どうも、りきぞう(@rikizoamaya)です。
大学院では、キャリア論と社会保障を研究していました。
社会人なってからは、予備校講師 → ウェブディレクター → ライターと、いろんな職業にたずさわってきました。
働き方についても、契約社員 → 正社員 → フリーランスと、ひと通り経験してきました。
働くなかで思うのは、自分の市場価値をアップするには「教養」が大切だということ。
「発想がすごいなぁ」
と、思う人は、キホン、教養を身につけています。
わたしも、これまでたくさんの古典&学術書を読みあさってきました。
なかでも、小説&文学については、有名な世界文学は、ほとんど目をとおしてきました。
合計300冊くらいは味わってきたと思います。
そこで、ここでは
と題して、紹介していきます。
さっそくビックアップすると、こんなかんじです。
- ① セルバンデス『ドン・キホーテ』
- ② オースティン『高慢と偏見』
- ③ バルザック『ゴリオ爺さん』
- ④ ディケンズ『大いなる遺産』
- ⑤ ドストエフスキー『罪と罰』
- ⑥ フローベール『ボヴァリー夫人』
- ⑦ チェーホフ『かわいいひと』
- ⑧ プルースト『失われた時を求めて』
- ⑨ カフカ『訴訟』
- ⑩ ガルシア・マルケス『百年の孤独』
教養を身につけるうえで、どれも必読本です。
といっても、ガマンして読むかんじではありません。
いったんその世界にハマってしまえば、ぐんぐんページをめくってしまうような作品ばかりです。
きょうは、記事の分量から、さいしょの5冊を紹介していきます。
後半の5冊は、こちらの記事で紹介しています。
目次
教養が身につく世界文学10冊(前編)
くりかえすと、こんなかんじです。
- ① セルバンデス『ドン・キホーテ』
- ② オースティン『高慢と偏見』
- ③ バルザック『ゴリオ爺さん』
- ④ ディケンズ『大いなる遺産』
- ⑤ ドストエフスキー『罪と罰』
どれも骨太の作品ですね(笑)
以下、さらっと著者&内容にふれたあと、読むポイントをみていきます。
① M.セルバンデス『ドン・キホーテ』
著者
著者の M.セルバンテスは、スペインの作家で、1547 年〜1616 年に生きた人です。
下級貴族の次男として生まれ、青年期のころには、スペイン海軍に入隊し、『レパントの海戦』(1571年)に参加しました。
かれの人生は、スペイン帝国の衰退期とかさなっています。その経験が、作品にも反映されている、と言われています。
内容
『ドン・キホーテ』は、1605 年に前編が、1615 年に後編が出版されました。
冒険小説ですが、ただの「ロードストーリー」ではありません。
「騎士道物語」を読みすぎた「50すぎのオジさん」が、自分をストーリーに出てくる「騎士」と思いこみ、スペイン各地を遍歴する、というおはなしです。
とちゅう、従士(=家来)のサンチョ・パンサを仲間に入れたあと、練りあるくなかで騒動をおこしていきます。
ポイント
「小説のスタイルを確立した」と言われるほど、重要な作品です。
「ト書きの描写」「セリフまわし」など、いまではあたりまえになっている形式が、『ドン・キホーテ』ではすべて表現されています。
スタイルだけでなく、内容もまた素晴らしいです。
「本を読みすぎて、自分が「騎士」だと思いこむ」なんて聞くと、バカバカしいように思えます。
とはいえ、よくよく考えてみると、わたしたちはそれぞれ、「なにかを思いこんで」生きています。
宗教・家族・制度など、なにかを信じていないと、生きていけないからです。
そんな人間の「性(さが)」を指摘した作品として、読み継がれています。
② J.オースティン『高慢と偏見』
著者
著者の J.オースティンは、イギリスの作家で、1775 年〜1817 年に生きた女性です。
牧師の子どもして生まれ、『サウサンプトン』や『チョートン』などの田舎・郊外で、生涯を穏やかに過ごしました。
ほかの作家さんと異なり、波乱万丈の人生ではありません。
そんなライフスタイルを反映するように、かのじょの作品には、コレといった事件は起きません。
どこにでもあるような話ですが、セリフまわしがおもしろく、ト書きの描写も「奥深い人間描写」であふれています。
内容
『高慢と偏見』は、1813年に出版されました。
彼女の作品としては、2冊目の長編小説です。
田舎町『ロンボーン (Longbourn)』を舞台に、ベネット家の次女「エリザベス」と、独身の資産家「ビングリー」、その友人「ダーシー」をめぐる恋と結婚のおはなし。
ストーリーはフツーですが、タイトルのとおり、エリザベスをふくめ登場人物たちの、「偏見」&「プライド(=高慢)」、そしてじょじょに惹かれていくようすが、うまく描かれています。
ト書きであらわれる、登場人物たちにたいする皮肉も素晴らしいです。
ポイント
この小説のすごいトコは、プロット(=はなしのすじ)は、ちょーフツーなのに、ぐいぐい読み手を引き込んでいくことです。
ハリウッド映画のように、ハデな事件も「ドンパチ」も、いっさい起こりません。
なのに、先が気になって仕方ないんです(笑)
世俗的なコトしか描いてませんが、けっして低俗ではありません。
セリフまわしも「知性にあふれ」、人間描写も深い。
③ O.バルザック『ゴリオ爺さん』
著者
著者の O.バルザックは、フランスの作家で、1799 年〜1850 年に生きた人です。
実務家の子どもして生まれ、その生涯を首都パリで過ごしました。
貧乏だったわけではありませんが、散財しまくり、つねに借金に悩まされていました。そのために執筆活動は、激務だったそうです(笑)
その激しい性格から、作品数も90編にも及び、すべてを総称して『人間喜劇』と呼んでいます。
内容
90編の作品のなかで、もっとも知られている小説です。
内容は、フランスの「王政復古」の時代を背景に、上流階級のイスをゲットしようとする人たちの奮闘劇です。
片田舎からパリに出てきた青年「ラスティニャック」の視点から、資産家や詐欺師など「平民階級」の人たちのようすをするどく描いています。
ポイント
いまでいえば「成り上がり」を描く作品です。
プロットも引き込まれますが、いわゆる写実的な描写はふんだんにもりこまれて、読み手をぐいぐい引き込んでいきます。
わりと中毒性の高い作品で、いったんハマりこんだら、抜け出せない魅力があります。
④ C.ディケンズ『大いなる遺産』
著者
著者の C.ディケンズは、 イギリスの作家で、1812 年〜1870 年に生きた人です。
海軍の会計士の子どもとして生まれ、中流階級の家庭で育ちました。
ただし家計は貧しく、貧乏生活を強いられました。青年期のころから、すでに新聞記者として働いています。
その経験から、作品でも下層階級など弱者の視点からのものが多く、社会を諷刺したストーリーになっています。
内容
孤児の「ピップ」が、自らの「少年〜青春時代」を語るスタイルになっています。半自叙伝的小説ですね。
ビンボーをしていたときに、ある人物から「多額の遺産」(=大いなる遺産)を預かることになり、そこから物語が展開していきます。
ポイント
この作品にかぎらず、ディケンズの小説は、キホン的に「プロット」「ストーリー」で、読み手を引き込んでいくのが、ほとんどです。
わりとトラブルや事件も多めで、それをフックに、ぐいぐいはなしを展開させていくかんじです。
語り口もむずかしくないので、エンタメ小説としても読むことができます。
⑤ F.ドストエフスキー『罪と罰』
著者
著者の F.ドストエフスキーは、ロシアの作家で、1821 年〜1881 年に生きた人です。
文学といえば、ドストエフスキーというほど有名な人です。
医者の次男として生まれ、青年期は首都モスクワで過ごしました。
そのときに「思想犯」として捕まり、死刑は逃れたものの、シベリア送り(=囚人)になりました。
刑期を終え、モスクワに戻って以降、『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』などの名作をのこしました。
内容
元大学生「ラスコーリニコフ」が殺人を犯し、罪の意識に苦しむ心情が描かれていきます。
犯罪小説のスタイルをとっていますが、「貧困」や「無神論」など、哲学的なテーマもおりこまれ、読み手を〝考えさせる〟内容になっています。
ポイント
ドストエフスキー作品のなかでも、ド定番の作品です。
『悪霊』や『カラ兄』にくらべて、分量もちょうどよく、そこまで時間もかからず読んでいけます。
ただし、言いまわしがカタく、内容が思想的・哲学的なので、ちゃんと理解するには、かなり時間がかかります。
コツとしては、はじめて読むときには、ストーリーを追うことを重視して、再読のときに、哲学な内容を考えながら、ページをめくっていくのがベターです。
じゃないと、ムズかしすぎて、いちいち〝つっかかって〟しまうからです(笑)
ディケンズやバルザックは、1回読めば十分ですが、ドストエフスキーの場合は、再読を要求します。
けれど2回読むといっても、再読したほうが、よりおもしろかったりします。
名作とよばれる所以(ゆえん)ですね。
おわりに
「教養が身につく文学10冊」のうち、さいしょの5冊を紹介してきました。
ここにあげた作品は、世界文学のなかでは、「定番中の定番」です。
最低限の教養を身につけるには、目をとおして損はありません。
もちろん義務感というより、純粋な「たのしみ」としても、おもしろいので、ぜひチェックしてほしいと思います。
ここにあげた記事を参考に、あらゆるシーンで活用してみてください。
きょうあげた知識が、あなたの役立つとうれしいです。
つぎの記事では、のこりの5冊を紹介していきたいと思います。
ではまた〜。

