唐の社会と文化のまとめ ─ 宗教・制度・経済・ソグド人・白居易

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・唐の社会と文化について知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・ソグド人
・ムスリム商人
・景教
重要人物
・玄奘
・義浄
・杜甫
・李白
・白居易
・韓愈
・柳宗元
・呉道玄
・顔真卿
・孔穎達
ポイント
・ソグド人やムスリム商人によって東西交易が活発となり、長安は国際都市として繁栄をきずいた

この記事では、つぎの本を参考にしました。

唐の社会

唐のソグド人

以下、

  • 産業
  • 貿易
  • 都市 長安
  • 宗教

の側面から、唐の社会をみていきましょう。

産業

きほん唐の社会は、農業が中心で、一部の人たちは手工業についていました。

農業は、華北で二毛作が広がり、生産性がよりいっそう向上しました。

手工業は、さまざまな工芸品がうまれ、なかでも唐三彩はさかんに製作されました。

貿易

陸上では、イラン系のソグド人との中継貿易が積極的になされました。

結果、長安を中心に胡人風の趣味がたいへん流行りました。

海上では、アラブ人&ペルシャ人など、ムスリム商人との南海貿易がさかんにおこなわれました。

玄宗のときには広州に市舶司がおかれ、海外との貿易を管理するようになります。それにより、揚州&泉州のエリアは、経済面で大きく発展します。

また陸上&海上ともに、遠隔地との決済には、手形のような飛銭がつかわれました。

都市長安

唐の都がおかれた長安は、国際都市として大いに繁栄します。

長安の都市設計は、ほかのアジア諸国にも伝わり、日本の奈良にあった「平城京」は、長安をモデルにつくられました。

宗教

唐においてもひきつづき、仏教が流行します。

仏僧である、

・玄奘
・義浄

のふたりは、それぞれのルートでインドで向かい、オリジナルの仏教を学びにいきます。

そのさい玄奘は『大唐西域記』を、義浄は『南海寄帰内法伝』を記しています。

ふたりの留学は、浄土宗&禅宗の発展に貢献しました。

また、仏教のほかにも道教も発達し、王朝の保護をうけて、人びとのあいだに広まっていきました。

さらに長安が国際都市ということで、諸外国からさまざまな宗教がもたらされます。

目ぼしいところだと、つぎの4つです。

・景教(キリスト教ネストリウス派)
・祆教(ゾロアスター教)
・マニ教
・回教(イスラーム)

唐の文化

白居易(白楽天)

唐では、国際色のある貴族文化が華ひらきました。

以下、

  • 文学
  • 絵画
  • 書道
  • 儒学

の分野から、おもな作者&作品をとりあげます。

文学

唐では、詩が発達しました。有名な人物&作品はつぎのとおりです。

・杜甫 → 『春望』『兵車行』
・李白
・王維
・白居易(白楽天) → 『長恨歌』

なかでも『長恨歌』は、玄宗と楊貴妃の悲劇をうたったものとして、よく知られています。

また散文も発達し、

・韓愈
・柳宗元

のふたりは古文復興を宣言し、多くの作品を残しました。

絵画

絵画では、閻立本による『歴代帝王図巻』が有名です。

また呉道玄は山水画のスタイルを確立し、玄宗皇帝にたいへん気に入られました。

書道

書道では欧陽詢褚遂良がよく知られてます。

ふたりは太宗(2代)につかえ、貞観の治に大きく貢献しました。

また顔真卿の作品も、力強い書体で知られ、彼は文化人のほか、武将としても「安史の乱」を鎮圧するさいに活躍しました。

儒学

儒学では孔穎達の『五経正義』がさかんに読まれました。

この作品は五経の注釈書で、学者のあいだで解釈めぐる意見が一致したので、のちには科挙の教科書としても用いられるようになります。

本書により、それまでの訓詁学がほぼ完成したため、かえって儒学の学問自体は、衰退していくことなります。

おわりに

唐の社会と文化をみてきました。

まとめると、こんなかんじです。

キーワード
・ソグド人
・ムスリム商人
・景教
重要人物
・玄奘
・義浄
・杜甫
・李白
・白居易
・韓愈
・柳宗元
・呉道玄
・顔真卿
・孔穎達
ポイント
・ソグド人やムスリム商人によって東西交易が活発となり、長安は国際都市として繁栄をきずいた

この記事が、唐の社会と文化を理解するさいのヒントになれば、うれしいです。

では、また。