の続編として書かれたもの。
設定は同じで、さきに登場した政治家「ラエリウス」の口をかりて、今度は友情について述べていきます。
同じく登場した「スキピオ・アエミリアヌス」が亡くなったことをうけて、ふたりの女婿(=むすめむこ)にむけて、「理想的な友情」について、語っていきます。
こちらも語り口調のため、文体はやさしく、サラッと読めてしまいます。
友人のつくり方・あり方については、だれしも経験があるので、なにかしら思うトコがあるはず。
個人的には、『老年について』よりも、こちらのほうが感銘をうけました。
『義務について』
こちらは、息子「マルクス」に、「善き生」「徳(アレテー)にもとづく生き方」について述べたものです。
「善き生」「徳(アレテー)」は、[ソクラテス → プラトン → アリストテレス]につらなる、ギリシャ思想の「一大テーマ」です。
本書で、2つのテーマを、ローマ思想と融合させるかたちで、キケロ自身の見解・主張を述べていきます。
うえに2冊にくらべて、分量は多めですが、キケロ思想の全体像を知るうえでは、避けては通れない作品です。
ただ日本では、まともな翻訳が『選集』しかありません。手ごろに読めないのが、とても残念です。
おわりに
キケロの生涯をみてました。
ギリシャ思想が衰退してから、政治状況と合わせるかたちで、ローマ思想が栄えます。
なかでも、キケロの作品は、ローマ哲学の中核をなすものです。
かれの人生・作品を知ることで、大まかですが、西洋思想&西洋哲学が理解できます。
よければ、参考にしてみてください。
ではまた〜。

